『通勤電車でよむ詩集』

成毛 眞2009年09月14日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Ambarvalia (愛蔵版詩集シリーズ)
作者:西脇 順三郎
出版社:日本図書センター
発売日:2003-01-25
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂

高校の現代国語の授業で西脇順三郎という詩人を知った。「天気」という詩が教科書に載っていたのだ。いまにいたるまでの大きな影響を受けた。教室の片隅でそのとき一瞬にしてボクの心はギリシアの白き坂道の家の前に移動したのだ。詩はこうだ。

(覆された宝石)のやうな朝

何人か戸口にてささやく

それは神の生誕の日。

2003年にこの詩が載っている『Ambarvalia あんばるわりあ』が再版されたときには本当に嬉しかった。意味もなく2冊買った。なぜ、高校時代にそれほどまでに感動したのかは判らない。しかし。これ以降、この西脇の詩集どおりの旅行をすることになる。『Ambarvalia』は 「LE MONDE ANCIEN」と「LE MONDE MODERNE」の2部構成なのだ。

大人になってお金に余裕ができたとき、まずは第1部の古代地中海文明を訪れたのだ。エジプト、ギリシャ、モロッコ、ローマを何回か訪れている。今年からは第2部だ。この11月はじめてイギリスを旅行する。まだフランスにもドイツにも行ったことはない。わがヨーロッパ旅行は西脇の詩集を追うように、西洋文明史に同期しているように、50台になってやっと地中海から大陸ヨーロッパへと移るのだ。そうだ、この書評は『あんばるわりあ』についてではない。

通勤電車でよむ詩集 (生活人新書)
作者:小池 昌代
出版社:日本放送出版協会
発売日:2009-09
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂

本書は詩集である。何十篇もの詩が収録されている。ごくごくはじめの24ページ目に「イタカ」という詩が収録されている。まずいものを読んでしまった。ボクの心は、またまた遥か古代の地中海を飛びはじめてしまった。現代ギリシャ語の詩人カヴァフィス氏の詩だという。この詩は人生の目標は必ずしも輝くトロフィーではなく、じっくり航跡を楽しめと言ってくれているのだ。すばらしい詩だ。まずはこの詩を立ち読みすることをお勧めする。

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら