『闇金ウシジマくん』の企画はどのようにして作っている? 堀江貴文が聞く! 真鍋昌平-堀江貴文対談 Vol.2

東海林 真之2014年08月12日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

“闇金融”の日常と債務者たちのリアルな人間関係を描く『闇金ウシジマくん』。ドラマ化・映画化もされた同作品の今、これから、作られ方などについて、堀江貴文(以下、堀江)が切り込みます。前回は「フリーエージェントくん」編の話題に終始していましたが、今回は真鍋昌平(以下、真鍋)の取材の仕方を中心に話を伺います。

 

『闇金ウシジマくん』の企画は、どのように作られたのか

堀江 『闇金ウシジマ君』のストーリーというか企画って、誰が決めているんですか?

真鍋 まずは自分で決めて、そのうえで、そのテーマに詳しいライターを教えてもらいます。さらに、ライターの人やそのテーマに詳しい人から、元ネタになる人を紹介してもらって、もしうまくいったら直接自分で会いに行って取材します。あとはその取材した人と飲みにいって、友達との関係性などを見させてもらいながら、なんとなく形をつくっていきますね。

堀江 フリーエージェントくんたちの中で、素性が怪しい人はいなかったですか? どういう人たちがああなるのかと思いまして。

真鍋 あまり怪しい印象はなかったですね。例えば、ある人は、もともとはホストになろうと田舎から上京してきた人ですね。その時に堀江さんの華やかな印象などをテレビで見て、自分もいつかあぁなりたいと思いながら一生懸命バイトをするうちに、情報商材系のやつに出会ったわけです。それで、自分も成功者としての自分を見せたい、という思いがあって、そのときたまたま株かなにかで元手ができたので、それを元手にはじめたって言っていました。

他に、情報商材を何年もやっているという人は、もともとは出会い系サイトが儲かっていた頃にそれで大金を稼いで、そのお金を元手に情報商材を行うようになったと言っていました。

堀江 そういう系の人が多いんですね。いや、僕ね。そういう人たちに憧れられて困るんですよね。

真鍋 (笑)。
 

闇金ウシジマくん 30 (ビッグコミックス)
作者:真鍋 昌平
出版社:小学館
発売日:2014-02-28
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub
  • ebookjapan


堀江 これまでの取材について聞きたいんですが、マンガのなかには怖い人たちがたくさん出てきますよね。例えば、クスリの売人とかどう取材したんですか?

真鍋 いまはもう止めていますが、前に売っていた時期がある人のお店に行くんです。飲み屋なんですが、そこに昔の名残で売人の人とかがよく来るので、お店の人から紹介してもらうことはありましたね。例えば、普通の若者―まぁ少し刺青とかはしていたくらい―だった人が、ある時いきなりやくざの人に末端価格で300万円分のクスリを「これ、売っておいて」と渡されて、そこからどんどん離れられなくなってしまった、という人がいました。その人の末路はかわいそうでしたね。

堀江 結局、どうなったんですか、その人は。

真鍋 結局、自分自身もウツになってしまって、精神病院かなにかに行っていたみたいですね。はじめは、その、クスリ自体を、なくしてしまったらしいんですよ。たぶん自分で使ってしまったかその類だと思うのですが。それで追い込みかけられてしまって、逃げざるを得なくなったみたいで。その後何年かして、その精神病院から戻ってきて、飲み屋に来ていたときに出会った、とそういうこともありましたね。

堀江 僕、刑務所の中でたくさん会いましたけど。だけど、刑務所で話をしている分には普通のひとたちでしたよ。あれは、みんなおかしくなるんですかね。

真鍋 いやぁ、分からないですね。

堀江 そこまでは取材していない?

真鍋 そうですね。そこまで薬物自体に興味がある訳ではないですから。ただ、そのお店をやっている昔元締めだった人も、入院するくらいまでハマっていたこともあるみたいですが、いまは普通ですからね。

堀江 『闇金ウシジマ君』の取材話に戻りますが、風俗もテーマとして扱っていたじゃないですか。あれは、実際に沖縄とか中国とかに売られた人にも会ったんですか?沈められた人に。

真鍋 いや、それはもう噂だけですね。売られた人というのには、実際には会っていないです。風俗に沈められた人には、会いました。

堀江 あの風俗に沈められる原因はなんなんですか?ホストに金使ったとかでしょうか。

真鍋 あぁ、そのパターンはけっこう多いですね。借金を掛けにされて、その掛けが払えないから、風俗店を紹介されていく、とか。

堀江 僕もなんか昔友達の子でいましたよ。ホストにハマって、風俗にいってしまう子。

真鍋 だって、1日に使うときは100万円とか使っちゃうじゃないですか、ホストって。普通の女の子がそれは、払えないですよね。

堀江 普通に考えたらわかりそうなもんなんですけどね。でもほんと、風俗店は、ホストが多いですよね。ホストは風俗のお店に営業行きますもんね。どうですか、割合として。ホストに沈められる人とそれ以外では?

真鍋 場所によると思うんですけど、新宿とかで働いていて、毎日お店に入っている子は、割とそういう人がいますね。そうではなくて、少し郊外になると違う人も増えてきますが。例えば、軽自動車を運転していてガードレールにぶつかって、そのガードレールのお金を弁償するために100万円くらいかかるからデリヘルで働いている、とか。あと、前に、震災後数か月たった頃に被災地へ取材しに行ったんですが、そこのソープランドの人に話を聞いたら、震災で家の瓦が全部落ちてしまい、さらに家へまわってきた瓦業者みたいな人にだまされて瓦のお金だけで2-300万円とられてしまったので、その借金を返すために働いているという人がいました。

堀江 瓦の借金で。

真鍋 瓦です。なんか、みんながみんな遊びでって言うパターンじゃないです。そうではないマジメな人もいますよ。

堀江 そういうのっていたたまれなくなりますね。バカ正直ですよね。そんな、だまされたお金なんて踏み倒せばいいのに、ちゃんと返さなきゃって思って、それで返せないから自分が風俗にいくっていう発想になる。マジメですよね。

真鍋 だからマジメにやるんじゃないですか。酔っぱらいの相手とかも。お金もらっているっからがんばらなきゃ、といって。そうして、どんどんストレスが溜まってしまうんですけど。揚げ物が好きだ、と言っていました。車乗るときに、コンビニで買ったコロッケとから揚げくんを食べるのが幸せだと。そして朝まで働いて、朝早くからは介護の仕事をして、また夜には車で移動して、と。

堀江 そういうマジメな人がいる一方で、情報商材を売るような人がいて。なんだかギャップを感じますね。

真鍋 めちゃめちゃ感じますね。まぁでも、情報商材は、トップの人は儲かるんですけどね。

堀江 情報商材屋もねずみ講みたいなものですからね。末端のどうしようもないやつが、どうしようもないんでしょうね。ほんとにその商材買ったら、儲かると思ってる。今のあの連載中のやつ、現場で働いていたあいつも、見ていていたたまれないよなぁ。

インタビューは、まだ続きます。続編はこちらです。

聞き手、構成:東海林真之
 

闇金ウシジマくん 1 (ビッグコミックス)
作者:真鍋 昌平
出版社:小学館
発売日:2004-07-30
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub
  • ebookjapan
記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら

人気記事