『フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?』

新井 文月2011年08月17日 印刷向け表示
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フォントのふしぎ  ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?
作者:小林章
出版社:美術出版社
発売日:2011-01-17
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高級ブランドのロゴはなぜ高そうにみえるのか?そんな文字にまつわる素朴な疑問に答えてくれる本である。デザインに少しでも興味ある人なら、ちょっと中を見れば興味が湧くだろう。

中を覗けば美しい文字の組み合わせと、フォントのサンプルであるブランドショップや海外の写真がフルカラーで掲載されている。フォントの本は数多く販売されているが、本書は見ているだけでも楽しい。

著者はドイツ在住の日本人、欧文フォントデザイナー。書体の専門家が、欧米の街中で撮影した写真を元に、目からウロコのフォントの不思議について語ってくれる。まるで専属のガイドと共に世界の街角を散歩している気分で、フォントについての知識が楽しく身につく。世界中の街角で撮影されたお店の看板、パッケージ、チラシ達はとても華やかだ。

第一章の「高級ブランドはなぜ高級に見える?」では、「LOUIS VUITTON」や「Dior」など、高級ファッションブランドのロゴにまつわるトリビアが満載だ。実はブランドの美しい書体は、できるだけ飾らずそのまま使っている場合が多い。ポイントはどうも字間の「スペース」にあるようだ。本当に微細な感覚で、スペース1つにここまでこだわるか!と感心せざるを得ない。(と同時に嬉しくなってしまう)

またフランス、イギリス、ドイツそれぞれの街の雰囲気を作り上げている特徴的な文字も掲載している。文字を見ているだけなのに、その街へ旅した感覚になってしまう。本書は約70のコラムから構成されており、銅版印刷から生まれた「Copperplate Gothic」や、世界を駆けめぐる「Helvetica」などの、興味ある項目から自由に読んでいってもらいたい。

この本を読んだ後、読者は普段目にする文字をまったく別の角度から見る事になるはずだ。そして文字の世界に、少なからず興味を持つだろう。日本では雑多に書体が存在するが、そんな時「形が目立つのは、字に邪魔な要素がある」という著者の言葉が浮かんでくる。

デザインに関連する人にとって必読の一冊だが、なにせ良質な写真が多いので、そうでない人でも眺めているだけで楽しくなる良本。

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同氏による、欧文の美しさの基礎を学べる本。それにしても教科書としては面白すぎる内容です。

欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)
作者:小林 章
出版社:美術出版社
発売日:2005-06-16
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