2015年最大の変態事件、「側溝マン」は『鼻下長紳士回顧録』読んで自らの変態を見つめ直せ!

上原 梓2015年11月24日 印刷向け表示
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あ…ありのまま 11月9日に神戸市東灘区で起こった事を話すぜ!
「 側溝に5時間潜って女性のスカートの中を盗撮していた男が逮捕された」
な…何を言っているのか わからねーと思うが、何より被害者も何をされたか分からなかったに違いない……

側溝から下着のぞき見の男「年間80回入った」と供述。未成年の頃からとも   神戸市東灘区の道路の側溝内に盗撮目的で潜み、女性のスカートの中をのぞき見したとして兵庫県迷惑防止条例違反容疑で逮捕された男(28)が、兵庫県警の調べに対し、「多い時で年間80回ぐらい側溝内に入った」と供述していることが13日、捜査関係者への取材で分かった。
男は、同区岡本の道路にある深さ約60センチの側溝内に、午前3時ごろから約5時間にわたってあおむけに寝そべり、側溝の上を通りかかった女性の下着を見たとして、今月9日に逮捕された。
捜査関係者によると、男は側溝に長時間いたことに関連し、「自分の長所はどこでも寝られること」と話す一方、「短所は側溝に入ってしまうこと。興奮してやめられない」と供述しているという。
男は平成25年6月にも同区の別の側溝内からのぞき見をしたとして逮捕されており、当時は「生まれ変わったら道になりたい」と供述していた。
未成年のころからの常習犯であることも打ち明けているといい、県警は、男が10年近く前から側溝内から盗撮やのぞき見を繰り返していたとみて調べている。
一方、男のスマートフォンの中には側溝内から複数の女性のスカートの中を撮影したとみられる動画や画像が残っており、盗撮についても認める供述を始めているという。
(産経新聞 11月13日(金)記事より引用)

へ……
へ…………

変態だ!!

だがしかし!!敢えて言わせて頂こう。

側溝マンは、逆に変態失格だ!

奴が偏愛しているのは、溝なのか!?隙間なのか!?道なのか!?パンツなのか!?盗撮なのか!?なにより何故 他人に迷惑をかけ、女性に恐怖心を植え付けるのか!?貴様のような衝動的欲望を抑えられないような輩は、この『鼻下長紳士回顧録』を読んで自分の変態の形を見つめ直すがいい!!

鼻下長紳士回顧録 上 (フィールコミックス)
作者:安野モヨコ
出版社:祥伝社
発売日:2015-10-08
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1913年、パリ。娼館「メゾン・クローズ」で働くコレットは、訪れる紳士たちの実に多岐に渡る欲望に応える生活を送っていた。紳士たちの欲望……そう、メゾン・クローズは、いわゆる「変態」しか来ない娼館なのだ。
「安心して下さい」(『鼻下長紳士回顧録』上巻より)
「(心にパンツ)掃いてま……せん!」 (『鼻下長紳士回顧録』上巻より)
そう。これは、主人公コレットによる、メゾン・クローズでの変態行為で鼻の下を長くしている紳士たちの回顧録ーー

私は昔から、安野先生の作品の女子のアンテナに刺さりまくる“宝物感”が大好きなんですけど、今回も舞台は20世紀初頭のパリだし、綺麗な女の人たくさん出てくるし、下着のレースの感じとか、娼館のインテリアの感じとか、単行本そのものがステキな宝箱のようで超テンション上がりました!先ほど引用したカラーページも美しくて震えるっ…!

そして更に!!この『鼻下長紳士回顧録』という宝箱には、素敵で美しい“人生”が沢山詰まっていたのです。それは、実にバリエーション豊かな変態ストーリーの数々

例えばこちらのムッシュ・エドガー。この弁護士先生は、こんな変態ストーリーをお持ちです。

こういう部分も磨けば光るとは。(『鼻下長紳士回顧録』上巻より)

頭磨いて果てている!!一体何故こちらのムッシュが人様の頭を磨きながら快感を得るようになったのかは 是非 単行本で読んで頂くとして、この『鼻下長紳士回顧録』には、こんな感じで自らの変態さを理解し、心から楽しみ、鼻の下を長くする紳士たちが他にも沢山出て来ます。そんな変態紳士たちの中で 私が最もかっこいいと思ったのは「棺おけ野郎」オーギュスト!

ドヤ顔に相応しい名言放つ棺おけ野郎!(『鼻下長紳士回顧録』上巻より)

メゾン・クローズの常連客だった「棺おけ野郎」は、ある日突然すべって転んで頭を打ち、死んでしまいます。死、それは彼が本懐を遂げる時!!ついに彼に、自分の最大の欲望「娼館での葬儀」という変態ストーリーを実現する時が来たのです。

「おけ」と呼ばれても「野郎」と呼ばれても溢れる愛され系キャラ感
(『鼻下長紳士回顧録』上巻より)

そんな彼の葬儀プレイに参加したコレットは、オーギュストが自分の喜びの形を明確に捉えて表現できることに嫉妬してましたが、読み手の私はオーギュストを尊敬してしまいました!だって、彼の使用人たちが娼館にやってきて、彼の理想の葬儀のために協力する姿が少しだけ描かれているんですもの。

考えてもみて下さいよ!自分の雇い主が変態専門の娼館に足繁く通い、死してなお、そこでノーマルな葬儀とかけ離れた、作中の表現で言うところの「神をもおそれぬ痴態」な葬儀を繰り広げようとして そのお手伝いをさせられるなんて、普通に考えたらめちゃくちゃイヤじゃないですか!なのに、使用人たちは娼館で進んで葬儀のセッティングをしているっぽい。「ご主人様の最後の願いを叶えなくては」と思わせる男、オーギュスト!めちゃくちゃ素晴らしい人柄だったに違いない!

変態道を貫き通すには、周囲に決して迷惑をかけず、誠実に接し、変態行為を尊重して貰えるくらいに関係性を高める必要があると、オーギュストは我々に教えてくれたのではないでしょうか!(たぶん)

と言うわけで、変態としての生き様・死に様を通してオーギュストが教えてくれたものは実に大切な事なのでした。側溝マンは、オーギュストの身体の何かを煎じて飲んどけ!そんなオーギュストの希望した葬儀がどんな痴態だったのかもは……こちらも是非、単行本でお確かめ下さい。

ちなみに、これほど変態について熱弁奮っておきながら、私の性癖はいたってノーマルです、たぶん。せいぜいWWEのトリプルHの胸筋に挟まれて困っているところをバティスタに助けられたい、と思う程度なのでした。

永遠のヒール、トリプルH様!(WWE公式サイトより)

安野モヨコ先生の担当編集者で、私と身長(170センチ)と足のサイズ(27センチ)が全く同じマンガHONZの佐渡島編集長による『鼻下長紳士回顧録』レビューはこちら。

娼婦を、作家を、蝕んでいく顔の見えない「人気」という怪物『鼻下長紳士回顧録』

特装版 鼻下長紳士回顧録 (上) (フィールコミックス)
作者:安野 モヨコ
出版社:祥伝社
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