『フォーサイト 創刊20周年記念号』

成毛 眞2010年03月18日 印刷向け表示
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最後の『フォーサイト』が届いた。ボクは『フォーサイト』の刊行以来、おそらく最低のコラムを寄稿していたことがある。いまだに恥ずかしい。しかし、それでもなお、日本を代表する素晴らしい雑誌だった。

その最終号から、まずは塩野七生の「男たちへ、女たちへ、若者たちへ」という記事。長く引用するけれどきっと『フォーサイト』も塩野さんも許してくれるだろう。「これからの20年を生きていく1人ひとりの日本人は、何に備え、何を大事にしていくべきか」という最後の問い塩野さんが答える。

「私自身ならば20年後は確実に死んでいるのに、20年後はどうなるなんて無責任なことは言えません。また、若くもないのに若い人に向かって、どう生きよ、なんて言えない。私が若かった頃に、大人たちのもっともらしい意見が大嫌いでしたから。」「若い人には、私も好きなように生きてきたのだから、あなた方もそうすべきよ、と言うでしょう。ただし、その結果がどうなろうと、誰に対しても責任は転嫁しないでね、とも。責任を転嫁するくらい、見苦しい生き方はないのですから。」

最終号であっても、多くの記事がそれを意識させることなく書かれていることに、プロとしての凄みを見ることができるのだが、徳岡孝夫の「クオ・ヴァディス」というコラムだけは別だ。創刊から20年続いた名コラムだった。最後のコラムは歌舞伎をモチーフにして読者との別れを偲び、悲しい。あたかも死期を悟ったかのような書き方であり、不覚にも涙してしまった。徳岡さんの匿名コラムだった『諸君』の「紳士と淑女」も2009年6月で終わっている。いつまでも元気でいてほしい。

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