マンガHONZ週刊ランキングベスト10 今週一番読まれた記事は!?
【2015年10月11日(日)-10月17日(土)】

佐藤 樹里2015年10月18日 印刷向け表示
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今週はレビュー本数が多く、14本のレビューをお届けすることができました。連載とランキングを含めると18本もの記事更新となりました。SNSを通じてレビューの感想をお寄せいただくことも多く、嬉しい限りです。さて、14本のレビューから勝ち抜いた今週最も読まれた記事は何なのか!?今週のランキングです!

10位~1位

10位:頭の悪い文系どもは数学の美しさ・完璧さに恐れおののきひれ伏すがいい!!!『浜村渚の計算ノート』

『浜村渚の計算ノート』先週2位のレビューが週をまたいでPVを取り、10位にランクイン。上から目線のレビューもらたまりません。世界観の設定がトンデモ設定ではあるものの、エンターテイメント性十分な作品ですね。

そもそもがトンデモ設定

世界観としては、数学が義務教育から消えた世界です。ただ、その理由が・・・ある心理学者が少年犯罪の増加⇒義務教育が原因⇒理系科目は「物事を数値化し・・(中略)・・心を尊重し他人を慈しむ人間性を否定しうる」⇒数学減らそう
浜村渚の計算ノート(1) (シリウスKC)
作者:モトエ 恵介
出版社:講談社
発売日:2013-11-08
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9位:私が死んで同情されるのは 死ぬしかなかった私じゃなくて 娘を亡くした両親だから『誰も懲りない』

宮崎さんのレビュー、『誰も懲りない』は家族をテーマにした物語。他人から羨ましがられる自慢の両親は、実は「毒親」でした。

『誰も懲りない』はありがちな家族の物語です。明るくてよく働くお父さんと、優しくてきれいなお母さん。そんな家庭で育てられた主人公・登志子と弟の物語です。

金銭的な不自由はなく、両親の仲も良好。父は授業参観にくれば同級生たちに羨ましがられるほど若々しく、母は日本舞踊の師範で、楽屋に遊びに行くと他の誰よりも美しい顔で出迎えてくれます。ありがちな家族であり、恵まれた家庭であると言い切っても差し支えないでしょう。

小さい頃から容赦なく受けていた言葉の暴力は、歳を重ねるうちに容赦ない物理的な暴力に変わり、そこでおそらく初めて登志子は家庭が歪んでいること、日常ではなかったことに気づきます。

お父さんの発するセリフのひとつひとつが心に刺さります。 レビューが出てAmazonの在庫は3~5週間待ちになりました。注目作です。

誰も懲りない
作者:中村珍
出版社:太田出版
発売日:2014-02-18
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8位:ノーベル物理学賞を予言したマンガはコレ!スーパーカミオカンデについての世界一雑な説明『決してマネしないでください。』

このマンガは、そんな掛田氏の少々風変わりな恋愛をめぐり、またいちだんと風変わりな物理学研究室の役者たちの日常を、「科学あるある」なストーリーをふんだんに採り入れて展開する、サイエンス・オペラである。

タイトルにも敢えて「サイエンス・オペラ」という言葉を使ったのは、このマンガで描かれるストーリーは、非常に詳細で科学的に正しい事実関係の知 識、さらに動的な科学史の知識の裏付けがなければ決して描くことのできない、実は見かけよりも非常に重厚に練られたエピソードに溢れているからだ。

サイエンスライター森さんのレビュー。『決してマネしないでください。』はノーベル物理学賞を梶田隆章さんが受賞した直後の週刊モーニングに加速器についての話を掲載。もちろん原稿は前に準備されていたものなので、ノーベル物理学賞の予言かと話題になり話題沸騰中です。

切れた蛍光灯を灯すには電子レンジに放り込めばいい。電子レンジは軍事レーダーの開発で偶然生まれたもの。など、『決してマネしないでください。』にはちょっと真似したくなってしまう実験エピソードが紹介されています。

( 蛇蔵 『決してマネしないでください。』)
決してマネしないでください。(1) (モーニング KC)
作者:蛇蔵
出版社:講談社
発売日:2014-12-22
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7位:人はどう答えるかではなく何を問うかで評価される、という希望の物語『すべてがFになる』

森博嗣さん原作の『すべてがFになる』が霜月かいりさんの繊細なタッチで新たにコミック化。10月7日に発売になりました。

多くの”それなりに”勉強のできる子供たちが小さいころに「自分は天才なんじゃないか」と思うように、ぼくもそんな小学生でした。
そんな幻想は中学・高校・大学といくにつれて夢だったんだなーと現実を理解していくのですが、それでも「天才になりたい」と天才へと憧れ続けさせたのが森博嗣氏の『すべてがFになる』でした。

筧さんの森博嗣ファンに刺さるレビューでした。今週の7位!

