9月のこれから売る本-山下書店南行徳店 髙橋佐和子

髙橋 佐和子2014年09月17日 印刷向け表示
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最近、生き方について考えることが多くなりました。切っ掛けをくれたのは、子どもを持つお母さんの一言でした。「子どもが熱を出してしまってお休みをいただいたの。でも、遠回しに急に休まれるのは困るから辞めて欲しいと伝えられたのよ。次の仕事を探しているけど、なかなか見つからなくて。」他人事ではない悩みでしたし、私もいつかは子どもを授かりたいと願っています。なので、女性が常に「迷惑をかけてしまう立場である」と見られていることへの不安を強く感じたのです。子どものこと、子どもを持つ親御さんの気持ちの行き場所、社会的な優しさについて今回は考えてみたいと思います。

きみは赤ちゃん
作者:川上 未映子
出版社:文藝春秋
発売日:2014-07-09
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まず、子どもを授かったときの悩みが何かを考えました。それは、やはり、妊娠・出産への不安だと思います。上記のお母さんは、一年前に「子どもが産まれると大変だけど、産まれる前も大変だったのよー。」と話をしてくれました。その時は分からなかったのですが、この本を読んだ今ならイメージ出来ます。

赤裸々。その言葉がぴったりでした。私のような立場の人にとってはかなり勉強になる本だと思います。女性がどれだけ『共感』を求めているか伝わってきます。話を聞く、気遣う等、些細なことが安心なのだと分かるのです。男性も読むことで、お互いに優しくなれるかなと思います。それから出生前検査。受けても、受けなくても、どちらも悩んで悩んで悩み抜くのだと川上さんの本を読んで感じました。妊婦さんが悩んだとき一番寄り添ってくれるであろう一冊です。当店では、女性の本棚に展開中です。すぐ売れていくので、需要があるのだなと感じます。

産む、産まない、産めない
作者:甘糟 りり子
出版社:講談社
発売日:2014-07-31
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こちらの方が軽いタッチで読めます。人の数だけ答えがあって、何が正解か分からない。私が面白いと感じたのは、「男性の育児休暇」。大好きな仕事をずーっと続けて、子どもの面倒はお互いに余裕のある方が見て、何かあったらフォロー体制が整っている会社。なんて素晴らしいのだろうと思いました。夫婦間だけでなく、家族のサポート、近隣のサポート。困ったときはお互い様という風潮があったら、「あぁ、いつかは辞めなくちゃいけないのかな」とか「一人で頑張らなくちゃ」とか思わなくてもいいのに・・。この二冊は考えさせられました。

1%の力
作者:鎌田 實
出版社:河出書房新社
発売日:2014-09-17
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力を入れて届けたい本です。これから発売される、鎌田實 『1%の力』。母の本棚にあった鎌田先生の『がんばらない』を読んでから鎌田先生の考え方に影響を受けるようになりました。その鎌田先生が、「0%から急に100%頑張れと言われても難しいが、1%だけやってみようと言うと、そうだな、やってみようかなと思ってくれる」と述べていらして、深い一言だなと思いました。

 本文の中に心に残る文章があったので、引用させていただきます。

誰だって、ちょっと気持ちを変えれば、誰かのために生きられる。誰かのために生きると、不思議なことに少しだけ生きるのがラクになります。誰かのために自分が役立っていると思えると、「死」ですら乗り越えていけるような気がしてきます。

鎌田先生は、「1%でも良いから傍にいる人に優しくしてみて欲しい。誰かのことを想って欲しい。そうすれば、きっと優しい社会になれるはずだ」とおっしゃいました。「そうか」と思えました。0%か100%かの不器用な私。鎌田先生が伝えているように「1%」で良いのだ。すこーしだけ、自分の余力を誰かのために向ければ良いのだ。子どもや親、そしてこれからの社会に対して自分に出来ることなんてないかもしれない。でも、「1%」の優しさがあれば、少しずつ変われるのかもしれないと思わされた一冊でした。一歩一歩進んでいきたいです。この先もずっと。


髙橋佐和子 1982年、AB型。埼玉県にて育つ。大手書店、街の書店を経て、現書店で働く。4月から児童書担当に。その他、地図ガイドと文庫のお手伝いをしているアルバイト。今年の決意は自分を保つ、熱意を形にする、文章能力をあげる。本と同じくらい愛しているのは吐息が出るほどの美味しい日本酒。

【山下書店南行徳店】

〒272-0138
千葉県市川市南行徳1-16-1
TEL 047-314-5898 FAX 047-307-8977
「当店のフリーペーパー『ギフト』隔月刊行予定。地元に愛されるお店を目指す。」
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