『生命と機械をつなぐ知』新刊ちょい読み

山本 尚毅2012年04月04日 印刷向け表示
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生命と機械をつなぐ知 基礎情報学入門
作者:西垣 通
出版社:高陵社書店
発売日:2012-03-15
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現代の子ども達、いや幼児はiPadやiPhoneを言語を活用する前から器用に利用している。Appleがつくり込んだ直感的に理解できるユーザーインターフェースの賜物だ。そんなデジタルネイティブ幼児たちが小学生になり、思春期を迎え、高校生となったときに、コンピュータの向こう側の世界で子どもが何を行い、誰とコミュニケーションを取っているのか、それは親の想像を遥かに超えてしまうのではないだろうか。インターネットのサービスやメディアは世代ごとや興味ごとにターゲットが定められたものも多く、高校生が活用している携帯サービスやSNSを聞けば、業界人でない限り、大人が知らないものばかりだ。アメーバピグやGREEが規制により、未成年の利用が一部制限がかかったニュースも記憶に新しい。

そんな時代だからこそ、デジタルネイティブがインターネットとどう向き合っていくかを教育課程で学ぶ必要があるのは間違いない。2003年4月より高校で「情報」の授業が必修科目になっているが、現状は簡易なプログラミングやOfficeソフトなどの操作を覚える実習が多く、指導できる教員も不足している。技術的な内容に偏った高校の情報教育に対する不安と危機感を持ったとある高校教師が著者の西垣氏に相談したことが本書誕生のきっかけである。

その内容は下手に語るよりも、目次に語ってもらうことにしよう。全32講義、教科書的構成が懐かしく読みやすい。

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第一章 情報

1.1 情報とは何か

1.2 情報学の分類

1.3 情報の伝達と蓄積

1.4 情報量

1.5 身体と生命情報

1.6 記号と社会情報

1.7 ITと機械情報

1.8 デジタルとアナログ

第二章 システム

2.1 自律システムと他律システム

2.2 コンピュータ・システム

2.3 有機構成

2.4 オートポエーシス

2.5 心的システム

2.6 社会システム

2.7 階層的自律コミュニケーション・システム

2.8 ロボット

第三章 メディア

3.1 伝播作用

3.2 成果メディア

3.3 連辞的メディア

3.4 範列的メディア

3.5 マスメディア・システム

3.6 ウェブ検索

3.7 双方向メディア

3.8 インターネット・システム

第四章 コミュニケーションとプロパゲーション

4.1 システム作動と意味伝播

4.2 構成される世界

4.3 個人の学習

4.4 組織の学習

4.5 機械の学習

4.6 システムの進化

4.7 人間=機回復合系

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ご覧のように本書は高校生にとっても重要な内容である。下手なインターネット関係の本に手を出すよりも、よっぽど勉強になるので、大人にとっても良質な教科書であろう。大人でも理解が難しそうな単語が並ぶ目次に、果たして高校生がこの授業内容を理解できるのか?という疑問は残るが…。

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