"ニコニコ角川祭り"セール中に買っておきたいお薦めマンガ60選

兎来 栄寿2014年10月03日 印刷向け表示
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KADOKAWAとドワンゴの経営統合に際して行われている「ニコニコ角川祭り」。10月1日から10月7日までの間(※14日まで延長になりました)、カドカワ系作品の電子書籍がComic WalkerやKindleでも50%以上オフと、大変お買い得となっています。これを機に、読んで頂きたいオススメのマンガを、ファンタジー、SF、ビジネス、サスペンス、バトルモノ、恋愛モノ、四コママンガから麻雀漫画まで幅広く紹介したいと思います。 

僕だけがいない街 (1) (カドカワコミックス・エース)
作者:三部 けい
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2013-01-25
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詳細なレビューは下記の単独レビュー記事をご参照下さい。

今、一番続きが読みたい漫画『僕だけがいない街』(http://honz.jp/articles/-/40177)

『僕だけがいない街』 客員レビュー by 小池一夫(http://honz.jp/articles/-/40622)

『ジョジョの奇妙な冒険』の元アシスタントである三部けい先生による話題沸騰のサスペンスです。とにかく、続きが気になる! 早く先を読みたい! と思わせてくれるマンガとしては、近年でも間違いなくトップクラス。『ジョジョ』のサスペンス部分が好きな人、ミステリや謎解きが好きな人には特にお薦めしたいです。最新4巻まで買っても1000円ちょっとと大変お買い得ですので、まだ読んでない方はマンガHONZレビュアーと小池一夫先生を信じてポチってみて下さい。
 

「ガンダム」を創った男たち。 上巻 (カドカワコミックス・エース)
作者:大和田 秀樹
出版社:KADOKAWA/角川書店
発売日:2014-01-24
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詳細は以下のレビューをご覧下さい。

 35年続くガンダムムーブメントはいかにして創られたのか?『ガンダムを創った男たち。』(http://honz.jp/articles/-/40245)

『ムダヅモ無き改革』では小泉元首相を始め、各国の大統領から歴史上の人物まで次々と登場させ、麻雀で戦わせるという破天荒さを見せてくれている大和田秀樹先生。その大和田先生が、ただでさえガンダムマンガを描いていた大和田先生が、富野由悠季さんや安彦良和さんや古谷徹さんや池田秀一さんをマンガとして描いて、ガンダムの黎明期を描いて、面白くならないハズがないッ! 男の仕事のドラマとして、純粋にシビれる場面が盛り沢山です。
 

機動戦士ガンダム THE ORIGIN (1) (角川コミックス・エース)
作者:安彦 良和
出版社:角川書店
発売日:2002-06-01
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 ガンダムをこれから読むなら『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』から入るべき3つの理由(honz.jp/articles/-/40440)

やはり、角川といえばガンダム、ガンダムエースですよね。そのガンダムエースが創刊される切っ掛けとなったのが、2015年に「青い瞳のキャスバル」が上映予定となり、ますます盛り上がりを見せているこの『THE ORIGIN』。上記レビューでも熱く語られている通り、シャア・アズナブルやランバ・ラルといった漢たちのドラマは必見です。
 

機動戦士ガンダムデイアフタートゥモロー―カイ・シデンのメモリーより―(1) (角川コミックス・エース)
作者:ことぶき つかさ
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-10-26
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これは宇宙世紀の歴史マンガです。『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』(http://honz.jp/articles/-/40438)

うめ先生による、「今日は5月11日は、エゥーゴがジャブローを攻撃した日なのである」という名言から始めるこのレビューで素晴らしい紹介をされている『デイアフタートゥモロー』も、ガンダム好き、引いてはマンガ好きに読んで欲しい秀作です。こうした、脇役一人一人もしっかりと宇宙の中で息衝いて、時代を、世界を形作って巨大な総体となっているのが、ガンダムシリーズの大きな魅力ですよね。
 

機動戦士ガンダムUC 虹にのれなかった男 (カドカワコミックス・エース)
作者:葛木 ヒヨン
出版社:角川書店
発売日:2013-09-24
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ガンダム系では、こちらもお薦めです。「逆襲のシャア」の後、「ガンダムUC」に至るまでの物語を、ブライト・ノアという男の視点から描いた物語。ニュータイプを見つめ続けて来た、オールドタイプの想いをとくとご覧あれ。「ガンダムUC」を最後まで観た後だと、尚更このサブタイトルと共にグッと来てしまいます。宇宙世紀が大好きなあなたに読まれて欲しい!

