マンガHONZ週刊ランキングベスト10 今週一番読まれた記事は!? 【2015年9月27日(日)-10月3日(土)】

佐藤 樹里2015年10月04日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

驚くくらい引き込まれる文章というものがあります。読んでいる時の五感が研ぎ澄まされて、耳があまり聞こえなくなって、文字を追いかける目と文だけがその場に存在しているような経験、ありませんか。今週、ライター森さんが書いてくださった『K2』の文章がそれでした。サイエンスやテクノロジーの文章を専門に書いてらっしゃるそうで、冒頭から人工知能と外部記憶装置の話でぐぐーっと引きこまれました。それでは今週のランキングです。

ランキング10位~1位

10位:紙コミックと電子書籍のどちらがよく売れたのか!?『売れたマンガランキング8月』

8月の集計データを元に、レビュアーの記事を通して買われたマンガを10タイトル紹介します。マンガHONZを通してコミック版が売れたのか、電子書籍版 が売れたのか、タイトルによって圧倒的に電子書籍が売れたもの、既刊1巻のみでよく売れたもの、コミック版のみのために在庫が足らず、注文出荷待ち状態の ものもありました。果たして8月に一番売れたマンガは何なのか!?

8月のレビューを通して売れたマンガを集計して発表したこちらの記事。タイトルによって、コミック版と電子書籍どちらが売れたのかわかるようになっています。

未来の医療を実現しようとするのが「細胞シート」だ。患者自身の細胞を培養し、シート状に加工し、問題のある臓器に貼り付け、回復させるという未来 の「再生医療」だ。医学にエンジニアリング、つまり工学的なテクノロジーを持ち込んだ「細胞シート工学」は、日本発・世界初の再生医療技術。第一人者であ る東京女子医科大学の岡野光夫教授・副学長の「温度応答性培養皿」を基盤研究としている。

ライター森さんのレビュー。サイエンス・テクノロジーの分野を主に得意とする森さんが選んだのは、マンガ『K2』。週刊少年マガジンで連載されていた『スーパードクターK』シリーズの続編です。現在もイブニングで連載中の『K2』17巻から抜粋した『細胞シート』の話が面白く、読むだけで知識がつくレビューは必見です。

K2(17) (イブニングKC)
作者:真船 一雄
出版社:講談社
発売日:2012-06-22
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

8位:婚活で血みどろになった女子へのアンサーソング『ヒモザイル』の半分は優しさでできている。

少女漫画家、東村アキコ先生がダメ男たちを招集。少女漫画を描くに当たって培った「女子のツボをつく行動」の全てをダメ男に叩き込み、立派なヒモ「ヒモザ イル」へと育て上げて、稼ぎのよいアラサー女性とカップリングを成立させようという壮大な実録ルポマンガ。まずは東村のアシスタントをヒモザイルとすべ く、改造計画が始まる…

なんと今週は『ヒモザイル』に関するレビューが2本ありました。こちらはレビュアー上原さんによる女性視点のレビュー。

『タラレバ』で焼け爛れた独身女性の傷を放置せずに、そっと傷口をヒモザイルで縛り上げて応急処置してくれるなんて、東村先生はむしろ優しいじゃないですか!

東村先生はちゃんと世の中の需要を見抜いていらっしゃって、すごすぎます。

月刊モーニング・ツー 2015年10月号 [2015年8月発売] [雑誌]
作者:朔ユキ蔵
出版社:講談社
発売日:2015-08-22
  • Amazon Kindle

7位:赤松健さんのマンガ図書館Zが、将来的に大変なことになると思う件

赤松健さんの「マンガ図書館Z」が、ベールに包まれていた新仕様とビジネスモデルを公開しました。

良い意味での「大変なことになる」というタイトルのこちらの記事。レビュアー菊池さんのブログから転載していただきました。市場規模の試算、データ分析や業界分析を得意としていらっしゃるので、ぜひブログも覗いてみてください。

UQ HOLDER!(8) (講談社コミックス)
作者:赤松 健
出版社:講談社
発売日:2015-09-17
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

6位:下には下がいる!『稲中』の作者が贈る、怒涛のダメ人間劇場『グリーンヒル』

怒涛のようにダメ人間が出てきます。というか、真面目な人のほうが登場率が少ない稀有な漫画。主人公である、将来の目的がない超ダラダラ大学生・関口が、スラっとした涼やかな美人に一目惚れし、その娘が入っているバイクチーム“グリーンヒル”のリーダーに会いに行き、加入するところから物語は始まります。そこで初登場するリーダーが、相当強烈なダメ人間。32歳独身ニート(ハゲ)の彼の登場シーンをみてもらえば、どれくらいくだらないか分かると思います。
前回『いちご100%』で懐かしさのミラクルヒットを飛ばしたレビュアー佐伯さんのレビュー。古谷実さんの『グリーンヒル』を推薦です。いま自分がダメ人間だと自覚している人へ向けた「もっと下を見ようよ」というレビューです。今回は6位にランクイン!

