『減速して生きる ダウンシフターズ』

栗下 直也2011年04月03日 印刷向け表示
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減速して生きる―ダウンシフターズ
作者:高坂 勝
出版社:幻冬舎
発売日:2010-10
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こういう自己啓発臭がする本はほとんど読まないが、宮崎哲弥だか宮台真司がラジオで「これは勝ち組の本だ」と叫んでいたので少し前に気になって購入。現状よりダウンシフトできるってことは確かに「勝っている」人だろう。現代はダウンシフトできないひとをどうするかが問題なわけだし、ある意味、贅沢な話ともいえる。原発問題で「これからはダウンシフト」とか言っている人が増えているので、本書を思い出し手に取った。

著者は大手百貨店勤務を経て、放浪の後、現在は池袋で店舗面積6坪ほどの飲食店を経営する。30歳で600万程度だった年収が40近い今は300数十万だが、サラリーマンをやめ、無駄な出費も減り、手元に残る金は一緒とか。

生き方を減速すると景色が変わるというのが表向きは売りだが、要は脱サラの本だ。著者も、会社をやめたのは逃げが多かったことは否定していない。スローライフ的な臭いがプンプンするし、おそらく読み手の大半はそのようなスキームでとらえるだろう。実際、自然食がどうとか、農作業がどうの出てくる。ただ、個人的には、そういうスローライフ的な記述のはしばしにある、商売の考え方がおもしろかったりする。元々が小売業のサラリーマンが土壌としてあるからか、夢想論は語らない.

コスト計算がしっかりしているし、意識的か無意識かブランド戦略なども出来ている。生活も商売も「必要以上を求めない」を徹底しており、店舗も1店舗に限定しているが、飲食店経営ではそれが希少価値につながっているのは本人も自覚している。

ただ、変な違和感も残る。ストレスはなくなり、年収は下がっているものの、時間単価は大幅にあがっている。それってダウンシフトなのかね。

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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
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