 
機動戦士ガンダムギレン暗殺計画 1 (角川コミックス・エース 83-5)
作者:Ark Performance
出版社:角川書店
発売日:2008-02
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機動戦士ガンダム光芒のア・バオア・クー (角川コミックス・エース 83-10)
作者:Ark Performance
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-12-25
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機動戦士ガンダムMSV‐R ジョニー・ライデンの帰還 (1) (カドカワコミックス・エース)
作者:Ark Performance
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-12-25
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『蒼き鋼のアルペジオ』のArk Performanceさんが送るガンダムシリーズは、総じてお薦めです。モビルスーツが全然出て来ず、一年戦争の歴史の裏にあるサスペンスとして上質な『ギレン暗殺計画』。一年戦争最後の舞台ア・バオア・クー攻防戦に参加した両軍に所属する様々な人物にインタビューを行い、様々なできごとを振り返るという異色のドキュメンタリー『光芒のア・バオア・クー』。ジオン公国のエースパイロット「真紅の稲妻」ジョニー・ライデンと彼の所属するキマイラ隊を、かなりマイナーな兵器ともども描く『MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』。宇宙での医療行為に興味がある方や、格好良いヤザンが見たい方は刮目して下さい。
 

新世紀エヴァンゲリオン (1) (カドカワコミックス・エース)
作者:貞本 義行
出版社:KADOKAWA/角川書店
発売日:1995-08-29
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角川といったらガンダムですが、貞本さん版エヴァでもありますよね。「エヴァ? アニメで観たよ」という方も多いかもしれませんが、マンガ版のエヴァはアニメとは若干異なった展開となっています。そして、私見ですがアニメ版よりは物語の内容、たとえばゲンドウの目的や人類補完計画の真相などがはっきりと解り易く描かれており、アニメを観てよく解らなかった、という方にこそお薦めです。ただ、個人的に最愛のカヲルくんはアニメ版一択ですけれど(笑)。

シャーリー (Beam comix)
作者:森 薫
出版社:エンターブレイン
発売日:2003-02
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エマ (1) ((Beam comix))
作者:森 薫
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2002-08-30
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乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)
作者:森 薫
出版社:エンターブレイン
発売日:2009-10-15
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マンガなのに感じられるドキュメンタリー体験! 圧倒的な描写力に引き込まれる『乙嫁語り』(http://honz.jp/articles/-/40316)

先月、11年ぶりとなる2巻が発売して話題となった、森薫先生の『シャーリー』。 何と、発売から1ヶ月も立っていないその2巻も、『エマ』も『乙嫁語り』も、全巻214円となっています。ちょっとお得過ぎやしませんか! 森薫先生はとんでもなくフェティシズムに溢れており、それを包み隠さずに絵にします。問題はフェティシズムの方向性ですが、多くの人を喜ばせるフェティシズムであったことは、世界と森薫先生にとって共に幸運なことでした。愛情溢れる筆さばきで紡がれた、メイドやシルクロードへの長久にして超級の愛が織り成す極上の世界、とくとご堪能下さい。
 

忍者×ブレードランナー。日本はこんな風に誤解されている?――『ニンジャスレイヤー』(http://honz.jp/articles/-/40537)

2015年にアニメ化もされる、サイバーパンク忍者活劇。もっと言うと、日本文化曲解爽快コメディカル忍者アクションのコミカライズ版。一度この世界に足を踏み入れれば、「マルノウチ・スゴイタカイビル」「ショッギョ・ムッジョ」(諸行無常)「チャメシ・インシデント」(日常茶飯事)など、独特の忍殺言語に脳が普段使っていない部分を刺激され、笑い殺されながら謎のドライブ感に浸れること間違いなしです。実際オモシロイ!
 

ふたつのスピカ 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
作者:柳沼 行
出版社:メディアファクトリー
発売日:2002-01
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こんな良いマンガに年に五作品でも出会えたらマンガ読み冥利に尽きる……それくらい素晴らしい、今回の記事で個人的に一番読んで欲しい作品です。可愛らしい絵柄ですが、実に硬質な感動を与えてくれます。これから様々な夢を見て叶えていく子供から、かつての夢を子供たちに託した大人まで、誰が読んでもきっと伝わり響くものがあります。ハズレが少ないと思わせてくれる「宇宙マンガ」の中でも、最高峰。子々孫々に、未来に伝え残して行きたい傑作です。
 

群緑の時雨 ① (MFコミックス フラッパーシリーズ)
作者:柳沼 行
出版社:メディアファクトリー
発売日:2011-03-24
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そんな『ふたつのスピカ』の柳沼行先生が描く時代劇。柳沼行先生は、何と言っても「間」の使い方とキャラクターの表情の描き方が巧みです。そこに込められる情感の質量が凄いのです。この四巻で纏められた『群緑の時雨』もとても良質な人間ドラマとなっていて、柳沼行先生の演出力と題材も実にマッチしており、お薦めです。
 

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス)
作者:新井 英樹
出版社:エンターブレイン
発売日:2006-08-31
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私の中で20世紀最高の漫画を挙げるなら『火の鳥』なのですが、21世紀最高の漫画を挙げるなら以前レビューを書いた『預言者ピッピ』か、あるいはこの『ザ・ワールド・イズ・マイン』かです。あまりにも途轍もないモノが描かれてしまっており、いつかしっかり取り組んでレビューをしたいと思うものの、それがどれほど困難な作業か……。あまりにも壮大で、重厚で、魂ごと穿たれる物語。そんな今作の完全版全5巻が、何と今なら1冊144円……!? 目を疑いました(追記 1冊144円ではなく、144円×3の三分割となっているようです。それでも十分にお買い得なのですが)。漫画好きでこの作品を読まないなんて、嘘です!
 

SCATTER あなたがここにいてほしい 1巻 (BEAM COMIX)
作者:新井 英樹
出版社:エンターブレイン
発売日:2010-03-09
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はっきり言って、1巻時点ではこの作品をどう判断して良いか全く解りませんでした。ただ、「もしかしたら これは『ザ・ワールド・イズ・マイン』を超える新井英樹先生の最高傑作にすら成り得る可能性を秘めている」と感じたことは確かです。そして、4巻辺りまで読み進めるにつれて、その予想と期待が徐々に現実のものになりつつある手応えを感じて来ました。もし『ザ・ワールド・イズ・マイン』を超えるとなったら、それは私にとって今世紀最高傑作ということです。今最も目を離してはならない作品。
 

恋の門 ハンディ版 (1) (ビームコミックス)
作者:羽生生 純
出版社:エンターブレイン
発売日:2004-08-31
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 『アオイホノオ』のホノオモユルはまだ幸せです。彼の描くものは、まだ全然世界に受け入れられるものですから。この『恋の門』では、ホノオよりももっと「こじらせて」しまった主人公が登場します。そして、そんな彼の前に現れるコスプレが趣味の同人女性。この二人の痛々しく、打算的で、泥沼で、しかしあまりにも人間的で、カタルシスすら感じる恋愛は、あらゆる恋愛作品の中でも一際胸を打ちました。漫画史に残る恋と言って良いでしょう。一般受けするとは言い難い羽生生純さんの諸作品の中でも、敢えてお薦めしたい一作です。
 

コミック 銭 1巻 (Beam comix)
作者:鈴木 みそ
出版社:エンターブレイン
発売日:2003-09-26
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限界集落温泉 1巻 (BEAM COMIX)
作者:鈴木みそ
出版社:エンターブレイン
発売日:2010-02-25
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ナナのリテラシー 1 (ビームコミックス)
作者:鈴木みそ
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2014-01-25
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作家を救う電子書籍の伝道書『ナナのリテラシー 1』(http://honz.jp/articles/-/40234)
ゲーム業界は焦土と化したのか? 『ナナのリテラシー2』(http://honz.jp/articles/print/40794)

マンガHONZレビュアー陣の中でも人気の、電子書籍やゲーム業界のリアルな経済状況を描いた『ナナのリテラシー』。その源流となっているのが、様々な業界のお金の流れやその金額をリアルに記した『銭』です。AVは一本出すのにどれ位の費用がかかるのか、女優に出すギャラはどれ位なのか。他にも、声優業界から葬儀屋のお話まで、知っておくとためになる情報が満載の作品です。タイトルの示す通り、限界集落となってしまった地域と旅館を現実的な施策を取りながら復興させて行く『限界集落温泉』も、経済やビジネスに興味がある方・学びたい方に併せてお薦めです。
 

鴨の水かき 1巻 (ビームコミックス)
作者:空木哲生
出版社:エンターブレイン
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スナップガール (ビームコミックス)
作者:空木哲生
出版社:エンターブレイン
発売日:2013-10-15
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三人所帯のデザイン事務所の日常を描いた仕事マンガ『鴨の水かき』。話の筋自体は、どうってことないんです。しかし、どうということのない普通の仕事風景に、何とも安心にも似た感情を抱きながら楽しめる物語です。クライアントに無茶ぶりをされたり、ふわっとしたダメ出しをされたり……あんまりなことが続いて嫌になり、居酒屋で呑んだくれるシーンには思わずウンウンと頷いてしまいます。そして、新人社員の初めての大きな仕事を成功させた時の様子に、我が事のように歓びを覚えてしまいます。「白銀比」や「現調」といった言葉を覚えられる、派手さはなくともしっかり面白いビジネスマンガ、如何でしょうか。空木先生の短篇集『スナップガール』も、人間が社会の中で人と繋がりを持って生きる魅力に溢れた純朴な作品です。
 

閃光少女1 (フラッパーコミックス)
作者:あさの ゆきこ
出版社:メディアファクトリー
発売日:2012-10-23
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カメラ女子、カメラ女子はいりませんか~。しっかりとカメラや写真について解説してくれるものの、そこまでマニアックになり過ぎておらず、丁度良い具合にストーリーに溶け込んでいる青春カメラ物語です。打ち拉がれていた主人公が、少しずつ前向きになっていく様や、美しいショットを捉える瞬間の煌きが、優しく心に沁みて来る作品です。カメラに縁遠い人はなるほどなるほどー、と学べ、カメラ好きの人は初心に帰って微笑ましく読めるでしょう。
 

ハクメイとミコチ 1巻 (ビームコミックス)
作者:樫木祐人
出版社:エンターブレイン
発売日:2013-01-15
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ファンタジー世界の日常が好きで『ハクメイとミコチ』 を読んでいないとしたら、日本人に生まれて米を食べたことがないようなものです。一コマ一コマ密度濃く描き込まれた背景や小物の美しさ、小人たちの架空世界での日々の営みに感じるリアルさ、出て来る食べ物や飲み物の食欲のそそりよう……。主人公は小人で外見も実に愛らしいのですが、しっかり仕事をし、酒も飲む大人であるというギャップがまた面白いです。童話のような世界観で、基本的にはほのぼのと暖かですがシリアスなお話もあり、この世界に入って生活してみたいと思わせてくれる素敵な作品です。
 

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)
作者:九井諒子
出版社:エンターブレイン
発売日:2012-10-15
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ファンタジーといったらこちらも外せません。近年、あらゆるジャンルのクリエイターからも注目を浴びる新進気鋭、九井諒子先生の初単行本。この傑作短篇集が214円で読めてしまうなんて、何と羨ましい! 収録されている短編は一編ごとに絵柄も意図的に変えられており、ファンタジーを中心に様々な読み味のお話を楽しめます。九井諒子先生の魅力は、一つしっかりと芯の入った設定を導入することで、ファンタジーにしてもありきたりなお話としてでなく読ませてくれることです。まだ単行本化されていない『ダンジョン飯』の発売も楽しみです。
 

狼の口 ヴォルフスムント 1巻 (BEAM COMIX)
作者:久慈光久
出版社:エンターブレイン
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鎧光赫赫 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
作者:久慈光久
出版社:エンターブレイン
発売日:2010-04-15
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西洋を舞台にした作品が好きな方、救いのないお話・絶望感を味わえる物語が好きな方には、こちらをお薦めします。14世紀、ドイツとイタリアを結ぶ関所を通ろうとする者達が、非常な悪代官によって次々と残酷な目に遭っていく物語。友情など芽生えたとしても摘み取られ、努力は無慈悲に打ち砕かれ、勝利など彼方で瞬く星よりもなお遠い……そんなお話です。しかし、歴史の中には実際にこんな暴虐もあったであろうと物想い、そして無謀と解っていても一筋の希望を信じ、命を賭して闘いに臨む者達を応援したくなります。憎きヴォルフラムを打ち倒せ! 『狼の口』が気に入ったら、作者のルーツとなる短篇集もどうぞ。
 

秋津 1 (ビームコミックス)
作者:室井大資
出版社:エンターブレイン
発売日:2012-10-15
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もしも「この主人公がすごいダメ!」というアワードがあったら、『黒沢』などと並んで確実に上位入賞するのがこの『秋津』の主人公・秋津薫です。出来のいい小学生の息子をひたすらからかい、仕事のマンガに対していい加減で、他人のスランプを嘲笑う一方、自分が窮地に陥ると途端に見ていられないほど卑屈になる……。モンハンやってる場合じゃないよ、ちゃんと仕事しろよ! と読みながら言いたくなるのですが、しかしそんなダメな姿が、ダメな父親の擁する家庭が、何故か愛らしく暖かく思えるから不思議です。言葉選びのセンスも良く、笑いながら何ともしんみりできる作品。ダメな大人を見て、安心したい方に。
 

ふうらい姉妹 第1巻 (ビームコミックス)
作者:長崎 ライチ
出版社:エンターブレイン
発売日:2010-11-15
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阿呆にも歴史がありますの (BEAM COMIX)
作者:長崎 ライチ
出版社:エンターブレイン
発売日:2013-09-14
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絵柄は非常に耽美で、そのままフランス貴族の悲劇でも描いて下されば映えそうです。しかし内容はあまりにもシュールな四コママンガ。「ほらっ私の腰ぎんちゃくを あ・げ・る」
「わあ 腰ぎんちゃくだ~い好き」といった会話を無限に繰り広げる、残念な姉妹の独特な世界。シュールではあるのですが、誰も傷付けずに電波な言動で笑いを取って来る美人な姉と、それにやんわりと突っ込む妹によって形成される優しい空間が、私は大好きです。『ふうらい姉妹』で長崎ライチワールドに誘われたら、作品集『阿呆には歴史がありますの』で、美人姉妹以外のカオスな世界の数々も覗いてみると良いでしょう。筋金入りの奇才です。
 

未来日記 (1) (角川コミックス・エース (KCA129-5))
作者:えすの サカエ
出版社:角川書店
発売日:2006-07-21
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ビッグオーダー(1) (角川コミックス・エース 129-23)
作者:えすの サカエ
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2011-12-22
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アニメ化もされた『未来日記』は有名だと思いますが、一応説明すると、それぞれ固有の予知能力を与えられた12人が、最後まで生き残った者に与えられる神の座をかけて戦うサバイバルゲームを描いた作品です。私はこの設定を聞いただけで読みたいと思いましたし、興味を惹かれた方は読んで間違いなしの作品です。ヤンデレヒロインが好きな方にもお薦めです。その、えすのサカエ先生の最新作『ビッグオーダー』は、コテコテの能力バトルモノとなっています。能力も従来の作品を踏襲した上で練られている感があり、物語の展開もダイナミックで引きが強いです。『ジョジョ』のスタンドバトルや『HUNTER×HUNTER』の念能力バトルが好きな方は、是非とも押さえておきましょう。
 

キュビズム・ラブ 1 (B's-LOG COMICS)
作者:松本 テマリ
出版社:エンターブレイン
発売日:2011-06-01
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あなたは、箱を愛せますか? 今作のヒロインは「箱」です。正確に言えば、交通事故に遭ってしまった少女が、脳だけを残して黒い箱に詰められた状態です。元々がどれだけ美少女、あるいは美青年だったとしても、人は立方体を愛せるのか。そこにパーソナリティが残っているならば外見・形状は何ら問題ではないのか。果たして人が愛することができるものは、どこまで記号化が許されるのか……。様々な哲学的な問題を考えさせられる、しかしながら甘々で異色な純愛ストーリーです。『ガンパレード・マーチ』から『マージナル・オペレーション』まで様々な作品を世に送り出し続ける、芝村裕吏という鬼才の一端ここにあり。
 

マジャン -畏村奇聞- (1) (ファミ通クリアコミックス)
作者:カミムラ 晋作
出版社:エンターブレイン
発売日:2011-07-15
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こんなに面白い麻雀マンガはそうそうないぞ! 初めて読んだ時、 興奮しました。マガミサマと呼ばれる神を信仰し、麻雀(村ではマジャンと呼ばれる神事)が強い者が絶対的な権力を持つ因習のある田舎の村。いわば『ひぐらしのなく頃に』的な雰囲気の村に引っ越した麻雀好きの少年が村の掟に巻き込まれ、時には命をも賭けて戦う物語。今作が面白いのは、それぞれのマジャンにおいて託宣で決められた特殊ルールが適用されること。そして、そのルールは主人公には知らされていないこと。毎回違う楽しみのある闘牌と共に、主人公目線で特殊ルールを看破するという、二重の面白さがあります。ただ、この『マジャン』残念なことに単行本の刊行が2巻でストップしており、Kindle化も1巻しかされていないようです。連載は完結しており、コミックスにしたら10巻分近いストックもあるのですが。こんな面白い作品の単行本が出ないなんて、大いなる損失です! 早くこの作品が、もっと多くの人に膾炙される日が来ることを心から望みます。
 

デンキ街の本屋さん1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
作者:水あさと
出版社:メディアファクトリー
発売日:2011-11-22
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デンキ街の本屋さん 8.5 ガイドブック (MFコミックス フラッパーシリーズ)
作者:水 あさと
出版社:KADOKAWA/メディアファクトリー
発売日:2014-09-23
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今クールからアニメも始まる、電気街のオタク向け書店で働く店員の日々を描く物語。アニメイト、とらのあな、K-BOOKS、メロンブックス、COMIC ZINなどに足繁く通う私のような者にはその裏方のエピソードを面白く読めますし、書店員の方が見ればシュリンク作業の大変さなどに共感を覚えることでしょう。「マンガソムリエ」が出て来るマンガとしても、個人的に注目です。私も彼のようになりたい! しかし、発売から2週間経ってないファンブックも214円というのは凄いです。
 

くまみこ 1 (MFコミックス)
作者:吉元 ますめ
出版社:KADOKAWA/メディアファクトリー
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「ファッションセンターしまむらを描いたマンガ」として、ネット上で大いに話題を呼んだ作品。件のしまむらエピソードは2巻に収録されています。しまむらだけでなく、ユニクロやヴィレッジヴァンガードなども登場。都会に憧れながらも、世俗のことなど全く解らないヒロインの巫女少女が、外界に出る練習として「ヒートテックを買ってこい」と言われた時「どんな暖房器具なのか? 爆発しないか?」と思い悩むシーンはとても愉快です。アイヌ、熊、田舎ライフ、そしてやはりしまむらを愛する方にお薦めです。
 

まおゆう魔王勇者「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」(1) (角川コミックス・エース 264-4)
作者:石田 あきら
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2011-08-25
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アニメ『ログ・ホライズン』の放映が再び始まる橙乃ままれ先生。こちらもアニメ化もされた、メタRPG小説『まおゆう魔王勇者』のコミカライズ作品です。経済、産業、食糧事情などのリアルな観点をファンタジーの世界に導入した異色作。知的で豊満な魔王の可愛さにニヤニヤしながら、経済学的な知見を磨きましょう。

紅殻のパンドラ (1) (カドカワコミックス・エース)
作者:六道 神士
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2013-03-08
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士郎正宗×六道神士という豪華タッグによるSF。タイトルが示す通り、『攻殻機動隊ARISE』に繋がる部分も暗示されています。但し、作品のノリ自体は六道神士節全開なため、『エクセルサーガ』のようなノリや百合百合しさ、萌え絵を許容できないと、硬派な士郎正宗ファンにはキツいかもしれません。但し、そこを乗り越えると近未来のサイバネティックな世界観と共に、破天荒さと巻を追うごとに面白味を増して行く物語を楽しんでいくことができるでしょう。 
 

ナナマルサンバツ(1) (角川コミックス・エース 245-4)
作者:杉基 イクラ
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2011-05-02
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「競技クイズ」を題材にした青春ストーリー。クイズを扱ったマンガというのも珍しいですが、しっかりと取材を重ねて、「ベタ問」や「確定ポイント」といった競技としてのクイズの熱さや面白さをしっかり描いています。そして、団体戦ならではの仲間と共闘する熱さから負けた時の悔しさまで、普遍的なスポ根青春モノとしての面白さもしっかりと兼ね揃えた秀作です。そして、巻を追うごとにキャラクターは魅力的になり、展開も白熱して行きます。ストーリーと共に作中に出て来るクイズも楽しめて、更に巻末には毎回50問のクイズも付いている、一粒で三度美味しい作品です。
 

