ハゲデブがモテる!?トルコにいる日本人の所持率No1マンガ『トルコで私も考えた』

佐藤 茜2014年10月08日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トルコで私も考えた (1) (ヤングユーコミックスワイド版)
作者:高橋 由佳利
出版社:集英社
発売日:1996-12
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

トルコの男性は30才になるとほとんどがハゲて太ったおじさんに変身し、奥さんやガールフレンドは「うちの人ハゲていっそう格好よくなったわ」と言うそうな。

なんて日本と違うんだろう!異国を知ることはこんなにも楽しい。
そんなことを思い出させてくれる本です。

トルコと言えば何を思い浮かべるでしょう。
トプカプ宮殿、ボスフォラス海峡、オスマン帝国など、賢明なる読者の皆様は歴史的な出来事を絡めて色々と思い浮かべられるのかもしれません。しかし、もっと身近なものーー例えばトルコの家庭料理や、簡単な挨拶、日々の服装、お祭り、乗り物、ご近所付き合いーーはあまり知られていないのではないでしょうか。実はこの日常が、とんでもなく面白いのです!

本作は、そんな隠された財宝のごとき文化が詰まった国、トルコの日常を楽しく、詳しく紹介しているエッセイ漫画。トルコ行きの飛行機の中では読んでる人が必ずいる、トルコ在住の日本人の家庭にはほぼ必ず置いてある、トルコに関わる日本人の間ではよく知られた名作です。

作者の方は元々少女誌の漫画家で、20年前に仕事が嫌になり、漫画をいっさいやめる!と決意して世界放浪の旅に…と思いつつ、最初に訪れたトルコの虜になり、現地でトルコの方と結婚、日本で出産。トルコのエッセイマンガを5冊も出すことになったとのこと(そして現在は旦那様がシェフとして神戸でトルコ料理店を開かれています)。

人一人の生き方をすっかり変えてしまう魅力あふれる国、トルコ。いったい、どんな国なのでしょうか。

まずは食から。フランス料理、中国料理と並んで世界三大美食の一つであるトルコ料理。ただ仏中に比べると明らかに店数が少ないのでメニューを知らない方も多いのではないでしょうか。

(『トルコで私も考えた 1』著:高橋由佳利(集英社文庫))

ヘルシーで美味しそうです。コンビニは早くトルコ料理をメニューに加えてください…。
出る順番としては、スープ、野菜料理か肉・魚料理(またはその両方)が出てきてピラウ(米)かマカロニが添えられているそう。ただ、ピラウはおかずの一品なのでピラウばかり食べていると「なんでパンを食べないの?」と突っ込まれるとのこと。

ちなみにトマトだけでなくナスも大事なようでこんなエピソードが…

(『トルコで私も考えた トルコ21世紀編』著:高橋由佳利(集英社文庫))

ちなみに「イマム・バユルドゥ」という、坊さんがぶっ倒れるほど美味い(「イマム」=イスラムの高僧、「バユルトゥ」=叫ぶ、気絶する)という意味の料理もあります。もう名前からして美味しそうです。

パンも忘れてはいけない!
(『トルコで私も考えた 2』著:高橋由佳利(集英社文庫))
 
太ってしまうのも納得。

次は住。でかい。5LDKで中流か…。

(『トルコで私も考えた 1』著:高橋由佳利(集英社文庫))

トルコ語の単語もかわいい。
「クズ」といわれてもびっくりしないように。そして「ババ」はBBAのことではないです。

(『トルコで私も考えた 1』著:高橋由佳利(集英社文庫))

そして家電の名前の付け方には驚愕します…


(『トルコで私も考えた トルコ21世紀編』著:高橋由佳利(集英社文庫)) 

女性のむっちりネタも投下しておきましょう。

(『トルコで私も考えた 2』著:高橋由佳利(集英社文庫))

いまの日本はほとんど不幸ということか。

トルコは貞操観念が厳しいです(イスラム圏ですしね)。
旦那様が横にいるときに奥様に話しかけてはいけないぐらいらしいのですが…

(『トルコで私も考えた トルコ21世紀編』著:高橋由佳利(集英社文庫))

線引きがよくわからん!笑

最後はちょっとまじめにトルコの宗教上の祭日で重要なもの(ちょっとページの間を省略しています)。

 

(『トルコで私も考えた 1』著:高橋由佳利(集英社文庫))

かなり引用が多くなりましたが、まだまだこんなもんじゃないです。

今回この本を取り上げるときに悩んだのがどのネタを入れるかです。だいたい4ページor8ページで1つのネタですので、5冊もあるとかなりの数(1巻の目次を見ると44ネタあった)。そして全てが驚きと笑いに包まれた極上のネタばかり…ああ、まだまだ紹介したいのに!

