『「働き方」の教科書 「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本』-編集者の自腹ワンコイン広告

版元の編集者の皆様2015年01月09日 印刷向け表示
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「働き方」の教科書:「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本
作者:出口治明
出版社:新潮社
発売日:2014-09-18
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HONZ読者の皆さまには「HONZ客員レビュアー」としてお馴染みのライフネット生命会長・出口治明さんによる「世代別」仕事論です。

HONZ掲載の出口さんの書評は、歴史から科学、文学まで幅広いジャンルにまたがり、それらすべてが深い教養と鋭い洞察に裏打ちされています。簡にして要を得た文章からは明晰な知性がにじみ出ていますし、出口さんがただ者でないことは皆さまもすでにお気づきのことかと思います。しかもベンチャー企業のトップとして多忙な日々を送っていながら、これだけレベルの高い書評をコンスタントにお書きになっているのです。

そんなスーパーマンのような出口さんは、これまでどのように仕事をしてきたのか。誰しも気になるところだと思います。もちろん出口さんはこれまでにも仕事に関する本を何冊か書かれています。私もそれらの著作を読んできましたし、その歯切れのいい物言いや独創的な仕事論に夢中になってきました。ただしそれらの本は、基本的にライフネット生命を起業したときの話がメインでした。今回の『「働き方」の教科書』がそれと大きく異なるのは、ライフネット生命起業前の話にも重点を置いていることです。

出口さんはどうやって就職先を選んだのか。20代のときはどんな仕事をしていたのか。初めて部下をもったときや、大きな組織を率いたときの話など、出口さんがどんなことを考えながら仕事をしてきたのかが、講義を受けているかのごとく伝わってきます。

本書の中から、出口さんらしいユニークな言葉で語られた仕事論を、いくつか要約でご紹介します。

「仕事は人生の3割」
1年間を時間で表すと8760時間になります。それに対して日本人の労働時間は約2000時間。サービス残業を加えたとしても3割弱にすぎません。この数字を見れば、人生の本質は3割の仕事(ワーク)ではなく7割の生活(ライフ)の方にあることが分かります。「仕事は人生の3割」と割り切ることが重要なのではないでしょうか。それを忘れて「仕事がすべて」だと思うと、仕事がうまくいかないだけで、人生がすべてうまくいかないと錯覚をしてしまいます。これはもちろん仕事をおろそかにしていいという話ではありません。仕事は人生の3割にすぎないのだから、失敗を恐れずに思いっきりやるべきなのです。

「仕事はスピード」
人間の能力はチョボチョボで大差がありません。世界最速のウサイン・ボルトは100メートルを9秒58で走りますが、日本の高校生も13秒くらいで走ります。その差は2倍もありません。人の能力は意外と平等なのです。仕事はスピードと能力で決まります。しかし能力にはたいした差がないので、すべてはスピードで決まります。20代のうちはとにかくスピードを意識して仕事をすることが重要です。

「部下はみんな『変な人間』である」
部下をもったときに胆に銘じなければいけないのは、自分と他人はまったく違う人間だということです。生活の面倒をすべて見ている我が子ですら自分の言うことを聞きません。まして生活の面倒を見ているわけでもない部下が自分の言うことを聞くわけがありません。人というのは、みな変な人間であり、立派でもなく、なまけものです。そんな部下をうまく働かせるのが上司の役割です。30代ではこのような視点を持つべきです。

「40代になったら得意分野を捨てる」
20代では1人でやる仕事を覚え、30代ではチームで仕事をします。そして40代になると比較的大きな組織を率いて仕事をする人も増えてきます。そのような立場に選ばれる人はプレーヤーとして優秀だった人が多いため、プレーイングマネージャーになりがちです。しかしプレーヤーとマネージャーはまったく違う仕事です。所管が広くなれば、すべてを緻密に見ることはできません。人間の能力には限界があることを知り、得意分野を捨てて、全体を「粗く」見ていくことが必要です。

「50代ほど起業に向いた年齢はない」
出口さんによると、50歳は人生の真ん中です。人は20歳前後までは親に育ててもらっているから一人前ではありません。20歳で人生が始まるとすれば、寿命の80歳までは60年。中間地点は50歳というのがその理屈です。50歳になれば会社の中での立ち位置も見えてきますし、子どもの将来もだいたい分かってきます。つまりリスク(予測不可能な費用)がコスト(予測可能な費用)になるのが50歳です。仕事のやり方を一通り覚え、リスクがコストになった50代は、実は若者よりも起業に向いた年齢と言えます。

いかがでしょうか。

一般的なビジネス書には、働く人を駆り立てるような言葉が並びますが、出口さんの仕事論にはどこかホッとするような雰囲気があります。それはおそらく出口さんが歴史や社会といった大きな視点から仕事や会社というものを見ているからだと思います。皆さんも仕事に疲れたときは、この本を読んで、自分の置かれた状況を少し遠くから見て、肩の力を抜いてみてはいかがでしょうか。

さて、最後にひとつご案内です。

この度、出口さんの『「働き方」の教科書』と、さわかみ投信の澤上篤人さんの『長期投資家の「先を読む」発想法』の刊行を記念して、紀伊國屋サザンシアターでトークショーを開催します。出口さんがライフネット生命を起業するときに澤上さん話を聞きに行ったのがお2人の出会いだそうですが、それ以来、「ウマの合う」友人としてお付き合いが続いています。

そんな2人にはいくつかの共通点があります。終戦直後に生まれたこと(澤上さんが1947年、出口さんが1948年)。金融業界で40年以上働いてきたこと。ヨーロッパの金融ビジネスを学んでいること。会社を辞めて、金融ベンチャーを立ち上げたこと。そして、何より大の「本好き」であること。

2人の読書に共通するのは、ビジネス本よりも古典を読み込んでいることです。出口さんについてはHONZ読者の皆様はご存じだと思いますが、澤上さんもマーケットの「先を読む」唯一の方法は、「人間社会の本質についてトコトン考え抜くこと」で、そのためには「古典を徹底的に読み込むのが一番」と断言しています。そんなお2人がこれからの日本の経済と日本人の生き方について語ります。ご興味のある方は、ぜひ足をお運びください。
 

◆第149回紀伊國屋サザンセミナー「投資も人生も長期で考えよう」概要
日時 2015年1月19日(月) 19:00開演(18:30開場)
会場 紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店新宿南店7F)
定員 468名 ※定員に達し次第、受付を終了させていただきます。
料金 1,000円(税込・全席指定)

■前売取扱(店頭販売)
◎キノチケットカウンター(新宿本店5階/受付時間10:00~18:30、12/31~1/3は休み)
◎紀伊國屋サザンシアター(新宿南店7階/受付時間10:00~18:30、12/30~1/3は休み)

■電話予約・お問合せ
◎03-5361-3321(紀伊國屋サザンシアター/10:00~18:30、12/30~1/3は休み)

内山 淳介 新潮社 ノンフィクション編集部
月刊誌編集部などを経て、2013年より現職。これまで担当した本は、清水潔著『殺人犯はそこにいる』、東条健一訳『決定版カーネギー 道は開ける』など。
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