すべてがFになる -THE PERFECT INSIDER-(1) (KCx)
作者:霜月 かいり
出版社:講談社
発売日:2015-10-07
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6位:理性を衝動が追い越す瞬間を目撃しろ。ハロルド作石の生き様を描いた漫画家マンガ『RiN』

マンガ家マンガ『RiN』の作者に寄り添うレビューを書いたのはコルクの有馬さん。

僕はこの作品を読んでハロルド作石の人生を追体験しているような気持ちになる。『RiN』という作品は、『BECK』などの人気作を生み出してきたハロルド作石のこれまでの漫画家人生の「たぎり」を感じさせる作品になっている。ハロルド作石の漫画家として自伝的な要素や物語論を強烈に感じることができる、ハロルド作石が歩んできた人生をもう一度歩みなおすような作品になっている。

人生の大事な場面での後悔をくすぐるコマにははっとさせられます。

( ハロルド作石 『RiN』 ) 
RiN(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)
作者:ハロルド 作石
出版社:講談社
発売日:2013-05-17
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5位:孤立する未婚無業者160万人。中年の止まりかけた時計の針を動かすのはひとのぬくもりだった。『俺はまだ本気出してないだけ』
http://honz.jp/articles/-/41923

NPO法人育て上げネット工藤さんのレビュー。『37.5℃の涙』『中卒労働者から始める高校生活』など、社会派マンガを紹介してくれています。今回は『俺はまだ本気出してないだけ』から日本の未婚無業者を主題に置いたレビューです。


仕事を失うと孤立しやすく、孤立すると無業から抜け出しづらい。社会関係資本と無業はポジティブフィードバックの状況にあるという考察もある。15歳から39歳までの若年無業者が注目される一方、中高年層もまた孤立し、仕事を失っている。
主人公、大黒シズオ(40歳)はバツイチ子持ち。父親と娘の三人暮らし。15年働いた会社を“なんとなく”退職、自分を探す。そして“なんとなく”めくっていた週刊誌を見て、漫画家を目指すことにする、なんとなく。
( 青野春秋 俺はまだ本気出してないだけ )

いつもの週なら週間1位を獲得するほど読まれたレビューですが、今週は上をゆくレビューがあと4つです。

俺はまだ本気出してないだけ 1 (IKKI COMICS)
作者:青野 春秋
出版社:小学館
発売日:2007-10-30
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4位:昔別れた元カノ(社内恋愛)か、その妹のかわいい女子高生か。30歳独身会社員が迫られた究極の選択『繋がる個体』

今週4位!魅力的な女の子が表紙の『繋がる個体』小禄さんのレビュー。

あなたは、社内の同期で付き合い、5年前に別れた元カノが忘れられない。そんな折、数合わせのために参加した合コンでめちゃくちゃかわいい女子高生と知り 合う。「女子高生には興味がない」と言いつつも、なぜかその子に気に入られ、猛烈アタックを受けまんざらではない気分に。しかし、後日その女子高生と元カ ノが姉妹であることが発覚してしまう……。
すごく柔らかいタッチのイラストだからと油断していると、マンガを読んだ後に「人間とは孤独なのか」と哲学じみたことを考えてしまったりするのだから、なかなか侮れない。

( 山本 中学  『繋がる個体』 )

見ていてこちらまでドキドキするタッチですね。レビュアー小禄さんはちょいエロ路線のレビューが面白く『惰性67パーセント』 『匿名の彼女たち』 もおすすめです。

繋がる個体(1) (モーニング)
作者:山本 中学
出版社:講談社
発売日:2015-07-23
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3位:ニートひきこもり解決の糸口は、母親にあることが多い。『子どもがひきこもりになりかけたら』
前述のNPO法人育て上げネットの母親の会「結」をモデルにした、上大岡トメさんが描く『子どもがひきこもりになりかけたら』タイトルになっている「ニートひきこもり解決の糸口は、母親にあることが多い。」は作中からの引用です。

