『 アメリカの毒を食らう人々』

成毛 眞2008年09月03日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
アメリカの毒を食らう人たち―自閉症、先天異常、乳癌がなぜ急増しているのか
作者:ロレッタ シュワルツ=ノーベル
出版社:東洋経済新報社
発売日:2008-04
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂

久しぶりに仰天した。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』を読んだときも、見えざる毒物の恐ろしさに体が震えたが、この本はさらに悪質な毒物を意図的に放置しているアメリカという国を告発している。

たとえばノースカロライナのキャンプ・ルジューン海兵隊基地では70年台の終わりから動物たちが死にはじめ、やがて海兵隊の家族たちはガン、先天異常などの多発に悩まされる。原因は軍による過塩素酸塩を含むロケット燃料の敷地内不法投棄であり、地下水に依存した上水道システムにある。この毒物は2004年時点でもアメリカの35州の飲料水で検出されているという。

中国の環境問題と比べると被害人口的には無視できる規模かもしれないが、将来アメリカ軍が支払う可能性のある医療費を考えると、将来の軍事バランスに影響を与えかねない規模である。

本書ではこれ以外にも予防接種ワクチンに含まれるチメロサールという物質が自閉症の原因物質であることや、乳癌検診こそが乳癌を増やしている可能性があること、そしてもちろんタバコの害について告発をしている。

ところで、1962年にレイチェル・カーソンが指摘した農薬DDTによる健康被害問題については、現在に至るまで論争が続いている。DDTが禁止されたためにマラリアが増え、結果的に人類にとって不利益になったというのである。DDTは民主党のケネディによって禁止されたが、共和党のパパ・ブッシュ時代には解禁への動きがあった。11月4日、アメリカ人はどちらを選ぶのであろう。

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら