卑怯?何それ?喰えんの??『喧嘩稼業』に見る強さの定義とは!?

小林 琢磨2014年11月14日 印刷向け表示
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喧嘩稼業(1) (ヤンマガKCスペシャル)
作者:木多 康昭
出版社:講談社
発売日:2014-04-04
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『喧嘩稼業』1巻 16Pより

 

 最強の格闘技は何か?
多種ある格闘技がルール無しで戦った時・・・
スポーツではなく・・・目突き金的ありの『喧嘩』で戦った時・・・
最強の格闘技は何か?


男なら誰しもが一度は空想する格闘技最強決定戦。

古武術、日本憲法、用心棒、忍術、ボクシング、プロレス、合気道、中国憲法、軍隊格闘、キックボクシング、空手、シラット、相撲、少林寺拳法、柔道、総合格闘技・・・

『表』と『裏』、『光』と『影』が入り交じる何でもありの戦い。

最強を決めるヴァーリ・トゥードトーナメント・・・

これで燃えなきゃ何で燃えるんだぁぁぁぁ!!
来いよ!来いよぉぉぉ!!漫画業界のジャック・ハンマーこと小林です。


卑怯?何それ?喰えんの??

『喧嘩稼業』の主人公である佐藤十兵衛は一言で言うと卑怯です。正々堂々と戦う事なんてありませんし、勝つためには手段を選びません。そしてヤクザを躊躇無く窓から突き落とす悪魔です。もうね、人間として終わってます。だがそこが良い!

なぜなら十兵衛がやっているのは「喧嘩」なんです。ルールなんてない、ただどっちが強いか決める「喧嘩」なんです。そこにはルールも道徳もありません。

「喧嘩」で勝つために事前に策を練ったり、嘘をついて相手を騙す事など当たり前、むしろそれこそが強さの本質であると豪語する十兵衛の闘いは「スポーツ格闘技」に慣れてしまった僕たちに強烈なインパクトを与えます。強さとは何か?

倫理観(モラル)が違うと言う事は「喧嘩」において圧倒的なアドバンテージなんですよ!

例えば戦国時代の武将と現代の自衛隊が戦ったらどうなると思いますか?
普通に考えたら最新式の装備を揃える自衛隊が勝つと思いますよね!

でももし実際に戦国武将と自衛隊がある日突然同じ場所に集められ、何でもありで戦ったらサクッと戦国武将が相手を斬って終わると思います。そう、戦国武将は相手を普通に刀で斬ってしまうんです。そこに倫理観はありません。人を斬る事が日常の世界の強さ。戦力差など関係ないんです。

この圧倒的な倫理感の差こそ強さの本質だと『喧嘩稼業』では定義付けています。
肉体的、技術的に優れた相手にどう勝利するか?力と技だけでなくどう勝利するか?

卑怯と言う言葉は十兵衛にとって褒め言葉なんです。

喧嘩に勝つとは己の全てを使い切ると言う事なんだぁぁぁ!!


・・・燃えるぜ

途中途中に入るギャグパート(主に島田先生の回)が面白いかどうかの議論はひとまず置いといて、『喧嘩稼業』の前身である『喧嘩商売』の時から対戦シーンの演出は燃える物があります。

無限に攻撃をし続ける事が出来る「煉獄」
一撃で相手を倒す事が出来る「金剛」
深刻なダメージも一時的に無かった事に出来る「無極」

言葉にするとありえねーよ!と思ってしまう漫画的な必殺技も前述の論理感を入り混ぜたリアルな戦い方と入り交ざって最高に燃えます。最高にカッコいいんです!
 

※実際に「煉獄」を試してみた動画がこちら


 

※作中の「煉獄」はこの3倍くらいのスピードで連続して打ち続ける技です。

 
頭をフル回転して勝利をもぎ取る姿勢に、圧倒的不利な立場からの逆転劇に、ギャグパート(主に佐藤萌の回)からは考えられない様な熱い対戦シーンの演出に痺れる憧れる!!

絶対絶命のピンチになってからが、
佐藤十兵衛はここからが強い・・・
 

『喧嘩稼業』17話より


論理感を入り交えたリアルな戦い方は是非漫画で体験してください。

特にオリンピック柔道金メダリストの金田と戦ったデスマッチは『喧嘩商売』『喧嘩稼業』の世界観を見事に表現したベストマッチです。そこで「煉獄」が来るのかよぉぉぉぉ!!
 


最後に

数ある格闘技漫画の中でも歴史に名を残す面白さの『喧嘩稼業』ですが一つだけ弱点があります。弱点と言うか作者です。主に作者の問題です。

冨樫病(サボリ癖)の末期患者である木多先生がどこまで描ききる事が出来るのか!?

陰陽トーナメントを最後まで描ききる事が出来るのか!?

不安で仕方ありません。。。

木多先生が地球の重力に負けない事を切に願うばかりですが、今一番面白い格闘技漫画は間違いなくこの『喧嘩稼業』だと思うので、トーナメントが始まる前(まだトーナメント本戦は始まっていません。)に前身の『喧嘩商売』から一気読みする事をオススメします。

読めるうちに読む!


悲しみの歴史は繰り返しますからね・・・(遠い目)
 

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作者:木多 康昭
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