もう一度落ちたい恋の落とし穴 『子供はわかってあげない』で甦る恋愛魂 【募集レビュー発表】

ゲストレビュアー2014年12月28日 印刷向け表示
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こんにちは、アラフォー漫画読みの上原梓と申します。
独身です。
パートナーもいません。
いいのです。
漫画がありますから。
全ての喜怒哀楽は漫画が与えてくれるのです。

そんな私ですから、愛だって漫画があれば補える。

例えば「君に届け」などの名作少女マンガなどから、実生活では賄うことができない「トキメキ」を、何度となく補給させて頂いてきました。

しかし…私事ですが、今年は彼氏いない歴10年となるアニバーサリーイヤーでした……
10年も枯渇。言わば大飢饉です。
さすがの風早くんスマイルでも、私の乾き切ったハートを癒しきれなくなっている。
このままだと、枯渇する!
彼氏いなさすぎで枯死する!!

と、錯乱していた私の心に、唐突に大量の潤いの補給部隊がやってきたのです。その補給部隊とは…

子供はわかってあげない(上) (モーニング KC)
作者:田島 列島
出版社:講談社
発売日:2014-09-22
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水泳部の女の子 朔田さんと、書道部の男の子 門司くんが学校の屋上で出会うので恋愛開始かと思いきや、お互い「告白したこともされたこともない つまらん人生」。そんな中、朔田さんが別れて暮らす実の父に会うべく、探偵である門司くんのお兄さん(元男)に捜索を依頼。実は、父は新興宗教団体の失踪した教祖にも関連していて…!?更に、父は他人の心の中が読めるという超能力を持っていた!

というストーリーの、いったいどこに潤い補給部隊が介在するというのか!
特に上巻までは、完全に「お父さんがとある事件に関わっているのかどうか」が主に気になるポイント。それはそれで楽しく読んでいたのですが、下巻に来て、それまでの登場人物 全員から、様々な愛が飛び出してくるのです。

それは、師が弟子を思う愛だったり、友との愛だったり、親子愛だったり、近所の子供との愛だったり。それらが少しずつ滲み出てくる。その感じはとっても心地よいものなのですが、後半で唐突に怒涛の恋愛展開に!潤い補給部隊の登場です!そこには大変にピュアで瑞々しい愛が溢れているものですから、赤面涙目で読み進めました、もうアラフォーなのに!

タイトルの元ネタであろうと思われるのは映画「大人は判ってくれない」ですが、こちらは家族の愛も学校での居場所も何も無い主人公の少年が非行に走って居場所がどこにも無くなってしまうストーリー。救いがありません。

一方の「子供はわかってあげない」の主人公・朔田さんは、もともと家族愛にも恵まれ、学校でも友情を育んでいたのに加え、実のお父さんとの愛も追加され、門司くんとの愛も追加され、と、どんどん豊かになっていく。

そんな朔田さんとつながることで、大人も救われていく。さらに、私たち読者の気持ちまでも潤っていく。作品内にたびたび出てくる「つながる」という言葉、これ、私にもつながっていると解釈させて頂いても宜しいでしょうか? っていうか、つながりたい!(キモい)

それにしても、
恋に落ちるって、実際にこんな感じで唐突だったかも…!
そして、ストーリーで語られるように、最強のカードは「好き」というシンプルな言葉なのかもしれません。

そんな純粋な気持ちを思い出さざるを得ないこの作品に出会えたことで、あんなに枯渇していた私の心もたっぷり潤い、さらには「もう一度恋愛したいかも…」という気持ちになったのでした。

とんでもなくピュアな気持ちに立ち返ることができる「子供はわかってあげない」。
2014年の締めくくりに如何でしょうか?

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レビュアー:上原 梓(テレビ番組制作/ナレーター)

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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
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