倉田真由美×堀江貴文対談 第三回 子育てで迷ったらアドラー心理学から学べ!

山中 羽衣2015年01月18日 印刷向け表示
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8月某日、都内とある中華料理店で倉田真由美さんと堀江貴文による対談が行われました。仕事や私生活などモチベーション高く活動し続けている話を聴いて、感心した様子の倉田真由美さん。子どもの話を中心に進んでいきます。

■子どもと家族観について

【倉田】 もう一回結婚してるし子どもいるし、これからは子ども作ったりとかはないのかな?

【堀江】 そうですね。そもそもなんでそんな子ども作りたいのか分からないですね。

【倉田】 そんなこと言ってましたね。

【堀江】 光通信の重田さんやスクエアエニックスの創業者の宮本さんていう人と村上ファンドの村上さんってすごく仲良しなんですよ。よく一緒に釣りにいってるみたいなんですけど。あの人達に共通するのは、子孫を繁栄させたいみたいなファミリーっぽい感じ。村上さんは子ども5,6人いるんですけど、ものすごく家族を大事にするんですよね。ほんと家族が大事みたいで12時になると日本にいるときは、「妻に怒られるから帰る。」っていって帰りますからね。だけど僕は理解が出来なくて。

【倉田】 理解できないの?なるほど。私は逆にそっちが分かんないなあ。理屈じゃなくて、自分の血を分けた人間を大事にする感覚。


【堀江】 僕はいかに長い時間人生を共にするかの方が関係性が濃いんじゃないかって思っていて。血縁を大事にするのは文化的な側面だったりするんですよ。元々華僑と呼ばれる人達は伝統的に根本的に他人を信用してなくて、自分たちが一番信用出来るのはファミリーっていう考え方なんです。血縁というのは伝統的な価値観なので。ただでも、昔は今みたいに医療が発達していなかったので乳児死亡率もすごい高かった。だから多産な社会だったんですよ。ただ一方で、不妊治療とかもなかったから、養子がすごく普通だったんですよね。それは血縁家族じゃないじゃないですか。だから、僕は血縁家族っていうのはファンタジーなんじゃないかって思っていて。

【倉田】 それは、どちらにも真実があるっていう感じがするなあ。私は、村上さんの方がよく分かる。私の場合の恋愛は、子どもを作りたいっていう恋愛だったわ。すごく好きになった人の子どもを作りたいっていうことが究極的にありましたね。

【堀江】 僕は全くなかったですね。子ども作るのって、動物の根源的な欲求じゃない。

【倉田】 なんでないんだろう?逆にそれがよく分からないわ。だって、クモなんかは自分が食べられても子孫残したいんだよ。

【堀江】 あれはセックスがしたいんじゃないですか?セックスが気持ち良く出来てるのはそういうことでしょ。だから、そこまで考えるのは思い込みだと思いますね。

【倉田】 なるほど。それは面白い視点だね。どうなんだろうなあ。

【堀江】 僕は思い込みだと思います。

【倉田】 それは昔からぶれないですか?

【堀江】 そうですね、全然ぶれないですね。だから、本当に出来ちゃった結婚だったんです。その子と別れたくなかったんで言われた通りにしたという感じでした。全く結婚に対して興味もないし。

【倉田】 そこは分かる。でも、子どもを作りたいというのが組み込まれてると思ってる。

【堀江】 昔はそれもやっぱり文化的な側面のほうが大きいと思っていて、つい100年くらい前までは「子どもができない」=「死」だったんですよね。食料が作れないから。一夫一妻制の結婚制度があったり子どもを作らなくちゃいけなかったり、社会がそういう風になってたんですよ。僕みたいな考え方ってすごく糾弾されるんですよね。「何ひどいこと言ってるの。」って言われたりします。友だちとかでも伝統的な価値観を大事にしている相手だと、酔っぱらって取っ組み合いの喧嘩になったりするんですけど。今みたいな価値観になったのって、どう考えても生きるためなんですよ。要はみんな農民だったから、9割以上の人たちが農業に従事してたんですよ。もちろんばりばり働ける時は自分一人で食べていけるのですけど、当然老化をしていくわけで。朝から晩まで日があるうちは農作物を作るための活動に従事しなくちゃいけなかったわけですよ。今とは比べ物にならないくらい重労働だったわけじゃないですか。そうなると、50歳や60歳になったら自由がきかなくなるから息子に養ってもらわない、という話になるわけじゃないですか。だからですよ。

【倉田】 でも面白いなあ。こういう自分と全然違う話を聞くと物の考え方本当に人それぞれっていうのがね、やっぱり面白いなと思います。たまたま子どもが出来たけど、ほんとに子どもを作りたいという気持ちはないんだろうなあと思いますし。

【堀江】 子どもは、そうかもしれないですね。ただ、別に全然必要ないって言ってるわけではないんですよ。ただ別に強く欲しいなあとは思わない。よくドラマとかの出産シーンで「おお、よく産まれてくれた!」って涙を流すお父さんのシーンとかあるじゃないですか。僕もそうなるのかな?って思って子どもが産まれる時に病院に行ってみたんですけどなんなかったんですよね。

【倉田】 どんなだったの?

【堀江】 「あ、産まれたね、はい。」みたいな感じでした。だからそういうのないんだなあと思って。しかも、子育てって大変じゃないですか。他に何もはまれることがなかったら、子育てもそれなりに楽しいと思いますよ。よく「子育ては楽しい。」みたいなイクメンの話があるじゃないですか。理解できないですよ。

【倉田】 まあ、子育てって楽しいもんですけどね。


■子育てで迷ったらアドラー心理学から学べ!

【倉田】 そっか。一つ思い当たることがあるの。それはね、私の人生の主人公は今、子どもなんですよね。子どもが主役で私は黒子。だから、自分の喜びっていうのがよく分からなくなってくるんですよね。

【堀江】 そんな楽しいんですか?

【倉田】 楽しいっていうより、子どものことが好きなんですよね。今、上が14歳で下はまだ四歳なんです。特に小さい子の場合、親が子どもの人生を決めていくから本当に黒子になってくる。つまり、子どもをここの幼稚園いれようとか決めていくんだけど、主役は彼女になってくる。だから、やぱり人生の主役じゃなくなってしまったと感じて。だから、よく分からなくなったんだよね。私、30歳くらいの時に堀江さんみたいな人と話しとけばよかったなあ。自分が人生の主役だった時に。

【堀江】 倉田さんは真面目なんだと思います。『嫌われる勇気』って読みました?心理学者のアドラーの考えについて書かれている本なんですけど、のあれって子育てについても書かれている本なんです。元々、日本であまり知られてなかった時に岸見先生っていう大学の教授がいて、子育ての時にお友達の心理学者からアドラーをすすめられたのがきっかけで研究を始めたらしいんですよ。

【倉田】 そんなに古いんだ!

【堀江】 そう。実はフロイトと交流あって、フロイトは「俺の弟子だ。」って言ってるんですけど、違うらしいです。フロイトは原因論みたいな感じで、物事にはすべて原因と結果があるという考え方なんですけど、アドラーはその考え方を全部否定するんですよ。例えば、傍から見て破滅的な動きをしてる人がいるとして、フロイトは破滅的な動きをする原因を探す。一方で、アドラーが同じ人に対して、その人は本当にそういう風になりたいからだ、という考え方なんです。要は、モテない男がいるとする。だからモテない人っていうのは、モテたいと言いながら実はモテたくないからそうなってるんだ、という考え方なんです。

【倉田】 つまり人間はみんな、なりたい自分になってるということ?

【堀江】 そう。

【倉田】 今聞くと耳が痛いんだよね。

【堀江】 自分はこういう風になりたくてなってる、というわけです。

【倉田】 はあ、興味深いね。堀江さんの周りには世の中に大成してる人がたくさんいるじゃない?そういう人達ってみんな堀江さんみたいなの?やりたいことをやって、気付いたらここにいた、みたいな感じの人達。

【堀江】 あんまり人の人生に興味ないんで、分かんないですね。別に人の事は研究したくないので。まあ、アドラーも他人の心の中は分からないね、って考えているそうです。だから、この人にこれだけ与えたから戻ってくるだろう、っていうのは間違いだから返ってこない前提で与えて信頼する、感じです。だから、ほとんどの人が信頼関係はギブアンドテイクで成立すると思ってるけどそうじゃなくて、相手から返ってくるかもしれないけどそれは相手次第なんで、自分は他人に対して与えることしか出来ない。相手の心はコントロールできないことが前提だよねっていうことを言ってる。

