『かぜの科学』

2011年4月6日 印刷向け表示
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かぜの科学―もっとも身近な病の生態

『かぜの科学 ー もっとも身近な病の生態』
ジェニファー・アッカーマン(著) 鍛原多恵子(訳)
早川書房 (2011/02)

きれいな装丁の本書。現題は「AH-CHOO!」だ。読み方がわからない。洒落気のある著者なのは間違いない。章のタイトルも 「風邪(コールド)の赤裸々(コールド)な真実」 ・ 「ひかぬが勝ち」 という勢いだ。 「ひかぬが勝ち」 は 「don’t catch me if you can」 の訳。うまい。

中身は風邪に関する情報が満載で、とりあえず、自分が風邪について全然知らなかったことが良くわかった。

・ 風邪は鼻から始まる。鼻の粘膜に1個でも侵入すれば十分。

・ 風邪の症状は体の免疫反応が引き起こす炎症プロセスであり、細胞自体はそれほどウイルスに破壊されていない。

・ 抗生物質を飲んでも風邪は治らない(ウイルスだから)。

・ 市販の風邪薬の効果は証明されていない。

・ 人間のDNAの8%程に風邪のウイルスが組み込まれており、人類の進化に欠かせない役割を果たしている。

それから、やっぱりそうですか、というネタもあった。

・ 睡眠がとれないと、5倍風邪にかかりやすい。

・ ストレスがあると風邪にかかりやすい。特に慢性のストレス。

・ 野菜入りチキンスープは風邪に効く(レシピつき)。

ストレスが悪いとなると、どうしたらストレスを軽減できるのか気にかかるけれど、それに関しては、リラックスしましょう、たまには風邪をひくのも悪くない。とのこと。

結局のところ、風邪の予防に一番良いのは「手洗い」と「鼻を触らないこと」らしい。

実験の結果、我々はすごい勢いでいろいろなものを触り、すごい回数、鼻の周辺に触っている。これを防ぐことでかなりの予防効果が見込まれるのだ。ちなみに名言も紹介されている。作家のロバート・ベンテリーの風邪予防法は「鼻や口から息をしないこと」だ。予防法ではないがジェーン・オースティンはより文学的だ。「なんだか物憂くて淋しい - きっと風邪をひいたのね」

ちなみに我が家はこの冬、イオン発生する加湿器を使用した。

「加湿器はあまり効果なし」と言うけれど、風邪ひかなくなったような気がする。

などと思っていたら、「加齢に従って回数は減少します」。。うれしいような悲しいような-きっと風邪をひいたのね。

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