魔犬 ラヴクラフト傑作集 (ビームコミックス)
作者:田辺剛
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2014-08-25
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クトゥルフ神話のコミカライズというのは過去にも幾つか行われていますが、田辺剛先生によってなされた物がその最高峰であることは間違いありません。今後もクトゥルフマンガを描いて欲しいと願います。黒黒とした画面、リアルなタッチの人物造形、緻密な描き込み……それら全てがクトゥルフ神話の雰囲気にマッチしており、名状し難き不安や恐怖を煽ってくれます。呪われた禍々しい深淵や虚空へ落ちたいという業の深い方から、最近這い寄る混沌に興味を持ったという方、そもそもクトゥルフって何? という方まで、広く楽しめるであろう一冊です。

以下、10月6日追記分

イムリ 1巻 (BEAM COMIX)
作者:三宅 乱丈
出版社:エンターブレイン
発売日:2007-07-25
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最初からこの作品の紹介がなかったことを申し訳なく思う名作です。鬼才・三宅乱丈先生の描く、壮大なSFファンタジー巨編。双子星マージとルーンに住む民カーマとイムリ達による、階級支配や民族闘争を描いた物語です。今でなくここではないどこかの人々の生活感や理を感じさせてくれる様は、萩尾望都先生の諸作品や『十二国記』のよう。綿密に練り込まれ、そこに厳然たる存在感を感じさせてくれる世界観が素晴らしいです。この世界で行われている所業の数々は現実世界にまで敷衍してきて、その重厚さに様々に物思わせられます。1巻だけ読むと独自の用語も多く理解が難しいかもしれませんので、できれば最初に2巻以降まで一気に読み進めて下さい。

放浪息子 (1) (BEAM COMIX)
作者:志村 貴子
出版社:エンターブレイン
発売日:2003-07
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「異性になりたい」という願望、「自分の今の性が厭だ」という絶望は、社会においてはもしかしたら特殊なのかもしれません。そうした人に最も響くであろうこの作品。しかし「現状の自分に対する不満」と捉え直せば、想像以上に多くの人と共感し合える物語でもあると想います。志村貴子先生の卓越した心理描写の巧さ、漫画作りの巧さによって、思春期の少年少女たちの繊細さが感情を上質に刺激してくれます。提示連載期間が長いので、途中で読むのを止めてしまったという方もいるかもしれません。しかし、そんな方にこそこの機会に読んで欲しいです。志村先生が10年掛けて辿り着いたラストは、必見です。

バーバ・ヤガー 1 (MFコミックス アライブシリーズ)
作者:きづき あきら
出版社:メディアファクトリー
発売日:2009-01-23
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ヨイコノミライ』で、余りにも痛々しくドロドロで歪んだ群像劇を描いたきづきあきら先生・サトウナンキ先生のコンビが、その人間の痛みや歪みはそのままにサスペンスを描いたら面白くない筈がないではありませんか! 人間は、あらゆる事象に対して先入観を持ち、誤謬を犯す。そんなことを、多くの人物の視点から同一事件を描いた珍しい物語体験として届けてくれます。果たして今作で一番狂っているのは誰なのか、そもそも狂気とは何なのか……。転換の連続によるスリリングさが堪らない作品です。

ひまわりさん (MFコミックス アライブシリーズ)
作者:菅野 マナミ
出版社:メディアファクトリー
発売日:2011-01-22
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ビブリア古書堂の事件手帖 (1) (カドカワコミックス・エース)
作者:ナカノ
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2012-06-22
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黒髪ロングストレートで本が好きな気品のあるお姉さん。それ以外に何がいるでしょうか!ひまわりさん、 栞子さん、好きだああああ! ……と、個人的な嗜好はさておき。『ひまわりさん』は古書店の若女主人であるひまわりさんを中心に、本や古書店を取り巻く人々との触れ合いを描いた、心温まる作品です。読むと優しい気持ちになれるお話です。ほんの少し百合的な趣もアリ。『ひまわりさん』が日常劇である一方、ドラマ化もされた『ビブリア古書堂の事件手帖』は、実在の書がどんどん登場するミステリ。ヒロインである栞子さんの深すぎる本への造詣によって、事件を解決に導いていく過程がとても面白いです。登場する作品も、『時計じかけのオレンジ』から手塚治虫作品まで幅広く、本が好きな人もそうでない人もそれぞれに楽しめます。

 

あの娘にキスと白百合を 1 (MFコミックス アライブシリーズ)
作者:缶乃
出版社:KADOKAWA/メディアファクトリー
発売日:2014-05-23
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マンガソムリエが選んだ2014年上半期新作ベスト『夜とコンクリート』他(http://honz.jp/articles/-/40604)

上記の記事でも触れた、今年最もビビビッと来た百合作品です。女子校を舞台にした純然たる百合物語であり、主要な二人以外の友人達や先輩後輩の関係性も実に美味しく堪能できます。手を合わせてご馳走様でした、と言いたくなりました。ただ、この作品は構成と演出に趣向が凝らされており、特に百合が大好きという訳ではない人でも物語として楽しめる水準ではないかと思います。気になった方は、騙されたと思ってまずは試し読みをどうぞ。 

