コーヒー豆は果物です。焙煎より農地が重要『僕はコーヒーがのめない』

佐藤 茜2014年07月31日 印刷向け表示
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僕はコーヒーがのめない 1 (ビッグコミックス)
作者:
出版社:小学館
発売日:2014-07-30
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待ってました!世界初・豆の産地まで解説したコーヒーマンガ!

ゲイシャは芸者のことではない!おいしくコーヒーを淹れるのには茶こしを使う!焙煎をする理由!ドリップコーヒーの溝があるワケ!などなどなど。

知らなかったコーヒーのおいしさと深い知識がてんこもり。読めばきっと目覚めるはず。そう、コーヒーを飲んだ時のように!

気たるべきコーヒーブームへ向けて!

飲み物をテーマにしたマンガはいくつかあります。
ワインは『ソムリエ』『神の雫』、日本酒は『夏子の酒』、そして緑茶は『茶の涙~Larmes de the´~』。いずれもブームがおこった飲み物です。マンガが出る、ということは市場の関心が集まった証拠であるともいえます。

そんな中、コーヒー界にも今「第三の波(サードウェイブ)」と呼ばれるブームがきていることをご存じでしょうか。「豆の質にこだわり、今まで曖昧だった”おいしさの基準”を求める」という動き。その中で注目されるようになったのが、香り・味ともに既存の品質を超え、クオリティーを追求したスペシャルティコーヒーと呼ばれるものです。本作は、そのスペシャルティコーヒーを中心に進む、極上のコーヒー物語です。

コーヒー豆のランクを米で例えると

老舗飲料メーカーの営業・花山太一は、同僚の敏腕営業マン加賀谷俊介が中心となって進める「創立50周年記念プロジェクト」に参加することになる。しかしそれは「第三の波(サードウェイブ)プロジェクト」と呼ばれるスペシャルティコーヒーを使った商品企画で…。

出てくるキャラクターのほとんどがコーヒー初心者なので、読者はおいてけぼりになることなく一緒に学んでいくことができます。

例えばコーヒー豆の名前について。なんで「ブラジル」「ブルーマウンテン」といった地名がついているのかご存じですか?

(『僕はコーヒーが飲めない』原作/福田幸江 作画/吉城モカ 監/川島良彰(コーヒーハンター))

ではスペシャルティコーヒーとはどういうものなのでしょうか。

 (『僕はコーヒーが飲めない』原作/福田幸江 作画/吉城モカ 監/川島良彰(コーヒーハンター))


このように、大変わかりやすく解説してくれます。

また、加賀谷が「スペシャルティコーヒーを俺たちが定義する」と語る通り、新しい市場を作り出すビジネスマン達の開拓物語という側面も持っています。ただの蘊蓄の羅列に終わること無く、人と人のつながりを描いており、「物語の面白さ」としても実に深い作品になっています(タイトルの「僕はコーヒーが飲めない」というのは花山のことを差しているのすが、これもちょっとした仕掛けが)。最終巻では、きっと花山が営業先でコーヒーを飲める世界になっているはず。

ぜひ一度味わって欲しい、ステキなお話です。
 

解説はコーヒー界のインディ・ジョーンズ

そして実は本作の解説についている方がすごい。
この方の人生で起こった出来事を書くだけで、とてもドラマティックです。

川島 良彰さん。1956年に珈琲焙煎卸業の長男として生まれ、「コーヒーについてもっと知りたい!」という一念で18歳で中南米エル・サルバドルへ留学。エル・サルバドル国立コーヒー研究所入所(落語の弟子入りのごとく、入れてくれるまで毎日押しかけたそうです)。エル・サルバドルが政情不安になるもギリギリまで現地で農園を管理したのちアメリカへ。

その噂を聞きつけた UCC上島珈琲株の会長が現地まで飛んで口説き落とし、25歳でUCC初の自社農園であるジャマイカのコーヒー農園の管理責任者に。その後もハワイのコナ、インドネシアスマトラ島など三十数年間世界中のコーヒー農園(2,000以上)を渡り歩き、マダガスカル島でのマスカロコフェアの保護・保全と低カフェインコーヒーの開発、レユニオン島では絶滅したとされていたコーヒーの品種「ブルボン・ポワントゥ」を復活させるなど八面六臂。現在では独立し、コーヒーハンターとして世界のコーヒー原産地を飛び回わられています。

単行本では川島さんの解説がつくかな~、と楽しみにしていたところ、思った通りついていたのでとても嬉しかったです。

詳細な経歴については本が出ているのでご興味を持った方はぜひ。

私はコーヒーで世界を変えることにした。
作者:川島良彰
出版社:ポプラ社
発売日:2013-05-08
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ちなみに、この方が作られているコーヒーについてはこちらから(ミカフェート)。
各豆の解説を見るだけでもとても面白いです。

コーヒーセラーオーナーズと呼ばれる最高級品は、年間契約で¥410,400です。顧客には木村拓哉夫妻、石原良純さんなど。

香りを閉じ込めるためシャンパンボトルに入っています。(ミカフェート オンラインストア http://shop.mi-cafeto.com/fs/micafeto/premiercrucafe/pacamara)
 

私はそこまで手が出ないので、伊勢丹新宿で買ったインスタント版(カフェ プエンテ)(オンラインストアでは3種×5個で\3,240が最低価格でしたが伊勢丹新宿だと1種5個で売ってました)とプルミエ クリュ カフェ(産地によって差がありますが\3,000~\7,000位)を飲みましたが、開けた瞬間にかつてないほど強く・濃厚な香りが漂い、その時点で今までのコーヒーと全然違うことを実感しました。

こちらもぜひ一度お試しを!

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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
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