『この世に命を授かりもうして』-編集者の自腹ワンコイン広告

版元の編集者の皆様2013年11月23日 印刷向け表示
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この世に命を授かりもうして (幻冬舎ルネッサンス新書 さ-5-1)
作者:酒井 雄哉
出版社:幻冬舎ルネッサンス
発売日:2013-10-31
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なんで人は死ぬんだろう、なんで生きるんだろう。と悩むのは思春期だけではない。特に、親が亡くなったときにその問いに襲われる。不安になる。自分をこの世につないでいた糸が切れたように、ふわふわと落ち着かなくなる。今やっていることに意味が見出せなくなる。日常が「薄く」なる。

私がそうでした。誰か答えを持っている人に会いたい、話を聞きたい、という思いだけで、汚い字で酒井雄哉師に手紙を書き、ずうずうしくも「本を作らせてください」とお願いをしました。一年近く待ちました。そのころ酒井師は、ガンが発覚、入院、手術と、それどころではなかったのです。再発し、もう打つ手がなくなって病院から比叡山に帰ってきて、「ほな、これからやろか」と私の企画を取り上げてくださったそうです。2013年9月上旬、ようやくお会いすることができました。師が他界する2週間ほど前のことでした。

「死の荒行」とも言われる千日回峰行を2度満行し、「生き仏」と讃えられた天台宗大僧正大阿闍梨・酒井雄哉師。拘置所で著作に希望をもらったという村木厚子さんをはじめ、これまでに多くの人の心を救ってこられた師が、大病を得て死を間近に意識したときに、どうしても伝えておきたいと思われたのが、「命」のことでした。

「死んだことないからわからんけどな」という謙虚な前置きを置いて、「命とはなんなのか」「なんのために生きるのか」という根源的な問いに、酒井師独特のやわらかな口調で明快に答えてくださいました。

「(亡くなる人への)情を捨ててしまえ」

「(病気が)治る自信がないのなら、無駄な抵抗はやめなさい」

「死も縁。楽しんだらいい」

本書で師が発した提言は痛快です。不思議と、すとんと腑に落ちます。「死」にまつわる話なのに、「生」をどう生きるかを力強く教えてくれます。自身のご病気に対する態度、行動も赤裸々にお話しくださいました。ほかにも、「縁」の不思議さ、ありがたさ、歩くことと生きることの関わりなど、酒井師の真骨頂ともいえる「実践すること」の大切さを説いてくれました。どれも、これまでに聞いたことのないお話ばかりでした。

実質的に最後の記録となってしまった本書のインタビューが、少し大げさかもしれませんが、生きる希望となる読者が必ずいると思います。一人でも多くの方が酒井師と縁を結ぶ一冊になってほしいと、心から願います。

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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
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