グリーンヒル(1) (講談社漫画文庫)
作者:古谷 実
出版社:講談社
発売日:2012-09-12
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

5位:それでも私たちは「脇役」にすぎない。『女子BL』の絶望と希望

「え、BLって男同士の恋愛を描くやつでしょ? どういうこと?」と思う方も多いでしょうが、 つまりこのアンソロジーは「男同士の恋愛ですすむBL世界に女子たちの視点が投入されたら」 という観点で描かれた作品をまとめたものなのです。

レビュアーひらりささんは作品にBL要素を見つける天才。今回は愛してやまないBLの中でも、女性視点のBLの作品集を薦めてくださるあたり、BL世界へいざなう愛を感じずにはいられません。

女子BL (シトロンアンソロジー)
作者:秀良子
出版社:リブレ出版
発売日:2015-09-28
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

4位:"ニコニコカドカワフェア2015"中に買っておきたいお薦めマンガ集

 10月1日から10月31日までの間、「ニコニコカドカワ祭り2015」が行われ、カドカワ系作品の電子書籍が大変お買い得となっています。これを機に、読んで頂きたいオススメのマンガの数々を、ジャンル問わず幅広く紹介したいと思います。 

作品の割引率が50%どころではないセールが開催中です。そこでレビュアー兎来さんが今買うべき作品をまとめてくださりました。秋の読書はマンガですね。今年度注目のダンジョン飯も1巻の電子書籍が208円で購入できます。

ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)
作者:九井 諒子
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2015-01-15
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

3位:デモで世界は変えられたかい?こんなサークル活動のような革命ごっこで『アンラッキーヤングメン』

事件レビュアー角野さんのレビュー。昭和を生きて見た人と、それ以降の人とではとらえ方が異なるだろうと思うマンガです。文章が秀逸なので、私の言葉で余計に飾らず引用します。

日本では、1949年に優生保護法が改正されるまで、経済的な理由での中絶は法律で禁止されていた。そうした状況で戦場から復員する男性が増え1947年からの3年間で約806万人が生まれることになった。それが団塊の世代である。1947年の人口は7,800万人だったので、わずか3年で10%以上人口 が増えたことになる。70年の日米安全保障条約の改定に反対する運動は、こうした団塊の世代の大学生を中心として、1968年から盛り上がりをみせるようになる。
現実に起こった新左翼運動や3億円事件、連続射殺魔事件をストーリーに組み込み、それに関わった実在する人物たちの社会的なイメージを引用する。そこに「大逆事件」などを起こしたテロリストにシンパシーをもった石川啄木の短歌を「代入」する。
言葉は人が、人の意思を理解するために発明されたものであるにもかかわらず、言葉のせいで却って意思疎通が出来ない事態ばかりが出現する。そして、「同じ言葉」を使う仲間たちとだけ意思疎通をするようになり、社会は細分化され、絶望的なまでに各グループの対立は深まっていく。
アンラッキーヤングメン 1 (単行本コミックス)
作者:大塚 英志
出版社:角川書店
発売日:2007-07-26
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

2位:男と女の友情は成り立って欲しいですか?『イエスタデイをうたって』と『3月のライオン』のケーススタディ

「男と女の友情は、果たして成り立つのだろうか。」
永遠のテーマのようにも思えるこの問題ですが、皆さんはどう考えるのでしょうか?先日『イエスタデイをうたって』を読んでいたら、その答えが、なんとなく見えてくる気がしました。なにせこの漫画、冒頭の問いに対するケーススタディにあふれた、教科書のよう。

異性として意識してしまった時、友達のままが正解なのか、次に進んでもいいものか・・・。ましてや本人に相談もできない際どい悩みをレビューに落としこんだのは東海林さん。今週2位にランクイン!『イエスタデイをうたって』は本当に参考になりました。

イエスタデイをうたって (Vol.1) (ヤングジャンプ・コミックスBJ)
作者:冬目 景
出版社:集英社
発売日:1999-03
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

1位:金ない仕事ないモテないダサい彼女いない、でも夢はある(ここ重要)そんな男の需要と供給『ヒモザイル』

いわゆるダメっぽい草食系男子の将来を、作者が「勝手に案じて」ヒモザイルと命名したプロジェクトを実行する実録漫画である。連載中の『東京タラレバ娘』の裏番組みたいなノリだ。炎上している理由はその設定にある。前提が「昭和的」なのである。ちなみにこんな感じで炎上がまとめられてる。

今週2本投稿された『ヒモザイル』レビュー。堀江さんのレビューが一番読まれた結果となりました。ヒモザイルは1話目がモーニングtwoで掲載されてから数週間後、ネットで炎上する自体になったのですが、それだけ注目度が高いプロジェクトだといえます。

いまはコチラから読めます

ヒモザイル
作者:東村アキコ
出版社:講談社
発売日:2015-09-19

夏場に旅行に行かなかったので、シルバーウィークも過ぎた週末に軽井沢に行ってきました。雨が半分ちらつくような天気で気温は低く、泊まらせていただいた北軽井沢はまるで冬のようでした。軽井沢に行ったというと「星のやに泊まったの?」と3人ほどにきかれました。「は~!軽井沢といえば星のやなんですね。」と思いながら、自分の話はそこそこに、人の軽井沢話を聞くのが面白かったです。軽井沢の寒さに危機感を覚えて、戻ってすぐにニットを買い込んできたのですが、秋晴れの天気が続いて暑い。と思ったら爆弾低気圧が来て嵐になってびっくりしましたね。カラッと晴れて気持ちいい天気があと2週間くらいつづくといいなぁと思っています。体調管理にお気をつけください。今週も最後までお読みいただきありがとうございました。

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら

人気記事