源氏物語千年の謎第1巻 (あすかコミックスDX)
作者:宮城 とおこ
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2011-03-26
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『源氏物語』の漫画も、『あさきゆめみし』や江川達也先生版など数多くありますが、この映画化もされた『源氏物語 千年の謎』は一際異彩を放つ作品です。今作では、『源氏物語』を描く紫式部や藤原道長、安倍晴明といった人物の物語を作品世界と並行して描いて行きます。『源氏物語』に込められる、紫式部の深い想い。藤原道長の業。それらが宮城とおこ先生の美麗なイラストによって綴られることによって、儚げな美しさと切なさが現出しています。漫画や画集は勿論、イラストを担当している小説から表紙絵を描いているファンロードなどまで集めた宮城とおこファンの私からしても、宮城先生の漫画の中でも特に素晴らしい作品になっていると言えます。2巻完結ですので、手も出し易いでしょう。

瓶詰の地獄 (ビームコミックス)
作者:丸尾末広
出版社:エンターブレイン
発売日:2012-06-25
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丸尾末広先生の作品が、電子書籍で、それもたった200円で買えてしまう時代が来ていたとは……。夢野久作先生の不朽の名作『瓶詰地獄』を漫画化した作品から、オリジナル作品までを収録した短篇集です。大正浪漫の旗手である高畠華宵先生の影響下にある耽美なる筆致こそ、丸尾末広先生の最大の魅力であり、今作でも勿論その妖艶なる世界が広がっています。丸尾先生の作品は紙の手触りとインクの匂いと共に味わってこそ、という想いがないでもないのですが……。この耽美で無慈悲なる暗黒の世界への招待状。受け取るか受け取らないかはあなたの自由です。

パノラマ島綺譚 (BEAM COMIX)
作者:江戸川 乱歩
出版社:エンターブレイン
発売日:2008-02-25
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芋虫 (BEAM COMIX)
作者:江戸川 乱歩
出版社:エンターブレイン
発売日:2009-10-26
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同じく丸尾末広先生による、江戸川乱歩作品のコミカライズシリーズ。『パノラマ島綺譚』は、死んだ資産家になりすまして地位と財産を乗っ取り、地上の楽園となるパノラマ島を作り上げる物語。丸尾末広先生の卓越した画力によって描き出されるその楽園の華美で淫靡な様は、超絶的です。乱歩作品と最高のマリアージュを為している一作ではないでしょうか。画集だと思って買っても良い作品です。そして、乱歩最大の問題作とも言える『芋虫』も、80年の時を越えて二人の天才により現出した奇跡とも呼べるコラボレーション。エロティックで、グロテスクで、壮絶極まりありません。文章だけでも芸妓に「ごはんがたべられません」と言わしめた作品を視覚表現にしたら……そんな悪夢を見てみたい奇特な方へ。

新次元アセンション 1 (ジーンコミックス)
作者:渡辺瑞樹
出版社:メディアファクトリー
発売日:2012-10-27
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この中に『月刊ムー』や『MMR』、オカルトや都市伝説が好きな人にいたら私の所に来なさい! 最近、本家『MMR』も復活しておりファンとしては嬉しい所ですが、その正統派フォロワーとも言える作品が2012年の「アセンション」に際して出現。フィラデルフィア実験、ヘミシンク、バイノーラルビート、太陽フレア、磁気嵐、アクティブ・ディナイアル・システム、日月神示、クレヤボヤンス、プレコグニション、ハチソン効果、ロックフェラー、ロスチャイルドなどなど、科学とオカルト・都市伝説を上手くミックスした外連味たっぷりのストーリーは秀逸です。絵が綺麗で、Twitterやニコニコ動画などのガジェットも取り入れており、純粋に現代的なサスペンスミステリとしても面白く読めます。

仏像のまち 1 (ジーン)
作者:蒼木雅彦
出版社:メディアファクトリー
発売日:2012-07-27
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 「菩薩」と「如来」と「明王」と「天部」の違い、解りますか? そんな知っておいて損のない、仏教や仏像の様々な知識を笑いながら楽しく学べるのがこちらの4コマ漫画です。仏像に宿った魂と会話ができるようになった少年が、弥勒菩薩や愛染明王など濃い面々と日常生活を過ごす物語。少し前に「仏像これくしょん」というゲームが妄想されていましたが、今作を読んでいると仏像にかつてない愛着が実際に湧いてきます。ドS眼鏡男子な文殊菩薩から、ニコニコ可愛い十一面観世音菩薩まで、男女問わず楽しめるでしょう。『聖☆おにいさん』が好きな方にもバッチリです。

大平面の小さな罪 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
作者:岡崎 二郎
出版社:エンターブレイン
発売日:2010-06-15
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大宇宙の謎から座敷わらしまで、ハッとしてからホッとするSF短編集『アフター0』(http://honz.jp/articles/-/40190)

日本のSF短編小説の名手として星新一先生と筒井康隆先生を挙げるとするなら、 SF短編マンガの名手として手塚治虫先生と藤子・F・不二雄先生に次いで岡崎二郎先生の名前を挙げない訳にはいきません。岡崎二郎先生の作品では上記の紹介にある『アフター0』がどこから読んでも素晴らしい一話完結型の短篇集で絶対的お薦めですが、この一冊完結の短編『大平面の小さな罪』から入るのも悪くありません。この世の全ての二次元に描かれたものは平面管理委員会という存在によって管理されている、という大胆な設定をベースにしたSFアクションコメディです。SFが好きで岡崎二郎という名前を知らない方がもしいましたら、この機会に。