本書の主人公トメ(著者)は、大学生の2人の子供を育てた母親です。子ども達が大学に通い始めて子育てもひと段落し、ほっとしたのも束の間、上の娘が、悩んだ様子の電話で、就職したくないので大学院に行きたいと言い出しました。

友達から、今は大学院に行ってもなかなか就職できないと聞いていて不安になった彼女は、子どもの事で悩む母親の会「結」(ゆい)を訪ねます。最初に知らされたのは「ニートひきこもり解決の糸口は、母親にあることが多い。」ということでした。

菊池さんのレビュー。『僕はまだ本気出してないだけ』と合わせてよく読まれました。


2位:女子高生を乳牛に見立てて炎上したブレンディのCMに足りない唯一のもの。藤子・F・不二雄『ミノタウロスの皿』と比べてみる。

認定NPO法人カタリバ。慶應義塾大学・熊本大学非常勤講師、今村亮さんのレビュー。今週の新規レビュアーの一人です。某CMと『ミノタウロスの皿』を対比させたレビューは、マンガHONZレビュアー陣の中でも賞賛の声が多く、読み応えのある素晴らしいレビューです。

このCMは、はっきり言って気持ちが悪い。高校生に鼻輪をつける描写はグロテスクだし、女性を乳牛にたとえる品性の下劣さにはゲンナリするし、高校生の生殺与奪が大人に支配される世界観はムカムカする。

・・・あれ?

でもこれって、僕が大好きな「あの漫画」と何が違うのだろうか。
 では、両作の違いとは何なのでしょう?

それはツッコミ役です。『ミノタウロスの皿』は、主人公目線で描かれるので、終始ツッコミが機能する物語です。

CMを観た後のなんとも言えない気持ちをレビューで説明してくれているので、読後感にすっきりしたものがあります。今週の必読レビューです。

今週はマンガHONZ史上最も読まれたレビューが誕生しました。石原さとみさん主演、今クール月9ドラマ「5時から9時まで」の原作コミックの放映日レビューです。突然とてもモテだす主人公へのツッコミを交えつつ、自身の8年前のフェロモン香水話をネタにした上原梓さんの赤裸々レビューが今週の1位を獲得しました。

異性を惹きつけると言われる「フェロモン」を発生させ、半径数メートルの異性を皆メロメロする魔法の香水!!30歳で崖っぷち危機感に苛まれていた私は迷わず購入したのでした。

結果ーーー

 作品の『5→9』にまるで関係ないような出だしですが、大丈夫です。ちゃんと関係しています。

潤子のモテっぷりが、少女マンガ史上 類を見ないほど、超凄いんです!!もうパンドラ使ってるとしか思えないほどに!!

 フェロモン香水使っているとしか思えないほどにモテる主人公へのツッコミ!なるほど新しい視点を与えて下さりました。

レビューが読まれに読まれ・・・

 サイト右端に表示されるランキングも塗り替わりました!

5時から9時まで 1 (Cheeseフラワーコミックス)
作者:相原 実貴
出版社:小学館
発売日:2010-06-25
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 番外編

 今週も新作名作レビューを一挙紹介です。

・ 月9新ドラマの原作『5時から9時まで』を読んでみたところ・・・

月9放映日に合わせてもう一つ『5→9』のレビューが公開されました。新規レビュアー、池上真之さんのレビュー。池上さんは投稿小説プラットフォーム「E★エブリスタ」の立ち上げを経験されており、レビューも分析目線です。

・ヲタクを隠していてはいつまでたっても幸せになれないといい加減気づこう。『ヲタクに恋は難しい』

荒井さんのレビュー。ウェブマンガとして注目度が高かった『ヲタクに恋は難しい』は2015年上半期によく売れた1巻です。今も部数を伸ばしています。

ヲタクに恋は難しい (1)
作者:ふじた
出版社:一迅社
発売日:2015-04-30
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・電書ならではの産地直送マンガ!『MIRROR’S EDGE EXORDIUM』
小沢さんのレビュー。ゲームミラーズエッジのコミカライズ版。プレビューから読むことができます。

ワインマンガ『神の雫』とのコラボイベントが10月15日から11月3日まで、コレド室町で開催中とのこと!味博士オススメです。仕事帰りに寄れるグルメイベントですね。

神の雫(6) (モーニング KC)
作者:オキモト・シュウ
出版社:講談社
発売日:2006-04-21
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 おわりに

今週もここまでお読みいただきありがとうございました。単なる作品紹介に終始するのではなく、コラムとしても楽しめるマンガHONZ、また良い記事を届けてまいります。

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