8月のこれから売る本-東京某書店 田中大輔

田中 大輔2013年08月28日 印刷向け表示
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8月の前半はこれと思う新刊がなく、先月、先々月から推している『TEDトーク 』や『LEAN IN』といった本を売り伸ばすことに注力をしていた。毎年のパターンからいっても、7月、8月というのはビジネス書の新刊が弱いのだ。その代わり9月になると各社が気合を入れた新刊をまとめて出してくる。するとどうなるか?展開できるスペースを奪い合う血みどろのレッドオーシャンになるのである。毎年そうなるのだから、出版社にブルーオーシャンである7月8月にいい新刊を出した方が、長く展開されるからお得ですよ。ということを毎年のように伝えているのだけど、その意見を組んでくれた出版社はいまだどこもない。

そんな状態であるから、8月はこれから売る本が思い浮かばなかったために、順番を遅らせて9月に発売される新刊の情報を集めていた。その間にまったくノーマークだった新刊が7、8に推していた本を超える勢いで売れはじめているのでその本から紹介することにしよう。

世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?
作者:戸塚隆将
出版社:朝日新聞出版
発売日:2013-08-07
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正直なところ、この本がこんなに売れるとは思っていなかった。入ってきてすぐに追加をかけたのだけども、あまりピンとこなかったのだ。なぜ売れているのだろう?と思って読んでみたのだが、ゴールドマン・サックス、マッキンゼー、ハーバード・ビジネススクールという3つのブランドの力が大きいのかもしれない。書かれている内容はいたってシンプルである。ビジネスをする上での基本的な考え方や、行動の仕方が書かれているような典型的なビジネス書だ。仕事をする上で「基本」というのは、何よりも大事なものである。『入社1年目の教科書』や『僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話』といった本がロングセラーになっていることから考えても、基本というものに立ち返ろうという思いを持っている人は多いのかもしれない。

次はもうすぐ発売される超超大型の新刊を紹介しよう。

完訳 7つの習慣 人格主義の回復
作者:スティーブン・R・コヴィー
出版社:キングベアー出版
発売日:2013-08-30
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自己啓発の超ド定番書。『7つの習慣』の完訳、改訂版だ。前作が発売になったのは1996年であるから、17年ぶりの改訂である。前作は発売以来160万部も売れているらしい。その本が21世紀版ということで、完全に刷新されて発売になる。これは買いだろう。正直なところ世の中に出回っている自己啓発書の多くは、この本やカーネギーの『人を動かす』あたりが元本で、その言い回しをかえているに過ぎない。つまり、それらの本を読めば、他の自己啓発書などはほぼ必要がない。と、こんなことをビジネス書担当がいってはいけないかもしれないが、次から次へと自己啓発書を読むよりも、定番の自己啓発書1冊を何度も読み返し、実行に移していくほうが、身のためになると私は常々思っている。何度も読み返して、実行にうつすとするなら、この本をオススメする。

次は9月の前半に発売になる注目の新刊を3つ簡単に紹介しよう。

燃える闘魂
作者:稲盛 和夫
出版社:毎日新聞社
発売日:2013-09-04
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まず最初に断っておきたいのだが、この本はアントニオ猪木の本ではない。著者は稲盛和夫である。誰もがこのタイトルを聞いた時点でアントニオ猪木のことを思い浮かべてしまうと思う。ゆえに書店員は注意が必要だ。問い合わせを受けたときにプロレスのコーナーを案内しないように!(笑)ここ最近、稲盛和夫関連の本は毎月のように発売されている。近刊だと『心は変えられる』、『経営者とは 』、『稲盛和夫 最後の闘い』などがある。そのどれもが売れている。そこへきて、この本は本人の描き下ろしであるという点でかなり期待をしている。描き下ろしの単行本は単著では3年ぶりだ。JAL再生の真実と、日本の再生のシナリオを書いた本とのこと。

稼ぐ力: 「仕事がなくなる」時代の新しい働き方
作者:大前 研一
出版社:小学館
発売日:2013-09-05
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大前研一の新刊である。ビジネスマン受難時代の新しい働き方というサブタイトルがついている。ここ最近話題の新しい働き方について大前研一が論じた本のようだ。大前研一というネームバリューは今だ健在。とりあえずこの人の著作は読むというビジネスマンも多いので、読んで損はないだろう。

1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法
作者:クリス・ギレボー
出版社:飛鳥新社
発売日:2013-09-11
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私が全幅の信頼をおいている本田直之が大絶賛していた本なので、個人的にはものすごく期待している。これも新しい働き方につながる内容の本だ。趣味や、自分のスキルを生かし、少額の予算で起業をして、それだけで生活ができるようになっている人が増えているらしい。起業というとハードルが高いように思われるが、これを読むと自分もいま持っているのスキルでなにかできるかもしれないという気がしてくる。趣味が気がついたら仕事に。そんな夢みたいなことが実は身近でたくさん起きているのかも!

最後に、その他の気になる新刊を簡単に紹介。

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?
作者:フィリップ・デルヴス・ブロートン
出版社:プレジデント社
発売日:2013-08-30
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頂点をきわめた営業のエキスパートたちが赤裸々に語る営業の真実。(e-honの商品説明より)岩瀬大輔解説。モノを売る、自分を売るいみでも、営業スキルというのは実は全ての人に必要不可欠なものなのよね。

ロスト・インタビュー スティーブ・ジョブズ 1995
作者:
出版社:講談社
発売日:2013-09-11
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ジョブズがアップルを追われてNeXTのCEOになったときに、テレビのインタビューに答えた幻のテープがこのたび発見されたとのこと。そのインタビューはテレビでは数分しか使われておらず、その後テープは紛失していたので、初めてお目にかかる情報がその中にはあるかもしれない。これは気になる1冊だ。

パンダをいくらで買いますか?
作者:野口真人
出版社:日経BP社
発売日:2013-08-22
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ストーリーで学ぶファイナンスの基礎知識の本。タイトルが興味をそそる。表紙も可愛くていい感じ。

その他にも9月の後半に気になる新刊がいくつかあるのだけど、それはまた次回のお楽しみということで!ではまた来月!

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