タモリとチバラキ県民は絶対に許さない!!『埼玉最強伝説』 風が語りかけます。うまい、うますぎる。十万石まんじゅう。

角野 信彦2015年10月05日 印刷向け表示
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埼玉最強伝説 (SAKURA・MOOK 43)
作者:犬木 加奈子
出版社:笠倉出版社
発売日:2015-09-04
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私は埼玉県出身です。埼玉県出身者は、1980年代にタモリさんが「ダサイタマ」発言をして以来、埼玉であることをおおっぴらに言えない、まるで、『逃亡者』のリチャード・キンブル医師のように生きてきました。

飲みに行くときは池袋(実は東京)、プールは川越水上公園、国宝は稲荷山鉄剣、川下りは長瀞、洋服はしまむら、家具は島忠、ラーメンは日高屋、ネギは深谷、アイスはガリガリ君、おみやげは十万石まんじゅうと決めているのに、誰にも話ができないつらさがあります。

埼玉県の有名企業や名産品は、実は全国区になっているものが多いのです。なので、「埼玉県ならガリガリくんだよ」や、「やっぱり洋服ならしまむらだよね」などと県自慢ができません。その一番の被害者なのが、読売テレビ系列「カミングアウトバラエティ!! 秘密のケンミンSHOW」に出演しているときの土田晃之さん(太田プロ)です。Wikipedia によれば、彼は小学2年生から埼玉県の大宮市に住んでいる、埼玉県人です。

ところが、土田晃之さんに悲劇が襲います。埼玉には「なにもない」、正確に言うと、「秘密のものは何もない」のです。日高屋のラーメンも、草加煎餅も、ガリガリ君も全国区で、秘密のおもしろグルメなど何もないのです。我が埼玉県の芸人、土田晃之さんは、ケンミンSHOW で苦戦を強いられることになります。

その結果、土田さんは、郷土の美味いものを紹介する芸能人たちを横目に、どれだけ速く試食を完食するかに命をかけることになります。完食芸人となるしかなかったのです。都会の片隅で、埼玉県出身者の悲しさ、つらさ、病めるmy mind を見ることになってしまったのです。埼玉県出身者にとって、ケンミンSHOWはそんな番組なのです。

 見よ「完食芸人」土田晃之の勇姿(画像は17:30あたりから)

まえおきが長くなりましたが、本日紹介するのは、埼玉県民のルサンチマンを激しく揺さぶる『埼玉最強伝説』です。冒頭にいいいましたが、埼玉県民はタモさんの「ダサイタマ」発言以来、それに悪乗りしてきたチバラキ県民や、はなっから相手にしてくれない神奈川県民、東京都民にルサンチマンをもつ者たちです。

埼玉県の鉄道がほとんど東西に走らず、池袋・新宿に向かう路線ばかりが発達したことによって、通勤通学に使っている路線別に違う民族とも言える隔絶した関係があります。高校野球も、埼京線沿線に住む県民は浦和学院を、東武東上線沿線の県民は、実は成増にある帝京高校にシンパシーを感じているという、アンビバレントな関係なのです。

犬木加奈子『埼玉最強伝説』

また、埼玉県の女性といえば、総務省調べで、日本一胸のサイズが小さいことで知られています。原因は、長い通勤時間を無理なくこなすため、日本一とも言われる埼京線の混雑のなかで戦うための準備として、そうなっているということです。

犬木加奈子『埼玉最強伝説』

それになんといっても許せないのは、埼玉県民にとっての永遠のライバル、千葉県民です。彼らは「東京ディズニーランド」ができたとたんに、オシャレ感で勝負しようとしてきました。なんにでも「千葉」ではなく、「東京」とつけて、上から威圧してくるところが千葉県の恐ろしいところです。西船橋のららぽーとが、東京ベイと言われ、新しいショッピングモールができたと思った私が浅はかでした。

犬木加奈子『埼玉最強伝説』

しかし、東京に住んでいる人のほとんどは地方出身者だということを埼玉県民は知っています。あなたが「ダサイタマ」を連発すると、埼玉県民はこんなことを妄想していることをお知らせしておきます。ご注意ください・・・・。

 犬木加奈子『埼玉最強伝説』

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