ストレニュアス・ライフ (ビームコミックス)
作者:丸山 薫
出版社:エンターブレイン
発売日:2011-06-15
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短篇集ですと、こちらもお薦めです。時代は現代、中世、古代、未来……場所は日本、東南アジア、ヨーロッパ、大海原、宇宙……ジャンルも日常劇から現代ファンタジー、中華系ファンタジーに西洋ファンタジー、SFと実に多岐にわたる20のお話が詰まった一冊。「おおっ」と思わされる奇想に満ちたお話から、サイレント描写で心に沁みる作品まで。イラストレーターとしても幅広く活躍している丸山薫先生の絵はとても魅力的で、男性は格好良く、女の子は可愛く、美しく。機械人形からセイレーンまでを鮮やかに描きます。

事件記者トトコ! 1巻 (ビームコミックス)
作者:丸山 薫
出版社:エンターブレイン
発売日:2013-02-15
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元気印でちょっと残念な眼鏡っコに興味がある諸兄は、丸山薫さんのこちらの長編を手に取ると幸せになれるでしょう。『怪人二十面相』+メイドロボな世界観で、新米記者のトトコがスクープを求めて奔走する物語。90年代のサンデー作品のようなお約束感が溢れる、ライトなドタバタ物語。深く考えず楽しみたい方、大正~昭和初期の雰囲気が好きな方にお薦めです。『ストレニュアス・ライフ』同様、絵は言うまでもなく魅力的で、キャラクターが生き生きしています。個人的には1巻より2巻が面白いと感じるので、2巻まとめて購入がお薦めです。

ママゴト1 (ビームコミックス)
作者:松田 洋子
出版社:エンターブレイン
発売日:2011-08-25
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ああ、ええ話じゃけぇ……(ティッシュで目と鼻を押さえながら)。親に捨てられた主人公は、預かり先の親戚からも同級生からも爪弾きにされ、大きくなると住み込みの水商売へ。ある時誰の子か判らない子を身籠り、出産。しかし、自分の愚かさから赤ん坊を死なせてしまいます。 そんなトラウマを抱える彼女が一番の友人に5歳の息子を押し付けられ、嫌々ながら一緒に生活して行くことに。自分自身が大人として未熟で、料理もできず荒れ放題の狭い部屋での貧乏暮らし。憎まれ口を叩きながら、されど確かに芽生える母性本能、育まれていく絆の温かさ。虐げられて来た弱き者たちが「まとも」を獲得しようと努力する姿が、ささやかな喜びや幸せが心に響き、涙腺を破壊していきます。タイジくん、ええこじゃけ……。全3巻ですので手も出し易いでしょう。

アイリス・ゼロ 1 (MFコミックス アライブシリーズ)
作者:蛍たかな
出版社:メディアファクトリー
発売日:2009-10-23
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ある時期から出生する99.9%の少年少女に固有の「瞳(アイリス)」と呼ばれる超能力が宿るようになった社会を舞台にした、学園異能ラブコメサスペンス。「瞳」を持たない主人公のような者は「欠落者(アイリス・ゼロ)」として差別を受ける対象に。しかし、「瞳」がないからこそ磨き上げてきた観察眼や推理力によって様々な事件で活躍を見せていきます。最初は明るい何気ない話から始まりますが、徐々にシリアスに人の闇部まで描くように。直接的な戦闘はほぼ無いのですが、能力が前提となった駆け引きのある会話は能力バトルやミステリ的な楽しみを味わえます。女の子が可愛くて萌えられますが、萌えだけではない作品。

祈りと署名 (ビームコミックス)
作者:森泉岳土
出版社:エンターブレイン
発売日:2013-11-25
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夜よる傍に (ビームコミックス)
作者:森泉岳土
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2014-06-25
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耳は忘れない (ビームコミックス)
作者:森泉岳土
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2014-07-25
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森泉岳士先生の、この水墨画のような、油絵のような、版画のような、唯一無二の不思議なタッチは、何と水×墨×爪楊枝で描いているのだと言います。細かい背景や、色の濃淡、重なりのある表現まで、その不自由な画材でこなしているのかと思うと驚嘆します。短篇集『祈りと署名』の中の「トロイエ」では人物をシルエットだけで描いており、「弟切草」や「かまいたちの夜」といったサウンドノベルを想起させます。マンガという表現方法その物に興味がある方は、長編の『夜よる傍に』、二作目の短篇集『耳は忘れない』共々、触れてみて下さい。マンガの可能性は無限です。

最後に。『乱と灰色の世界』『彼女のアーマメント』『トランスルーセント ―彼女は半透明』なども電子書籍化していればお薦めしたかったなぁ……。

乱と灰色の世界 1巻 (BEAM COMIX)
作者:入江 亜季
出版社:エンターブレイン
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トランスルーセント 1―彼女は半透明 (MFコミックス)
作者:岡本 一広
出版社:メディアファクトリー
発売日:2005-06
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