合コンの帝王・商社マンの知られざる実態とは!? 『商人道(あきんロード)』

苅田 明史2014年10月06日 印刷向け表示
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商人道(あきんロード) 3 (ビッグコミックス)
作者:細野 不二彦
出版社:小学館
発売日:2015-07-30
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商社マンはモテる。

金曜日はスナッパー&グルーパーで合コン相手の女の子にテキーラを飲ませ、土曜日は本命の彼女と代官山で買い物デート。私の周りにいる商社マンは100%そんなヤツばかりというわけではないですが、それでも結構こういう感じのヤツが多い気がします。
ラストサムライご用達の「週刊SPA!」にかぎらず、いたるところで「商社マンはモテる職業No.1」と高らかに喧伝する声をあなたもどこかで聴いたことがあるはず。

【合コン】モテる会社まとめ【彼氏/彼女に働いて欲しい】
http://matome.naver.jp/odai/2140140151243650001

安定していて、高給取りで、人に誇れるビッグビジネスを扱うことから、「商社=勝者」――そんなダジャレのような方程式もあながち間違いではないと思う今日この頃。

でもよく考えてみてください。
女性に初対面からグイグイ酒を飲ませる男なんて、きっとロクなやつじゃない。
よく見ろ。しこたま飲んだ酒と一緒に、奴らの脳みそはとっくに下半身に流れていってしまっている!

しかし女子たちはこう言うのです。
「最初は遊び相手でもいいの、だって彼はショーシャマンなんだもん♡」
ひょっとしたら駐在妻になれるかも! と今夜も商社マンとの一戦を控えた女性陣は鬨の声があがるのを待ちつつ、手鏡を片手に化粧直しにいそしむのです。

そんな女子たちの姿を目の前にしてか、就職活動を控えた男子にも商社は大人気。なんと人気就職先ランキングでは金融との二強で独占状態だそうで。

「ダイヤモンド就職先人気企業ランキング」 文系・男子

目を輝かせて「僕、卒業したら商社にいって、でっかい仕事がしたいんです♨」とか言う男子には、商社って小さな仕事も結構あるのになぁ、と商社で「ココア担当」になってしまったことを嘆く友人を横目に思うのですが・・・。
それもいいと思うんですけどね。ココア、美味しいですし。

でも、これだけ人気の職業なのに、商社っていったいどんな仕事してるのか知らない人って多いんでしょうか?
考えてみればそれもそのはずで、商社っていうのは業種じゃなくて色んなビジネスを手掛ける一種の企業形態みたいなものですし、商社マンっていうのは何か特定の仕事をする人を指すんじゃなくて、人種みたいなものなので。
ビジネスになることならなんでもやるし、だから「商社マンってこれをする仕事」とは言えないんですよね。


そんな商社マンの実態に迫るビジネスパーソン必読のマンガが登場しました!
それが先週(9月30日)に発売された、細野不二彦さんの『商人道(あきんロード)』です。どれくらい必読かといえば、自分が読むだけじゃなくて部下にも配ってあげる、もしくは会社でまとめて購入すべき!ってくらい必読です。
 

ドロドロの社内政治、魑魅魍魎うごめく中国ビジネスに立ち向かう熱血商社マン!

主人公はヒノマル物産という中堅商社で働く大佛晃人(おさらぎ あきひと)。
いまどきの商社マンには珍しい24時間働き続けるモウレツ型の彼は、あるとき上司のミスをなすりつけられ、浮かばれない閑職に追いやられそうになります。
しかしその寸前、伝説的な商社マンだった熊代常務に見出され、中国のシェールガス掘削チームに抜擢されるのです。

『商人道 1巻』(細野 不二彦、ビッグコミックス)より
「オレもヒノマル伝説! 名を残してえのさっ!!」と叫ぶ主人公。仕事するなら、こんな風に働きたい!

アツい思いを胸に中国・北京に飛んだ彼らに立ちはだかるのは、権謀術数が渦巻く中国の政治権力、そして彼らを快く思っていない社内の反対勢力や、利権を貪ろうと画策する日本人エージェントなどなど。

『ギャラリーフェイク』や『電波の城』で美術業界やテレビ業界に切り込んだ細野不二彦さんの作品だけあって、以前の暑苦しい体育会系から知的総合格闘技へと姿を変えた商社ビジネスの今と、現場で戦う人々の熱が生々しく描かれているのです。

主人公が厚い壁を一つ一つブチ破っていく様は、痛快でグイグイ引き込まれるし、勇気がもらえること間違いなしです。
思わず「今話題の“レジリエンス(折れない心)”ってこういうことだよね!」と唸らされたのは私だけではないはず。
とにかく、この現状打破スキルは多くのビジネスパーソンにとって勉強にもなるんじゃないでしょうか。
 

ナイスキャラ!「熊代常務」は最高の上司の鑑(かがみ)だ!

個人的に、このマンガの一番の魅力は主人公を自分のシェールガス掘削プロジェクトチームに大抜擢した「熊代常務」。
半沢直樹の銀行のように、ヒノマル物産でもドロドロの社内政治が繰り広げられるのですが、そのなかを生き抜き、伝説的な存在として社内外に名を馳せる人物がこの熊代常務なのです。

『商人道 1巻』(細野 不二彦、ビッグコミックス)より
細野不二彦さんの作風は徐々にデフォルメ感が強まってきている気がしますが、その名の通り、熊のようにようにデカくて頼れる男が「熊代常務」だ!

何が何でも結果を出す突破力! 部下を巻き込む人望! 土下座も辞さない潔さ!
新人サラリーマンは主人公の世渡りスキルが参考になるとおもいますが、部下を持つようになったら熊代常務のリーダーシップは非常に勉強になります。
 

果てしない『商人道(あきんロード)』はまだ始まったばかり・・・読むなら今!

ちょっと前の就活生なら、山崎豊子さんの『不毛地帯』を読んで「商社入りたいっス」とか言うのかもしれないですが、これからは「『商人道(あきんロード)』を読んで、商社を目指すことを決めました!」とか言う人とか増えるのかもしれません。

まだ1巻が発売されたばかりの『商人道(あきんロード)』ですが、これから主人公たちがどんな戦いに巻き込まれていくのか、そしてどうやって危機を乗り越えていくのか、非常に楽しみな作品です。

※細野不二彦さんの魅力は、それとなく名前が似ているマンガHONZレビュアー角野信彦がたくさん書いているので、そちらもぜひご覧ください。

『細野不二彦短篇集』
角野信彦によるレビューはこちら⇒http://honz.jp/articles/-/40728

『ヤミの乱波』
角野信彦によるレビューはこちら⇒http://honz.jp/articles/-/40407

『電波の城』
こちらは堀江貴文によるレビュー⇒http://honz.jp/articles/-/40655

商人道 1 (ビッグコミックス)
作者:細野 不二彦
出版社:小学館
発売日:2014-09-30
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ヤミの乱破(1) (KCデラックス イブニング )
作者:細野 不二彦
出版社:講談社
発売日:2005-03-30
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電波の城 23 (ビッグコミックス)
作者:細野 不二彦
出版社:小学館
発売日:2014-07-30
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細野不二彦短編集 (ビッグコミックス)
作者:細野 不二彦
出版社:小学館
発売日:2014-07-30
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