『上手な愛し方』

高村 和久2011年02月25日 印刷向け表示
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上手な愛し方 The Rules of Love 『上手な愛し方 The Rules of Love』 リチャード・テンプラー(著) 亀田佐知子(訳) ディスカバー・トゥエンティワン (2011/02/20)

たまには気軽にこんな感じの本も。

日本ぽい名前のテンプラーさんという著者は、実はイギリス人で、「Rules」というシリーズを出している出版社の人らしい。この本もその一冊だ。以前に書かれた『人生のルール』は、27カ国24カ国語で訳されたベストセラーみたいだ。

まあでも、そんなことはどうでもよい。本書には瞠目すべきポイントがある。テンプラーさんが男性なのだ。

見た目はとてもファンシーな本で、大崎駅構内のちいさい本屋さんでは、女性誌の隣に平積みされていた。そんな感じなので、まえがきを飛ばし読みした私は、“妻とわたし”という表現が出てくるまで女性の著者だと思っていた。ん?リチャード?

この本は、商売をしている男性社長の目線で書かれている。なので、この本を読んで得をするのは(外国人)男性の心理を知りたい女性です。

だって、とりあえず、男性の友人が読んだコメントが「愛し方と言っているが、むしろ人間関係において大切なことばかり」である。自分の感想は「これは愛し方というより、セルフコントロールのための本だな」であった。サンプル数は少ないが、男性が読むとけっこう納得することが書いてあるということだ。見るべきは価値観である。

そして、飛ばし読みしてしまった“はじめに”に、極めて重要なことが書かれていた。「本書を書くにあたって、わたしはあらゆる種類の人を観察し研究した。愛に関してほとんどの人はとても苦労している。しかし、少数ながら、極めて有能な人が存在するということだ。」

つまりこの本の88個のルールは、「少数の極めて有能な人」がやっていることだったのだ。じゃあ、これ、反対に読んだら、我々凡人の話になるのか?

本書のルールをちょっとだけ反対にしてみた。なんというリアリティか!!!

・愛のサインを見逃す

・自分からは絶対に謝らない

・プライバシーを尊重しない

・過去の恋人を基準にする

・笑顔にしてくれない相手を選んでしまう

・パートナーの友人の悪口を言う

・別れの責任は相手にあると考える

・相手が必要とするときにそばにいない

本書における88個のルールの裏側に、ドラマが潜んでいる。そのドラマが人生を彩っていたりすることもあるのではないか?

『赤めだか』では、談志が「落語は人間の業の肯定である」と言う。ブリジット・ジョーンズが愛されているのも「ルール破り」ばかりしているからかもしれないと思う。

改めて言うが、本書のルールは、わりと納得できるものだと思う。そして、フムフムと読んだら、ルールを反対にして想像してみたら、それはそれでおもしろい人生だ。そんな、1粒で2度おいしい一冊。

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