こんなに面白い国、とっくに2ちゃんまとめとかで出ててもいいはず…なぜ今まで知られてないのか…と思ったらトルコは広報下手なのだそう。確かにトルコ大使館のサイトの更新頻度は低く(まさかのトルコ料理のコンテンツが制作途中)、トルコ政府観光局のfacebookページのいいね!はたったの1963です(比較として在日フランス観光開発機構公式フェイスブックアカウントは約4万、マンガHONZメンバーのモリサワが所属するTokyo Otaku Modeは1600万以上(!))。

もうトルコ大使館はこのマンガを1ページずつ紹介すればいいと思うのよね…そのくらい、読めばトルコの日常に詳しくなれます(もちろん、1巻に描かれているのは数十年前のトルコの様子なので今とはギャップがあるでしょうし、作者の方も「ガイドブックじゃなくてあくまで私の感想です」と注意されています)。

海外エッセイモノはあまたあれど、目に見える違いを羅列しているだけのものも少なくありません。しかし、本作は作者の観察眼が大変鋭いことに加え、独自の主観を織り交ぜ「きっとこういうことだよね?」と問いかけてきます。その推察が実にユニーク。トルコという最高のネタを、作者のエッセイストとして替えのきかない技量で仕立て、極上のシリーズになっています。

読み始めると、やめられないとまらない。
まるでおいしい「トルコ料理のような一冊」、というのはAmazonのレビューにあった言葉。

海外に行く余裕はないけれど、ちょっと新しい体験をしたい。
知的好奇心を満たしたい。
とにかく笑いたい。

そんなことを思った方はぜひお手にとってみてください。オススメです。

おしゃべりニューヨーク 上陸編 (集英社文庫 も 32-1)
作者:MON
出版社:集英社
発売日:2013-11-15
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

こちらはニューヨークでの様子。
スラングなどが沢山掲載されているので、当時の読者は教科書の英語との違いに目を見張り、胸をときめかせながら読んだのでしょう。
 

インドな日々 (HONWARA Comics)
作者:流水 りんこ
出版社:朝日新聞出版
発売日:2007-12
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

別途紹介したいほどのカルチャーショックが詰まってます。
ガンジス川には死体が流れるのが日常風景なんだって…
エッセイマンガは絵柄を簡略化させるケースが多いですが、この作品は細部までしっかり描かれているので建物や服装の雰囲気がよくわかります。ありがたい。あと、そこまで知りたくなかったことまでわかってしまう。耐え難い(ほめてます)。
インド人の旦那様との日常を描いた『インド夫婦茶碗』もありますが、よりインドの文化にフォーカスしている本作。同じ作者の方の別作品を永田が紹介しています。

永田のレビューはこちら
なんでタロット占いは当たるの?自分で考えるためのオカルトマンガ『アナタもワタシも知らない世界』
 

インドでキャバクラ始めました(笑)(1) (ワイドKC モーニング)
作者:沼津 マリー
出版社:講談社
発売日:2014-09-22
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

こちらもインド。
試行錯誤しながらインドでキャバクラを運営している様子がマジカオスです。周りの日本人のキャラも濃すぎる。誰も薄味がいない。濃厚なカレー味がしそうな作品。
ネットでも読めます
 

中国嫁日記 一
作者:井上 純一
出版社:エンターブレイン
発売日:2011-08-12
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

日本人のオタク(当時40代)の作者が中国人の美人奥様(当時20代)と結婚した日常を描いた作品。月(ユエ)ちゃんかわいい。こんな奥様がいたら毎日幸せだろうなぁ。
こちらもネットでも読めます。
 

ダーリンは外国人 ベルリンにお引越し トニー&さおり一家の海外生活ルポ
作者:小栗 左多里
出版社:KADOKAWA/メディアファクトリー
発売日:2014-07-18
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

映画にもなったシリーズ。
久々に出た最新刊では移住先のドイツについて沢山描かれていました。
旧東ドイツ側はおしゃれな街なんですって。あと、不動産屋が基本的にないってどういうことだ。

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら

人気記事