サブプライムで儲けた人たち 『The Big Short: Inside the Doomsday Machine』 Michale Lewis

村上 浩2010年08月29日 印刷向け表示
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採点:★★★★☆

サブプライムの裏側でどんな人がどんなこと考えてどんなことやってたか興味ある人におススメ。

サブプライムローン、リーマンショックに関する書籍はその内部関係者のものも含めて沢山出ているが、本書はウォールストリートを出し抜いた人達の話。アメリカではかなりのヒットになっているようだが(米アマゾンでも480件のコメントがついている)、邦訳はまだ出てない。日本でそこまで売れるかな?


The Big Short: Inside the Doomsday Machine The Big Short: Inside the Doomsday Machine
(2010/03)
Michael Lewis

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■あらすじ

物語はサブプライムローン(の概念)が産み出された1980年代半を振り返りながら、その販売が右肩上がりの2005年から始まる。本書の主人公はウォール街の金融機関の人々ではなく、片目でアスペルガー症候群の元医者や、自宅のガレージでヘッジファンドを立ち上げた2人組みだ。彼らが如何にしてサブプライムローンに逆張りして大金を稼いだか、当事者の視点から生々しく物語りは展開して行く。

■感想

英語力不足否めず、全てを理解できたとは言い難いが、非常に面白かった。このような話は生存者バイアスを意識しながら読まなければならないことは分かっているが、世の中の常識に捕らわれず、サブプライムに逆張りしていく彼らの考え方・行動力は非常に参考になる。こんな人生はエキサイティングだろうなと思いつつも、ファンドをクロージングせざるを得なくなった主人公の思いを思うと複雑・・・

いろんな所でさんざん話が出ているが、改めてウォールストリートの内情には色々驚かされる。トレイダーの電話は全て録音されていたり、格付け会社はご機嫌取りのために評価をあげたり、サブプライムに乗っかって史上最大の損失を出していた人間まで大金を貰っている。税金で救って貰った彼らの行動は少しでも変わったのだろうか?税金を払った我々の行動は変わったのだろうか?まだまだ、逆張りすべき要素はありそうだ。

本書の主人公は自分の子どもの症状から、自らもアスペルガー症候群であることに気がつく。アスペルガー症候群にもあったが、このような人々が力を発揮できる世界になりつつあるのかもしれない。特にアメリカはこのような人々の並外れた能力を上手く利用?できているのかも。コンピューター、ネットの出現は益々彼らに有利に働くだろう。

One of the reason why computers are so appealing is not only that you do not have to talk or socialize with them, but that they are logical, consistent and not prone to moods. Thus they are an ideal interest for the person with Asperger's Syndrome
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