結局のところ、ドラえもんにみるロボットの夢

山本 憲資2014年08月12日 印刷向け表示
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ドラえもん (1) (てんとう虫コミックス)
作者:藤子・F・不二雄
出版社:小学館
発売日:1974-07-31
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先日、虎ノ門ヒルズのオープニングに際して「トラのもん」というキャラクターが発表された。色はホワイトでモダン、四次元ポケットはもちろん、ちゃんと耳もあって「ほんやくこんにゃく」といった秘密道具を使うことなく、外国人エグゼクティブともすらすらと話しているようだ。

 
http://toranomonhills.com/ja/#/Facilities

プロモーション動画をみると、タイムふろしきのデザインもモダンにアップデートされているようにも見えるが、ともあれドラえもんの上位機種であることは間違いなさそう。ツールとしての性能が絶対的にあがってそうだ。ネコ型ロボットもちゃんと高級モデルを導入するのが森ビルの流儀なのかもしれない。

先週末、映画「STAND BY ME ドラえもん」が公開された。名作エピソードをいくつかつなぎあわせて、3Dアニメーションで一つの作品にしてあるのだが、すこぶる評判がいい。「あたりまえだと思っていたことが、こんなにも大切だったなんて」というのが、本作品のコピーになっていて、ある見方をすれば、パートナーとしてのドラえもんの存在意義を知らしめているとも感じられるが、ともすればドラえもんの原点回帰的なトラのもんへの宣戦布告なのかもしれない。
http://doraemon-3d.com/

僕らがパートナーとしてのロボットに求めるのはツールや機能以上にウィットや愛嬌、そしてストーリーだ。iPhoneに搭載されている音声認識のSiriも、ちゃんと検索できたとかナビしてくれた以上に、ウィットのある受け答えにみんな一番反応する。
"日本語Siriさんとのすごい会話まとめ"
http://matome.naver.jp/odai/2133118459624180301

たとえ作られたものであっても、人間は魅力的なストーリーに反応することは長い歴史が証明している。ドラえもんのマンガの、未来への示唆的な部分はそこではないだろうか。そういった人間が生活をともにするロボットに求められるヒントがこのマンガの中にある気がする。そう、虎ノ門ヒルズにはトラのもんがぴったりでも、家の中にいてほしいのは、ドジでおっちょこちょいなことところがどれだけあろうとも、なんといっても一緒に泣いたり笑ったりできる、つまりはそこで魂のこもったストーリーを生み続けるドラえもんなのである。このバランス感覚、早々に真似できるものではない。

ドラえもん (1) (てんとう虫コミックス)
作者:藤子・F・不二雄
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