青春よ、甦れ! 同窓会に出た気分になれる『東京エイティーズ』はオッサンホイホイ要素が満載。

苅田 明史2014年04月18日 印刷向け表示
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皆さんにはどうしても忘れられないマンガってありますか?

人生の節目節目に読んだマンガはやはり忘れられないもので、ページをめくると当時の青い思い出がよみがえってくるような気がしますよね!
私にも思い出のマンガとそれにまつわるエピソードは色々とあるのですが、なかでも一番影響を受けた『東京エイティーズ』を今回は紹介したいと思います。 

東京エイティーズ 1 (ビッグコミックス)
作者:安童 夕馬
出版社:小学館
発売日:2003-04-30
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『東京エイティーズ』の舞台は1980年代の早稲田大学。サークル活動やアルバイト、就職活動、そして恋愛に励む主人公たち。社会人になって20年が経った彼らは、仲間の死をきっかけに大学時代を振り返る――というストーリーです。

原作は『サイコメトラーEIJI』や『クニミツの政』のほか、様々なペンネームで数多くの作品を手掛ける、言わずと知れた屈指のヒットメーカーでいらっしゃる安童夕馬先生
調べてみるとちょうど本作と同じ時期に早稲田で学ばれていたそうで・・・どうりで母校への愛情が作品中にあふれているわけです。
私は早稲田ではないのですが、早稲田出身の方がこの作品を読んだらどう思うか、とっても気になります 笑

私が大学受験に向けて勉強をしていた時には、このマンガを読んで「大学のサークルってこんな感じなんだ・・・」「どんなキャンパスライフになるんだろう」と胸を躍らせていました。
そして大学生になってからも、学園祭の楽しそうな雰囲気を想像したり、就職活動の直前には「シューカツってこんなに厳しいんだ・・・」と不安にさせられたり、いつもタイミングよく自分の人生のちょっと先を行っていたのがこのマンガでした。

そして社会人になった今、このマンガを読み返すと「自分にもあったな-、こういう頃が」と懐かしい気持ちになります。
新入生歓迎の飲み会で酒を飲み過ぎて酔いつぶれてしまった友達に、ポカリスエットを飲ませて肩を担いでやった思い出。
授業そっちのけで麻雀にハマり、出席カードを代わりに出してもらい、試験前にはノートを借りてその場しのぎの試験対策をした思い出。

学生運動が下火になってからしばらく経っていますし、1980年代の学生は2000年代の学生とあまり変わらないのかもしれませんね。
※さすがにディスコは私の学生時代にはもうありませんでしたが・・・。
 

3人の男の人生回顧録

さて、この作品の魅力は自分が過ごした学生時代に思いを馳せ、感じ入るところにあると思うのですが、その背景には3人の中心的な男性のキャスティングの妙があります。

その3人とは・・・

一浪して大学に合格した主人公の真壁純平。入試で席が隣だったことがきっかけで知り合った森下愛(美人だが、彼女も訳アリ)を好きになるが、高校時代から引きずっている失恋が邪魔をする。その場しのぎで生きていくことは得意だが中身がなく、学生時代だけでなく社会人になってからも、どこか惜しい選択ばかりしてしまう。
背が高くて長髪、見た目はカッコいい前田裕司。女性に目が無いが実は一途だったり、実家は裕福だが厳しい親や優秀な兄に反発し、グレて暴走族のリーダーをしてしまったりと、二面性を持つ。自分の中身をさらけ出すのが怖れていたが、それを乗り越え、良き理解者に恵まれたことで幸せを掴み取る。
高校まではイジメにあっていた経験をもつ村木力也。真面目だが自分に自信がなく、恋愛など色んなことに奥手。真壁や前田と出会って男同士の友情を知る。努力が自信を生み、次第に自分なりのこだわりが醸成されていったことで、一番自分の気持ちに正直な生き方を貫くことができた。

大学では同じクラス・同じサークルに所属しながらも、それぞれの性格やバックグラウンドは全く異なる3人。彼らは大学時代にどんな経験をして、どんな成長を遂げたのか。そして大学を卒業してどんな大人になっていったのか――

スティーブ・ジョブズが“connecting the dots”と述べたように、人生は振り返ってこそ見えてくるものがあると思うのですが、この3人って正にそれを表現しているなぁと思います。

まるで同窓会で久々に会った友人と、「あのときはお互い、こんなこともあったよな」と語り合っているかのような、嬉しいようなちょっと恥ずかしいような気持ちになるマンガです。

出会いと別れの季節に強くオススメしたい作品です。

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