7月のこれから売る本-トーハン 吉村博光

吉村 博光2013年07月17日 印刷向け表示
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はじめまして。トーハンの吉村と申します。私が働いているのは、書店ではなく取次です。でも実は13年間、オンライン書店e-honという「本屋さん」でお客様に本をオススメしてきました。方法はもっぱらメールでしたが、配信数は延べ1億通にものぼります。本を選び、ご案内する日々。最初の5年は、新刊全点を手にとって商品知識を養いました。現在は、全国の本屋さんに商品提案をさせていただく仕事(ほんをうえるプロジェクト)をしています。

このコーナーでは、単純に私が「いいなぁ」と思った本を、テーマにあわせてご紹介したいと思います。私の書評をお読みになった方が、「面白そう」だと思って本屋さんに足を運び、その本を手にとっていただけたなら、これに優る喜びはありません。それでは、自己紹介を兼ねつつ、夏らしく「島」をテーマに本を紹介させて頂きます。

軍艦島 超景
作者:
出版社:三才ブックス
発売日:2013-06-26
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私は、長崎で生まれました。九十九島煎餅という銘菓があるくらい、そこには無数の島があります。その中でとりわけ異彩を放っているのが、この軍艦島。この本は、幼い頃から軍艦島をみて育ち長年炭鉱で働いてきた写真家が撮影した写真を集めた、迫力ある写真集です。著者が亡くなってから、そのパソコンなどに残されていた写真を集めたそうです。「台風こそ、軍艦島の最高の表現の形」そう言っていた著者が、命がけで撮った波に洗われる島の姿や、海中の炭鉱遺構の写真など、まさに普通は見れない「超景」と呼ぶにふさわしい貴重な一冊です。

封印された日本の離島
作者:
出版社:彩図社
発売日:2013
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この本では、最盛期に人口密度が世界一だった島として、軍艦島が紹介されています。「人を寄せつけない島」「めずらしい神々が住む島」など、面白い切り口で日本の離島が次々と紹介されていて、ページをめくる手がとまりません。特に興味深かったのが、東京湾に浮かぶ人工の無人島(第一~第三海堡)。以前、海釣りが大好きだった私は、釣りのポイントとしてこの島を何回か目にしたことがあるのですが、かなり謎めいた印象をもっていました。その島が、どうして作られたのか、いまどうなっているのか、これからどうなるのか・・・。読みながらヒザに頭がぶつかるくらい、ウンウンと頷きました。いや~、島っていいなぁ。深いなぁ。

人生教習所(上) (中公文庫)
作者:垣根 涼介
出版社:中央公論新社
発売日:2013-06-22
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人生教習所(下) (中公文庫)
作者:垣根 涼介
出版社:中央公論新社
発売日:2013-06-22
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片道25時間30分、船にゆられなければ辿り着けない、東京の島をご存知ですか。そうです。小笠原諸島です。若い頃、その不便さに関心を抱き、この島を旅した経験があります。つい先日文庫化された、垣根涼介さんの『人生教習所』はこの小笠原が舞台の小説。日常と遮断された空間。人生再生セミナーの最大の教材は、開催地・小笠原そのものだった─。この島の風土や歴史が、しっかりと織り込まれていて、とても楽しい小説でした。これを読んだ私は、「食べなよーっ!」といって、帰りの船のデッキで僕にマンゴーをほおり投げてくれた、女子高生(当時)の曇りのない笑顔をなぜか思い出しました。あ~、懐かしいなぁ。著者の筆致にグイグイと引き込まれ、読み進んでいくうちに小笠原の魅力にとりつかれてしまいます。読んだ翌週に、あなたは「おが丸」に乗ってるかもしれません。社会人の方は、ご注意を。

よくばりハワイ ビッグ・アイランド編
作者:永田 さち子
出版社:翔泳社
発売日:2013-07-12
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いずれ家族で行きたい島があります。それが、ハワイ島です。そこに行けばどんな夢も叶いそうな気がしています。ガンダーラ。ガンダーラ。(ゴダイゴ万歳!)ハワイというと、以前はオアフやマウイのガイドばかりでした。ハワイ島の本が増えてきたのは、最近のことです。出版されるたび、思わず手に取ってしまうのですが、この7月に出た『よくばりハワイ ビッグ・アイランド編』は、最新情報が充実しています。○○スポット的な情報やショッピングが好きな女性にも、ラフなスタイルで美味しいものをガッツリ食べたい男性にも、良いガイドだと思います。地球の熱さを感じるボルケーノ、星に手が届くマウナケア、コナの美味しいコーヒー・・・。まだ行けないので、とりあえず今は休日にノンビリとこの本を読みながら、3歳の娘にこっそり話して聞かせようか。

それでは、また来月。皆様に、良い本をご紹介できますように。

吉村 博光

トーハン勤務

夢はダービー馬の馬主。海外事業部勤務後、13年間オンライン書店e-honの業務を担当。現在は本屋さんに仕掛け販売の提案をする「ほんをうえるプロジェクト」に従事。

ほんをうえるプロジェクト https://www.facebook.com/honwoueru

TEL:03-3266-9582

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出版社:中央公論新社
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