【倉田】 そういう本なんだ。

【堀江】 そうです。だから子育ても同じで、叱ってもいけないし誉めてももいけない。昔は叱って育ててたのが、最近になって叱らない子育てがもてはやされてるけど。結局のところパブロフの犬じゃないけど、誉めることによって子どもは誉められるベクトルでしか動かなくなる。だから本当は叱らずに誉めずに冷静に分析していくのが良いんです。

【倉田】 へえ、そういうこと書いてるんだね。タイトルがすごくキャッチーだから、これは売れるわと思った。

【堀江】 だけど、岸見先生は結構前からアドラーに関する本は出してたんですよ。多分、タイトル勝ちもあるんだろうけどたぶん時期がよくて。あの本に書かれてることって、僕の考えとほぼ一緒なんですよ。何でかっていうと、『ゼロ』を構成担当の古賀さんという方が『嫌われる勇気』を書いてるんですよ。30代ノンフィクションのライターの中では、日本トップクラスだと思うんです。本当に書き手に憑依しちゃう感じで、『ゼロ』の構成をしている時は毎日僕の夢見てるって言ってました。僕の描いた本全部読んで付箋貼って、僕になりきってました。彼が、僕の本をやる直前に岸見さんのアドラーに関する本に出会ったそうで、「よし、これは書きたい。」て言って『嫌われる勇気』を書き出してた。丁度その頃、僕と出会って僕の本を書き出したんだけど、そこですぐにこれは完全に考え方一緒だってなって気付いたそうです。僕は独自にその考え方に辿り着いたんですけど、100年前のアドラーさんの考え方をなぞってただけだった。そういう本ですごく良い本なんですよ。ただ、これはみんな実践出来ないって言いますね。ほとんどの人間は他人にどう思われてるかがすごく気になるし、悩みのすべては人間関係に帰結するっていうね。実際他人は自分が思ってるほど自分のこと見てない。

■幼少期のケンカはトラウマになりやすい?

【倉田】 そうね。他人は何もしてくれるわけじゃないし。堀江さんでも気になるの?

【堀江】 気になりますよ。特に、女性関係は一番最後まで囚われた考え方から抜け出せなかったというか。

【倉田】 どう考えてるかわからないという感じだったのかしら?

【堀江】 ちょっと違いますね。どちらかというと自分がモテないと思ってたんですよ。割といくつかの体験が元になっていて、小学校の頃に友達と喧嘩になっていて、「お前みたいなブサイクと俺は違うんだ。」と友達が言うわけですよ。

【倉田】 そうなの?全然ブサイクじゃないのにね。

【堀江】 だからそれは今考えると単なる捨て台詞なんですよ。

【倉田】 当時、真に受けてたってこと?

【堀江】 割と最近まで真に受けてたんですよね。だから、言った方は何の気なしに言ってるんですけど、いじめられたほうは一生いじめをひきずるでしょう。でも、いじめた側って全然覚えてないんですよ。

【倉田】 あとは男子校だったから、リアルな女性の距離感を体感できなかったのもあるのかもね。

【堀江】 大学生になって、男子と女子が一緒のクラスになるわけじゃないですか。女子と目を合わせて会話出来なかったんですよ。堀江くん一緒に帰ろうよって言われた時も、なんで僕と帰れるの?新興宗教に勧誘してきてるのって疑ってしまうんですよね。まあ、当時はキャンパス内にオウム真理教とかいたんで、キャンパス内で可愛い子が上目遣いに話しかけてくるから、なんなんだ?って感じだったんですよ。

【倉田】 東大とかは勧誘の人いそうだね

【堀江】 いましたね。僕の友達の猛者は道場行って、自分を保ちながら帰ったりしてました。そういうやつ多かったですね。

【倉田】 でも、そっか。堀江さんもそういうところで悩むことがあるんだね。

【堀江】 結局、小学校の時に言われたことを最後までひきずったんですけど、最近捨て台詞て言ったって分かったんです。

【倉田】 でもそういうのがあってよかったね。だから複雑な人間性になったのかもしれないし。

【堀江】 まぁ、だから僕はそんな風に人間関係で悩まないんですよ。

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