2014年に腐女子が読んだ、BL以外の恋愛マンガを紹介するよ

ひらりさ2014年12月29日 印刷向け表示
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こんにちは。ひらりさです。本日は12月29日。

自分の独断と偏見で選んだ「このBLに萌えた!」と、宙出版より発売された『このBLがやばい!』の結果を見比べて「あ、あの名作が73位だとおおお!?」などと一人で叫んでいたらあっという間に12月が過ぎ去ってしまいました。

今年読んだBLの総括は済んだのでこれで年が越せる……とか思っていましたが、そんなことはなかった、BL以外も結構いろいろ読んでいた、だがしかしオールジャンルで総括するとあまりにも量が多いし思い出せない……ということで、「もっと恋愛漫画を読みたい」にならい、恋愛マンガにしぼって7作品紹介したいと思います。ちなみに私が今年読んだだけで必ずしも今年刊行ではないのであしからず。 

はれんちかわいい、『レトルトパウチ!』

レトルトパウチ! 1 (ヤングジャンプコミックス)
作者:横槍 メンゴ
出版社:集英社
発売日:2014-11-19
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お前のっけからそれかよと言われそうですが、大好きです横槍メンゴ先生。『クズの本懐』も『君は無慈悲な夜の女王』も、みんなみんな大好きだ〜。とてもかわいい、どっちかというと少女漫画的な絵柄なのに、おばかでえろい、「はれんち」な設定をかましていらっしゃるところが最高だと思います! 『レトルトパウチ』は、金持ちの令嬢子息が集められ、「繁殖」こそが奨励されている学園に、まぎれこんでしまった童貞と処女の主人公ふたりのドタバタを描いたラブコメ。

いや、でももしかしたらこれはよしながふみ先生の『大奥』に匹敵するレベルのジェンダーSFに発展するのでは?という気もしたりしなかったり。どうなんでしょうね。「レトルトパウチ」の意味が徐々に明らかになっっていくのが楽しみです。そして個人的には、おバカビッチなめばえちゃんと、めばえちゃんのおバカにつきあってあげてるリカちゃんの百合展開を期待しています。

ファンタジーでもいいじゃない、『5時から9時まで』

5時から9時まで 1 (Cheeseフラワーコミックス)
作者:相原 実貴
出版社:小学館
発売日:2010-06-25
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「私なんて……」なアラサー女子がなぜだかイケメンたちにめちゃくちゃに愛される系アラサー恋愛マンガが多いなか、和製「SEX AND THE CITY」としての役割をまっとうし、「私にはもっといい男が!」「もっといい仕事が!」と野心ばりばりな肉食アラサー女子の生き様を見事に描いている『5時から9時まで』。

そりゃー、「お見合いで会った東大卒イケメン坊主が言い寄ってくる」「腐れ縁のテニサー同期現商社マンも実は主人公が好きだった」「っていうか英会話スクールの教え子である金持ち女装男子も自分に好意があった」みたいな展開は、それだけ見れば「おいおいファンタジーやないか」とツッコミを入れたくなる内容ではあるのですが、嫌味なく現実離れしすぎず受け入れられる絶妙なさじ加減……。なんででしょうね、出てくる女の子たちの奮闘ぶり、みっともなさぶりがきちんと描かれてるからかな。 いや、言い寄ってくる男たちが結構わがまま傍若無人だからかもしれない。

それにしても「彼氏いない歴=年齢のアラサー腐女子に、腹黒ドS金髪イケメン外国人が言い寄ってくる」ってやつは本当にファンタジーですけどね、だがそれが萌える。もはやBLみたいなもの。というわけで個人的にはアーサー×モモエカップルを推しつつ、女装のユキちゃん×寧々カップルを応援しながら読んでいます。

モテても腐女子は腐女子です、『私がモテてどうすんだ』

私がモテてどうすんだ(1) (講談社コミックス別冊フレンド)
作者:ぢゅん子
出版社:講談社
発売日:2013-10-11
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『5時から9時まで』につづき、腐女子が出てくる一作。「不器量でモテなかった根暗め腐女子が、好きなアニメキャラが死んだのがショックで激痩せした途端に4人の美男子からモテモテに! でも私と彼よりも彼らでくっついててほしい! どうしよう〜」という、ファンタジーもファンタジーすぎる内容なんですが、高校生ものということもあり、心穏やかに読めます。 主人公の花依ちゃんが本当にいい子なんですよね。太ってて全然モテなかったころも、全然ひねくれず、心優しい性格で、言い寄ってくる美男子のほうも、最初は見た目にひかれながらもだんだん中身に惹かれていったり、そもそも元々好意を持っていたりという……。

まあ、それでも可愛くならなければ物語は始まらなかったわけで、「人は見た目が9割」という残酷な事実をつきつけてくる作品ではあります(「9割は見た目だけど、1割は性格」っていうのも残酷な事実だけどね!)。

そういう意味では、BLが究極的には「男でも女でもなくお前だから好きなんだ!」を見せてくれるファンタジーであるのに対し、『私がモテてどうすんだ』が、「可愛いとか可愛くないとかじゃなく、お前だから好きなんだ!」を見せてくれる真のファンタジーになるかが、気になるところです。 作者はBLも書かれているぢゅん子先生なので、美男子たちのBL描写もきちんと腐女子のツボをついたもの。それを楽しむこともできますよ!

タイトルの意味にハラハラ、『逃げるは恥だが役に立つ』

逃げるは恥だが役に立つ(1) (KC KISS)
作者:海野 つなみ
出版社:講談社
発売日:2013-06-13
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昨年の「このマンガがすごい!」で1位をとってましたし、もはや私が今更おすすめすることもなく人口に膾炙していますが、それでもおすすめせずにはいられない!のが『逃げるは恥だが役に立つ』。派遣切りにあった主人公が、父親の部下の家のハウスキーパーで糊口をしのぐうちに、「っていうか契約結婚しません?」と提案され、「妻」のバイトをすることに……というストーリー。これもある意味『大奥』に匹敵するジェンダーSFだなあと(ry。

結婚を「契約」、妻・夫を「仕事」と考えると、とたんに業務内容を明確にする必要が生じてくるわけで、たとえばそうなると夫婦のスキンシップも内容となるはずなんだけど、この二人は本当の夫婦じゃないからそれは業務範囲外。でも自分たちでは順調なつもりでも、外野には「本当に夫婦なの?」と疑われだしたりして、「夫婦感を出すにはハグくらい必要では……」なんて協議してやってみたらお互い意識しちゃって……と、「萌える、でもそれでいいのかな? ほんとに?」のハラハラ感がたまらない。淡々としているけれどおそろしい作品ではないでしょうか。

そして、「逃げるは恥だが役に立つ」というタイトルの核心がいまだわからないのが私にはとてもこわい。たとえば、主人公が派遣切りにあったことから逃げて「妻」になっていたり、雇い主の津崎が「36年間彼女ナシの童貞」であることから逃げて「夫」になっていたりする、そのことを指しているのかもしれないけれど、きっと海野先生のことだからもっと深い意味があるんだろうなあと、二人の甘酸っぱさをかみしめながら、心の準備をしております。早く続きが読みたい!

本当にあった怖い恋愛マニュアル『カツ婚!』

カツ婚! 恋に喝!篇 (ワイドKC Kiss)
作者:米沢 りか
出版社:講談社
発売日:2012-08-10
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ここまでと一転、超現実的なマンガをご紹介。「極上女子になるための恋愛レシピコミック」というふれこみだけ見ると「キラキラスイーツ(笑)なお花畑系漫画か?」と身構えてしまいますが、戦略的なキラキラ女子が登場し、「なぜあなた(私)が男にモテないのか」をきわめて懇切丁寧にクールにシビアに説明・具体的な改善方法を提案してくれる、おそろしいマンガです。 たとえば、「男は正直この世の女の7割とはつきあえる。でもあなたがその7割にはいれていないのは、男は『こわい女』が苦手だから。この『こわい』は、単に怒りっぽいということではなく、『理屈で理解できない』ことを指すのだ」とか。明確! しかも超論理的! 

しかし明確で論理的だからといって、「きゃー、これをやればモテモテね!」とポジティブな気分になれるものではなく、「め、めんどくせええ……」と憂鬱になる可能性もかなりあるのですが(私はなった)、従来の恋愛ノウハウ本とは一線を画す内容ですので、男性の心理がわからない女性、女性の心理がわからない男性、どちらにもおすすめです(その行き着く先が「恋愛」なのかは正直よくわからないけれどね!)。

百合入門におすすめ、『ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ』

ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ (IDコミックス 百合姫コミックス)
作者:大沢 やよい
出版社:一迅社
発売日:2012-05-18
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AmazonみたらKindle版が300円でびびっている。もうこの表紙とタイトルにきゅんときたひとは早く1-Clickしてください。

表題作の「ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ」は、動画サイトで生主をしている二人の女の子の話。同じ動画投稿サイトの生主でありながら、かたやネットアイドルの「まどれーぬ」、まどれーぬに憧れて生放送を始めたものの、かたや顔を出さずに黒魔術を披露している「ブラックヤギー」。しかし実は二人が同じ高校の生徒だったことから、徐々に距離が接近していって……というお話。

もう何かネーミングセンスからしてきゅんきゅんしてしまうじゃないですか。そしてイラストもネーミングも砂糖菓子のように甘いテイストなのに、どの話も、ことなくビターな読後感が残るのがたまりません。百合をよく読む方でなくても手に取りやすい内容ではないかと思うので、「百合は気になっているけれど、どれから手をつけていいか……」という方におすすめしたい一冊です。

きれいな百合には「棘」がある、『青い花』

青い花 1巻 (F×COMICS)
作者:志村 貴子
出版社:太田出版
発売日:2005-12-15
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そして言わずもがなのこちら。もうね、なぜ2014年になるまで私はこの傑作をスルーしていたのか?とタイムマシンに乗って過去の自分たちを殴打していきたいのですが、こんな続きが気になって気になって夜も眠れなくなりそうな作品を完結してから一気読みできたというのは、それはそれでしあわせなことだったと思うので、我慢いたします。

一言で言ってしまえば「鎌倉を舞台に少女同士の恋愛と友情をえがいたハートフルストーリー」とでもなってしまうのですが、それぞれの少女は、ただ美しくかぐわしい匂いを放つだけではなく、棘もあり、その棘が相手を傷つけたり、自分を傷つけたり。きっとこの「棘」とは大人になればもっとうまく付き合えるのだろうと知っていながらも、でも今この瞬間がじれったくて悶々としている……というようなところが、本当に絶妙に描かれていて、毎巻毎巻それぞれの登場人物たちのことを心から応援したくなります。

と!く!に! もうほうぼうで誰もが言っていることでしょうが、みんなの王子的存在として描かれる杉本先輩がね、やばいですよね……彼女の恋の顛末にはもう本当、胸が苦しくなりました。あ〜〜〜杉本先輩のスピンオフGLはないんですかバンバン!!!(机をたたきながら)

彼女たちみんなのしあわせを願いながら私も日常をがんばろう、そうだ鎌倉行こう、と思った2014年だったのでした。

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