小学生の頃の自分はバカだったと思い出す。『団地ともお』

岐部 淳一郎2014年12月05日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
団地ともお(1) ビッグコミックス
作者:小田 扉
出版社:小学館
発売日:2004-02-28
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub
  • ebookjapan
  • dmm.com

小学生の男の子は、バカで欲望に忠実だということを知る。 というか、再発見する。自分も、周りも、そうだったなぁーと思い出す。 こんな奴いたわ。これ身に覚えがある。……とディテールが何気にぐいぐい来る。

『団地ともお』1巻より引用
『団地ともお』1巻より引用

『団地ともお』1巻より引用
『団地ともお』1巻より引用

……いちいちしみじみする。そういえばこんなんあったなぁと。

別にこの感覚を思い出したい……と思ったからではないが、最近引っ越してとある団地に入居した(完全に私事ですが)。
住んでみて思うのは、距離が近く、とにかく人の吐息を感じやすく、生まれ育った田舎の一戸建てとも、10年暮らした都心のワンルームとも雰囲気は全く違うということ。

朝は通学・通勤の人の流れができるし、休日も近くの公園で遊んでいる子どもたち、子連れの親たちを見る。この距離感と雰囲気……文面で伝えるのは難しいが、団地ともおを読めば一発で伝わる!!という感じはある。

学校から帰ってランドセルを置いたらすぐ近くの公園で野球をする。道端でヒマをしていたら友だちから声をかけられる。近所のおじさん、おばさんがかまってくれる。町内会でカレーが振る舞われる……。

その団地一体は、地区がまるまるひとつの村のような感じで、遊歩道や公園が整備され、場所によっては車道をまたがずに幼稚園、保育園、小学校に通えるし、近くに市営のグラウンドやスポーツセンターもある。

ちなみに団地ともおの舞台もこんな感じ。地域にぐわっと集まっている。


『団地ともお』1巻より引用

 
(当時としては)最新設備を備えていて、多くの人が憧れたのだとか。当時のCMには、アメリカのテラスよろしく、知人を招いて、ベランダでスパークリングを飲む……なんてシーンがあったり。(明らかに狭いだろ!とツッコミいれたくなる映像だったりする)
当時から、40〜50年近くたっていて、「団地」と聞くと「古い」という印象だったが、最近はURが無印とコラボレーションしたり、部屋のリノベーションに積極的だったりと、団地というライフスタイルがリデザインされようとしている雰囲気がある。
 
高度経済成長期に生まれ半世紀たった団地というライフスタイルは、またその魅力を再発見されようとしているような気もする。そして、それは普遍的な人の営みの根本があるからで、団地ともおという一種レトロにも見える作品には、その根本を押さえているから共感できるのだと思う。
団地ともお(1) ビッグコミックス
作者:小田 扉
出版社:小学館
発売日:2004-02-28
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub
  • ebookjapan
  • dmm.com

▼NHKでアニメ化もされている

団地ともお (1) [DVD]
出版社:ポニーキャニオン
発売日:2013-09-18
  • Amazon
記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら

人気記事