『嵐山吉兆 男子の台所』

成毛 眞2009年12月01日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
嵐山吉兆 男子の台所
作者:徳岡 邦夫
出版社:バジリコ
発売日:2009-12-04
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂

帯は小山薫堂氏だ。「すべてを手に入れた男こそ、読むべし!これから夢に向かう男も読むべし!料理の腕があがる分だけ。人生はもっと豊かになる。」本書はミシュラン3ツ星シェフによる料理指南書だ。

紹介されているレシピは「鶏のむね肉の炭火焼」「大根のステーキ」「目玉焼き」「オムライス」など材料も手ごろで挑戦できそうなものもあるが、「特上サーロインステーキのたれ焼き」「鶏の贅沢まるごと煮」「鯛の鹿の子造り」など、なんとなく二の足を踏みそうなものもある。しかし、普通の男が料理を作るのはハレの日が多いはずだから、この位のものが良いのかもしれない。

すべてのレシピには山口規子の美しい完成写真が添えられている。食器は「竹のすのこ」や「ざる」など手ごろなものがほとんどだが、親子丼には魯山人の日月椀が使われているようだ。実際に出てくると、手が震えてしまうだろう。京都門前の骨董店でその値段を聞いて仰天したことがある。

料理はシェフの人柄をあらわすと思う。嵐山吉兆の料理は優しい料理だ。徳岡シェフは作品を作るというよりも、ゲストに満足してもらうことのほうに力点があるように思う。じつは先々週イギリスのコッツウォルズにあるマナーハウスに2泊した。シェフは2つ星という触れ込みだったからだ。出てきた料理はすべて塩辛くて不味い。料理を判るように残したうえで、その旨をウエイターに言ったのだが、2日間まったく変化はなかった。つくづくこの国は食文化に関心がないのだと呆れた。

徳岡シェフの優しさは文面からもなんとなく伝わってくる。「(たれは)フツフツと煮ます」「(マスタードは)ちょんちょんと乗せます」「(小石は熱湯で)ぼこぼこさせながら温めます」

ちなみに「目玉焼き」は蒸し料理に分類されている。「大根のステーキ」は煮物だ。この中から今晩は「パルミジャーノの茶椀蒸し」を作ってみようかと思っている。

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら