少年期の性の暴走、元少年A「酒鬼薔薇聖斗」との共通点とは『水色の部屋』

堀江 貴文2015年06月15日 印刷向け表示
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水色の部屋<上>
作者:ゴトウ ユキコ
出版社:太田出版
発売日:2014-12-04
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若くて綺麗なお母さんがいる童貞少年というシチュエーション。主人公はそのお母さんがDVを受け、そしてレイプされるのをみて欲情している歪んだ性の持ち主だ。正直いって世の中の童貞男子なんてものはそういう歪んだ性の持ち主であることがほとんどだ。もちろん、ソッチのほうが普通なのかもしれない。だけど、それを正面切って吐露するものなど居るわけがない。そもそも若くて綺麗なお母さんなんてのがほとんど存在しない。そういうシチュエーションになりようがないのだ。

ゴトウユキコ『水色の部屋(上)』P28-29より

そして主人公には仲良しの幼馴染で、割りと美人の同級生がいる。男子校に通っていた私にしてみればさらに羨ましい環境だ。しかしこの童貞の主人公はそんな幼馴染の好意にも気づかず、いや気づいているのかもしれないが、美人の若いお母さんのことが気になって仕方がない。そんな彼はあまり話したこともない、実は鬼畜の同級生にその幼馴染を紹介してしまう。彼は鬼畜だったために幼馴染は蹂躙されてしまうのだ。さらにその彼の性欲は止まらない。イケメンで性欲旺盛な思春期の若者が暴走しだすと止まらない。

彼の魔の手は主人公のお母さんにも向かってしまうのである。しかし主人公の歪んだ性欲はそれを止めようともせず、むしろ嫌だとは思いつつ、鬼畜が彼のお母さんを蹂躙する事を望んでいるかのような振る舞いをしてしまうのである。ゆがんでいる。それは若さゆえの歪みなのか、それとも大人になってからも持ってしまう種類のものなのだろうか。上下巻からなるこの作品はそれに対する回答も用意していていると思う。

ゴトウユキコ『水色の部屋(上)』P49より

最近話題となった元少年A「酒鬼薔薇聖斗」が自身の告白本「絶歌」を出版したが、彼は結婚して子供もいるという。あのような猟奇殺人犯と同じレベルではないとはいえ、少年期の暴走というのはもしかしたら、ホルモンバランスも整っていない少年だからこそ犯してしまう犯罪なのかもしれない。

ゴトウユキコ『水色の部屋(上)』P104より

そういう意味でも鬼畜な少年や、この主人公のその後に少しだけ触れらてているが人間というものは大人になって少しは落ち着くというのはあるのかもしれないなあ、と感じるのである。 

水色の部屋<下>
作者:ゴトウ ユキコ
出版社:太田出版
発売日:2015-04-15
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