6月の今月読む本 その2

東 えりか2012年06月09日 印刷向け表示
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HONZをごらんになっている多くの方は気づいているだろうが、メンバーには背番号がある。

1.内藤 2.村上 3.土屋 4.山本 5.久保 6.東 7.新井 8.鈴木 9.高村 0.栗下

成毛は指名打者で、代打要員に仲野と足立。そして学生メンバー。

そう、日にちの末尾で書く日が決まっているのだ。基本的に土日は書かなくてもいい(もちろん書いてもいい)。超速レビューはいつでも誰でもOK。でも、できるだけコンパクトに。

大雑把にこういう決まりがあるのだけど、実は仁義なき戦いがバックヤードでは繰り広げられていて、容赦なしの早い者勝ちである。それぞれ仕事を持っているので、忙しい時期は指をくわえて代打を頼むと、間髪いれずに「俺が書く」と手が上がる。何を書くか決まったら書き込む予定表は、向こう2週間びっしりだ。

読書というと、やさしげで静かな印象を持つだろうが、HONZは「肉食読書」。みんなむさぼり読んでいる。

学生メンバーも半年経ち、その機微がわかってきたようだ。朝会の2週目はそんな学生メンバーのオススメ本から。

麻木久仁子が推薦した『未完のファシズム』のときに、「授業で出てきた2.26事件も5.15事件も、学生は誰も知らなかった」と言い、麻木を激怒させた刀根明日香

「声」の資本主義 ---電話・ラジオ・蓄音機の社会史 (河出文庫)
作者:吉見 俊哉
出版社:河出書房新社
発売日:2012-05-08
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音声メディアの登場と役割について。最近ではお葬式で本人のお礼の声が流れたりするからなあ。

どこに根拠があるのか、いつも自信満々の井上卓磨 これはどうだ!とかばんから出したのは…

チョコレートの帝国
作者:ジョエル・G・ブレナー
出版社:みすず書房
発売日:2012-05-23
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メンバーからは「ああ~」と気のない返事。「ええっ、気合を入れて買ったのに!」と嘆く井上。「それ、書いたよ」と非情の成毛。

ハーシーチョコとM&Mでゆうめいなマーズというチョコレート会社の興亡を探ったもので、私は面白そうだと思うよ。

就活に疲れてやつれていたのが、決まったとたんにキラキラ輝いて見える一色麻衣

ペーターのドイツ鉄道旅行案内 (平凡社新書)
作者:ペーター・エンダーライン
出版社:平凡社
発売日:2012-05-20
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あれ、普通、と思ったら選んだ理由が普通じゃなかった。「以前、ドイツをバスで旅行したときに、運転手が代わると止まっちゃたり、嫌な思いをしたりしたので、今度は快適な旅行がしたいから」チャレンジャーであった。

さてここからはおまけの本の2順目。ごそごそと二つ目の袋を出すやつもいるぞ。

新井文月

都市の樹木433 (ポケット図鑑)
作者:岩崎哲也
出版社:文一総合出版
発売日:2012-04-27
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東京は緑が多い。子供と散歩するとき、そのへんに生えている木の名前を教えられたからかっこいいと思う。

成毛眞

人類史を物で語るこのシリーズの1も出ている。岩波ジュニア文庫は侮れない。

オートクチュール: パリ・モードの歴史 (文庫クセジュ)
作者:フランソワ=マリー グロー
出版社:白水社
発売日:2012-05-24
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システムの厳密さがわかる貴重な資料「オートクチュール規約」を付録で掲載している。まあ、一生縁はないだろうけど…

イスラームの善と悪 (平凡社新書)
作者:水谷 周
出版社:平凡社
発売日:2012-05-17
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イスラムの人が考える善と悪を解説。これが理解できれば、かなりのことが解決するのではないだろうか?

鈴木葉月(二つ目の袋を開け、風呂敷包みをといて本を出す)

精神分析の名著 - フロイトから土居健郎まで (中公新書)
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2012-05-24
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こんなの読んだら、また本が増えるよぉ。

暴走する地方自治 (ちくま新書)
作者:田村 秀
出版社:筑摩書房
発売日:2012-05-07
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歴史が面白くなる 東大のディープな日本史
作者:相澤 理
出版社:中経出版
発売日:2012-05-15
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東大入試の日本史は、歴史マニアにはたまらないらしい。これはちょっと読みたい。

もういちど読む山川地理
作者:田邉 裕
出版社:山川出版社
発売日:2012-05
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人気のこのシリーズ。麻木久仁子から「これと本当の教科書と、どこが違うか知ってます?」という問いが出た。誰もわからなかったが回答は「読むシリーズには太字がない」。そうか、教科書は覚えなきゃいけないけど、大人は純粋に読めばいいのだ、と気づかされた。「クイズで出たのよー」さすがです(笑)

本当にわかる為替相場
作者:尾河 眞樹
出版社:日本実業出版社
発売日:2012-05-29
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為替相場、ワタシも知りたい。

写真、撮られ術。 プロ写真家がそっと教える、証明写真の撮られ方!
作者:永田 昌徳
出版社:講談社
発売日:2012-05-18
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ガールズフォトの撮り方
作者:青山裕企
出版社:誠文堂新光社
発売日:2012-05-24
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すでにメンバーは爆笑中。イケメン鈴木葉月は何を目指しているのだろうか???

