あなたは「友の死」と「彼女との未来」を交換することができますか?『orange』

大西 隆幸2015年11月17日 印刷向け表示
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orange(1) (アクションコミックス)
作者:高野 苺
出版社:双葉社
発売日:2013-12-25
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人生は後悔の繰り返しばかりだと思います。あの時、気持ちを伝えていたらあの時の別れはなかったかもしれない、いま一緒に二人で歩いていたかもしれない。仲直りしておけば、後悔しなかったかもしれない。

先日、完結した高野苺さんの『orange』はそんな後悔、大切な人が亡くなる未来を変えるため、主人公である高宮菜穂が活躍する、SFの要素もある恋愛漫画です。主人公は、10年後の自分から届いた手紙を手がかりに、転校生の成瀬翔に訪れる未来を変えようとします。

高野苺『orange』

この手紙の情報を元に菜穂が中心になって、幸せな10年後を迎えるために、翔が自殺する未来を変えようと奮闘します。主人公の菜穂は、転校してきた翔と結婚するわけではありません。表紙にも描かれていますが、10年後には親友の須和と結婚します。

orange(2) (アクションコミックス)
作者:高野 苺
出版社:双葉社
発売日:2013-12-25
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 菜穂との結婚が約束された未来がある。しかし、そんな菜穂の想いを知りながらも翔との仲を取り持とうとする須和の送りバントにきっと泣けてきます。

高野苺『orange』

高校生時代の恋愛というのは、多くの人にとって大変重たいものではないでしょうか。違いますか?私はそうでした。みなさんは違いますか?私と同じですよね、違いますか?

物語のなかで、翔の悲しい未来を回避するために、須和も奮闘します。そして、自分が選択するはずだった未来とは違う選択をしていきます。その須和の気持ちを考えながら、今改めて完結した全5巻を読むと、僕は途中まで耐えきれず、いま高円寺のジョナサンでこの原稿を書くために、読み直しながらまわりのお客さんに心配されるほど泣きじゃくってしまいました。

もし、仮に自分が須和のような立場だったら、同じことができるのか。僕なら無理だと思う、たとえみんなに罵倒されようとも、僕は自分の幸せを選んでしまうだろう。でも、須和はできたんだ。。。

高野苺『orange』

この『orange』ですが、実は元々は少女漫画雑誌「別冊マーガレット」(集英社)にて連載されていましたが、その後休載を経て「月刊アクション」(双葉社)に移籍して連載された作品です。絵柄を見ると少女漫画と思われるかもしれませんが、青年誌にも連載されていました。なので、女性だけでなく男性にも受け入れられるダイナミックな面白さがあり、男女ともに手にとって欲しい漫画です。

あと残り1ヶ月と少しとなった2015年ですが、たぶん僕が今年一番泣いた漫画になると思います。皆さんに一度全部読んでもらって泣いて、そして須和に注目しながら、もう一度読んでまた泣いてもらいたいです。

orange(3) (アクションコミックス(月刊アクション))
作者:高野 苺
出版社:双葉社
発売日:2014-08-22
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orange(4) (アクションコミックス(月刊アクション))
作者:高野 苺
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発売日:2015-02-20
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orange(5) (アクションコミックス(月刊アクション))
作者:高野 苺
出版社:双葉社
発売日:2015-11-12
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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
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