石原まこちん最新作は、マイルドな就活マンガ!?

版元の編集者の皆様2014年08月04日 印刷向け表示
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キミ!さいよー 1 (ビッグコミックス)
作者:石原 まこちん
出版社:小学館
発売日:2014-05-30
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  石原まこちん氏といえば、かつて「スピリッツ」で連載していた『THE3名様』、「SPA!」で連載していた半自伝マンガ『GENGO』で知られる、ゆるい作風のマンガ家である。

 著者自身もズバリ、ゆるいお人柄で、作品によく推薦コメントをもらう堀江貴文氏から最近、「石原まこちんは、今、話題の「マイルドヤンキー」を研究すべきだよ。原田曜平氏とかとコンタクトすべきだよ!」と強く薦められて、「そうか!」と納得し、家に帰ってFacebookで「はじめまして、石原まこちんと申しますが・・・」と原田氏にダイレクト・メッセージを送ったそうだ。ところがどっこい原田氏から「こんにちは。あの~、僕たち以前、テレビ番組のゲストで共演したことありますよね」と返事が返ってきた、という逸話がある、それくらい、ゆるい人なのだ。

 そんな著者の最新作『キミ!さいよー』は、シューカツをテーマにした、まさにマイルドな就活マンガなのである。「私は卵かけご飯のような人間です!」と学生が叫び、「飲み込みが早いってことですね!」と面接官が切り返す表紙からも、そのことが読み取れよう。

(c)石原まこちん/小学館

 作品の舞台は、文系就職人気ランキング199位という微妙なポジションにある老舗玩具メーカー。基本的には3人の面接官の前に、次から次へと就活生が現れて面接が行われる、ぐるぐるマンガである。ぐるぐるマンガとは、キャラクターの設定が固定され、終わりがなく延々と続くようなスタイルの作品を指す。

 例えば、から元気いっぱいの就学生が面接される回はこんな感じである。

▼『キミ!さいよー』1巻 試し読み(その1)
 

 そしてランチタイムに、面接官が就活生と出会ってしまった回はこんな感じである。

▼『キミ!さいよー』1巻 試し読み(その2)


 『GENGO』を読んだことがある読者はご存じかもしれないが、実はまこちん氏は就職経験が3日間しかない(むしろ3日間もある?)。よって、この作品は彼自身がアルバイトの面接を50回以上受けて、「聴きたいラジオ番組があるからその曜日はダメ」などと口走って、面接を落ち続けた昔の経験をベースに描かれている。

 担当編集者である私は、この作品を担当するにおいて、昨今の就活の大変さ、就活生の悲痛な面をまこちん氏に伝えてきた。しかし、その情報を消化したまこちん氏から生みだす就活マンガは、どの回もどの回も、マイルドなのである。とにかくマイルドなのだ。

 『キミ!さいよー』は就活シーズンに合わせた企画として始まった。連載開始当初から、1stシーズン(単行本第1集)の締めの回は、「面接官の息子がもし面接にやってきたらどうなるか」ということをオチにもってくるという打ち合わせをしていた。そして、実際の締めの回の打ち合わせで、「就活って不条理な質問があるよね、サイコロの1はなぜ赤いか? ときく面接もあるらしいですよ」というネタが話題に出たとき、まこちん氏の脳内で、面接官のひとりが親子間に水をさすように「キミ!さいよー」と叫ぶ、タイトルに相応しいオチが完成したのである。

 ちょっとホロリとするそのオチは、ぜひ単行本でぜひご覧頂きたい。ふっくらしたご飯にマイルドな卵がのった、卵かけご飯のように絶妙な味わいである。

(森岡正樹 スピリッツ編集部 デスク)

The 3名様 1 (ビッグコミックススペシャル)
作者:石原まこちん
出版社:小学館
発売日:2001-03
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GENGO ラウンド1
作者:石原 まこちん
出版社:扶桑社
発売日:
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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
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