東えりか

炎上―1974年富士・史上最大のレース事故
作者:中部 博
出版社:文藝春秋
発売日:2012-04-25
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この事故のことは全く知らなかった。事故などの問題解明ものは大好き。

職人歌合 (平凡社ライブラリー)
作者:網野 善彦
出版社:平凡社
発売日:2012-05-12
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私にとって網野善彦は、日本史の全く新しい見方を教えてくれた人。本書も絶版だったのが文庫化された。講演をまとめたものなので読みやすく、理解しやすい。

はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある
作者:宮田 珠己
出版社:本の雑誌社
発売日:2012-05-22
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ノンフィクション作家・宮田珠己のオススメ本案内。HONZ読者には毒である。

評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」
作者:横田 増生
出版社:朝日新聞出版
発売日:2012-06-07
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「今、ナンシーが生きていたら何と言うだろう?」と、何度思ったことか!

久保洋介

東ティモールの現場から―子どもと平和構築 (ソトコト新書)
作者:久木田 純
出版社:木楽舎
発売日:2012-04
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「うんちプロジェクト」というトイレの普及について書かれているらしい。

山本尚毅

実践 モジュラーデザイン 改訂版 (日経ものづくりの本)
作者:日野 三十四
出版社:日経BP社
発売日:2011-10-29
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ちょっと前の本になるが、自動車などの部品をレゴで考え単純化する、という方法論。高価な本だが、山本には必要らしい。

フリーカルチャーをつくるためのガイドブック  クリエイティブ・コモンズによる創造の循環
作者:ドミニク・チェン
出版社:フィルムアート社
発売日:2012-05-25
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山本が東京で仕事を始める際、最初に会いに行った人が著者のドミニク・チェンだったそうだ。彼の紹介する本は、私が全く知らない世界ばかり。

麻木久仁子

61人が書き残す政治家橋本龍太郎
作者:
出版社:文藝春秋企画出版部
発売日:2012-05
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2001年、総裁選の小泉旋風の中、テレビの司会者として橋本龍太郎にインタビューした麻木は、負けが決まっているのにとても真摯な態度で日本の政治の方向性を語る姿に感動したという。

サラリーマン川柳 にんまり傑作選
作者:やく みつる
出版社:NHK出版
発売日:2012-05-26
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さすが傑作選!

宮中のシェフ、鶴をさばく: 江戸時代の朝廷と庖丁道 (歴史文化ライブラリー)
作者:西村 慎太郎
出版社:吉川弘文館
発売日:2012-04-20
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四条家が継ぐ「包丁道」のなぞ。

高村和久

オカルト「超」入門 (星海社新書)
作者:原田 実
出版社:講談社
発売日:2012-05-25
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眉唾もののオカルトだが、それが流行るには歴史的、文化的背景があった。

論語なう ~140文字でわかる孔子の教え~ (マイナビ新書)
作者:牧野 武文
出版社:マイナビ
発売日:2012-04-24
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朝会終了後、私が即買った本。論語って何が書いてあるの?っていう疑問払拭(笑)

東大エグゼクティブ・マネジメント 課題設定の思考力
作者:
出版社:東京大学出版会
発売日:2012-05-31
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東大のリーダー育成プログラム(東大エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)から発信される一冊。本当に有効なのかなあ?

内藤順

幼少の帝国: 成熟を拒否する日本人
作者:阿部 和重
出版社:新潮社
発売日:2012-05-22
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芥川賞作家が書いた初めてのノンフィクション。現代日本文化に指摘される「未成熟性」の正体を探る。

村上浩

森の「恵み」は幻想か: 科学者が考える森と人の関係 (DOJIN選書)
作者:蔵治 光一郎
出版社:化学同人
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森と人、そして環境について考察ししている。

本棚の中のニッポン: 海外の日本図書館と日本研究
作者:江上 敏哲
出版社:笠間書院
発売日:2012-05-30
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海外の図書館では、日本の著作はどのように扱われているか。留学経験のあるメンバーからは、この視点は至極面白いという指摘があった。

仲野徹

老化の進化論―― 小さなメトセラが寿命観を変える
作者:マイケル・R・ローズ
出版社:みすず書房
発売日:2012-04-21
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長寿のショウジョウバエを作った研究から、老化について考える。これはものすごく面白そうだ。

師弟 ~吉本新喜劇・岡八朗師匠と歩んだ31年~ (ヨシモトブックス)
作者:オール巨人
出版社:ワニブックス
発売日:2012-04-30
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守備範囲が広すぎます、仲野せんせい。

井上卓磨

CMでも盛んに「インクジェットの時代が来た」と言っているけど、本当はどうなの?という本。

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
作者:ちきりん
出版社:大和書房
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ちきりんさんの本も、いよいよ登場!

お休みの土屋敦からのおまけ。

クリエイティブ・コミュニティ・デザイン 関わり、つくり、巻き込もう (Next Creator Book)
作者:成瀬猪熊建築事務所
出版社:フィルムアート社
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自分たちが暮らすコミュニティをデザインする。

今回はみんなの関心が散らばったので、カブりが少なくて平和な朝会であった。

さて、来月に「HONZ」は開設1周年を向かえる。その記念として読者との交流会を企画している。

詳細は近々に代表の成毛眞から発表になるはず。

参加を希望される方は、成毛のツイッター@makoto_naruke、あるいはHONZのフェイスブックをチェックして欲しい。

次の朝会は7月4日。またどんな本に出会えるだろうか?

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