なめてかかると死ぬ職場!出版業界のあらたな参考書『新刊、刷り上りました!』

大西 隆幸2015年09月08日 印刷向け表示
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唐突ですが、お仕事をテーマにした小説・マンガが好きです。小説だとドラマにもなった『ランチのアッコちゃん』や『校閲ガール』、マンガだと『重版出来』が好みです。とりわけ、出版社や書店などを舞台にしたマンガに心惹かれることが多くあります。

人が経験できる仕事なんて限られていますが、お仕事をテーマにした小説・マンガは、自分が経験できない仕事について深く知ることができるので、他人の人生を生きているようで、とても興味深く読むことができます。

今回紹介するマンガは、日課にしているブクログの新刊ランキングをウオッチしていて見つけた「お仕事テーマ」ものです。

新刊、刷り上がりました!1 (B's-LOG COMICS)
作者:藤峰式
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2015-08-31
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  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
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『新刊、刷り上がりました!』の主人公、子撫川は、子供の頃の社会見学で、印刷所の社員から「でき上がった本を一番最初に読めるのはうれしいですね、お仕事のまえにひとりのファンでもありますから」という言葉を聞きます。その印刷所の社員の言葉に心を打たれ、印刷所で働きたいと思います。それから数年後に兎心印刷の営業として働き出すのです。

そして新人にして憧れだったマンガ誌「月刊ジェンガ」の担当となります。しかしこの雑誌、〆切破りの作家が多く、やばい編集部だったのです。



連載誌を作るには、マンガ家さんがもっとも大変です。もちろんそれは大前提として、この作品では雑誌を作る裏方の人たちが、原稿を獲得するまでがどんなに大変かを描いています。そんな修羅場を見ていると、自分が本の編集をしていたときに、印刷所に待ってもらったことなどを思い出して、胃がキュウキュウしちゃいます。。。1冊の本が出来上がるまでには、著者や編集者以外にもたくさんの人の手が加わっています。この作品は、そうした事実を思い出させてくれて、印刷のひとつひとつの工程で大変な手間がかかっていることが身にしみるマンガです。

1巻では、マンガ雑誌の進行やコミックの表紙の印刷、そしてグラビアなどの写真修正などのテーマが扱われています。出版業界のお仕事マンガとしての金字塔(と僕は思っています)である、『重版出来』が編集という工程を扱っているのに対して、この作品は印刷という工程を扱った、新しい出版業界お仕事マンガの金字塔として注目していい作品ではないでしょうか。

新刊、刷り上がりました!1 (B's-LOG COMICS)
作者:藤峰式
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2015-08-31
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