ライフハックに疲れた少年たちへの応援歌『MAJOR 2nd』 超ベテラン作家の、一周まわって最先端の少年漫画だ!

浅田 貴典2015年10月08日 印刷向け表示
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初めまして、集英社ジャンプ jBOOKS編集長の浅田貴典です。20年間漫画編集をやっておりましたが、うっかり管理職になり「○○さん!この漫画おもしれーですよおおおおお!」というリビドーの発散が出来ず困っておりました。そんな状況の時に、ここで漫画レビューを書かせていただけるということに。ありがとうございます!

さて、今回オススメしたいのは満田拓也先生の『MAJOR 2nd』です。

MAJOR 2nd(メジャーセカンド) 1 (少年サンデーコミックス)
作者:満田 拓也
出版社:小学館
発売日:2015-06-12
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  • 紀伊國屋書店
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前作『MAJOR』は全78巻、累計発行部数4000万部超の傑作漫画。天才野球少年・茂野吾郎が、リトルリーグ選手から大リーグ選手になるまでを描く、一代記です。吾郎は常に野球一筋で、真っ直ぐな熱血漢。才能溢れ自己中心的なところもあるけど仲間思いの快男児、THE☆主人公なのです。
それに比べて、その息子である茂野大吾くん12歳は「どうせ俺なんて」「無理に決まってるだろ」「親父とは違うんだ」とネガティブもじもじ全開、才能もあまり無い、THE☆凡人。
↓ほら、こんなに後ろ姿が可哀想。

連載開始時は「うーん、丁寧な肩入れ系主人公で、僕は好きなんだけど「健太やります!」からの満田先生ファンだから、贔屓目も入ってるだろうなあ。『BUYUDEN』で離れたファンも居るだろうし、連載は続くとは思うけど、前作ほど跳ねるかなあ…」というのが正直な感想でした。

ところが単行本2巻で、累計100万部という大ヒット。ここまで支持をうけるということは、浅田が気づいてない何かがあるはずだ、どこだ? 分析しろ考えろ……。

…あれ、この主人公、凄く今の少年の気持ちを掬えてるんじゃないか…?

主人公の大悟くんは、野球が好きでちゃんと努力もして、けれども結果が出ない。だからこそ「野球をやらない理由」を探してしまう。そこが現在の少年読者に刺さる。

努力が報われないことが怖い。うまくやれないことが怖い…。

そんな大悟の気持ちに対して、大悟の姉ちゃんが言います。

いまの少年は、昔に比べて、入ってくる情報が多いです。スポーツの世界では、清宮幸太郎選手やオコエ瑠偉選手など、才能があり、幼少時から環境が整った人たちがスターとなっています。普通の自分がスポーツでヒーローになるのに、リアリティを感じられない少年読者も多いでしょう。
だからこそ、自分と同じような恐れを持っている大悟に対して、共感し、応援したくなるのではないでしょうか。考えすぎるな、好きだけでいいんだ、うまくやれなくても恥じる必要はない、まずは踏み込もう…!

この作品はライフハックに疲れた少年たちへの応援歌。超ベテラン作家の、一周まわって最先端の少年漫画だと思うのです。

前作『MAJOR』を読んでいなくても、十分に楽しめます。ぜひ読んでください!

MAJOR 2nd(メジャーセカンド) 2 (少年サンデーコミックス)
作者:満田 拓也
出版社:小学館
発売日:2015-09-18
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 <プチおすすめキャラエンタメ>
TVアニメ「鉄血のオルフェンズ」は期待大です。 (15年10月4日現在)

 

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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
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