『いちばんやさしい地球変動の話 』 新刊ちょい読み

村上 浩2012年01月11日 印刷向け表示
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いちばんやさしい地球変動の話
作者:巽 好幸
出版社:河出書房新社
発売日:2011-12-13
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書名に「いちばんやさしい」とある。「一番優しい」でも「一番易しい」でもない。「いちばんやさしい」とあるところがいかにも「やさしそう」ではないか。なにしろこの本は“地球の中にはドロドロに溶けたマグマがつまっている”と考えている人に地球の本当の姿を理解して貰うために書かれた本なのだ。「文系だから」とサイエンス本を敬遠しがちな人も楽しめるはずだ。

日本に住む我々が地殻変動(特に地震と火山)について無知でいることは、文字通り致命的であると、昨年改めて思い知らされた。何しろ、世界中で起こる地震の1割は日本で起こると言われているし、この狭い国土に100以上の活動的な火山が存在するのだ。それもこれも、日本列島の周辺には世界中で10数枚しかないプレートが4つもひしめきあっているからなのだが、本書ではこのプレートの動きをもたらす地球変動とそれに紐付く地震や火山の関係性が詳細に解説されている。

「大陸と海という地形的に高さの違う場所では、地盤、正確には地殻の組成が全く異なっているのです」

「死火山と分類されていた山が、最近になって爆発を起こすことがよくあります」

地球の驚くべき特性を知ることができる本だが、何より驚いたのは、我々はまだまだ地球のことをあまりわかっていないということだ。もちろん、著者をはじめとする研究者のおかげで、少しずつ謎は解明されているのだが、地震発生や火山噴火のタイミングはもちろん、プレート対流メカニズムなどもまだまだ決着がついていない。

身近だけど謎だらけな地球をもっと知りたくなる一冊。

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