【1巻11円セール中】『メイドインアビス』駆り立てるのは未知への探求、横たわるのは骸と怪物

兎来 栄寿2015年11月27日 印刷向け表示
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メイドインアビス 1 (バンブーコミックス)
作者:つくし あきひと
出版社:竹書房
発売日:2013-07-31
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こんにちは、マンガサロン『トリガー』店長の兎来栄寿です。

今回紹介するのは、現在3巻まで刊行されている極上のファンタジー『メイドインアビス』!

作者自身が「どんどん面白くなる予定です」と述べる通り、1巻の時点で相当面白いのですが、1巻より2巻が、2巻より3巻が面白い! 3巻は、今年読んだ全てのマンガの中でも十指に入ります。

そして、11月27日現在1巻のKindle版が何と11円セール中!(セールはいつまでか判りませんので、お早めに)

もし、今これを読んでいる方で『ハンター×ハンター』の暗黒大陸編に心踊らせながら連載再開を心待ちにしている方、あるいは「アビスといえばアビスゲート(BGM:四魔貴族1・2)」や「アビス? アッシュ最高だよね」というRPG好きの方がいましたら、この機会に強く強くお薦めしたいです。 

その穴の名は、「アビス」

舞台となるのは、ほぼ全ての地が開拓された世界で、1900年前に南海の孤島に見つかった底無しの巨大な穴、「奈落(アビス)」。人類が未だその全容を把握できていない、最後のフロンティア。

推定2万m以上の深さを持つそこは、未知の危険な生物が多数ひしめく過酷な環境が広がっていた……

気流の不安定な逆さの大森林、4000mを超える大断層の崖、行く度に景色が変わる高さ800mにも及ぶ酸を湛えた植物の群生地帯……

特殊な力場が張り巡らされていて観測が難しく、航空する乗り物も飛行生物によって食い散らかされるデッドゾーン。

しかし、そのアビスでは人々の生活を一変させるようなものから、人類全体の在り方を変革し、国家間の争いを招くレベルのものまで、数多くの夢の様な遺物も発掘されていた。

それによって、「探窟家」と呼ばれる者達が今なお危険を省みずにアビスへと挑み続けていた。

探窟家は、その練熟度に応じて等級分けがなされている。

鈴付き…探窟家のタマゴ
赤笛…見習い 深界一層まで
蒼笛…一人前 深界二層まで
月笛…師範代 深界四層まで
黒笛…達人 深界五層まで
白笛…伝説級 深度制限なし

主人公のリコは、伝説級の白笛である「殲滅のライザ」を母親に持つ、赤笛。母のような偉大なる白笛となるべく、そしてアビスの深層に潜り行方も生死も不明となっている母親を探し求めるべく、日々研鑽を積んでいる少女。

アビスの底より届いた母親からのメッセージと思われるものを頼りに、アビスで出会った記憶喪失の機械少年レグと共に、無限の奈落の深淵へとリコは旅立っていく――

この世界設定とあらすじだけでワクワクしないでしょうか。ファンタジーもダンジョン系RPGも大好きな、私はとても胸高鳴りました。そして、実際に読んで期待以上に興奮しました。

思うに、人間には三大欲求に匹敵するほどに「未知なるものの正体を解き明かしたい・知りたい」という欲望があります。だからこそ、深海の底にも宇宙の果てにも行きたいと思いますし、まだ見ぬ世界を知ろうと物語をひもとき続けるのだと思います。

『メイドインアビス』は、そんな「未知への探究心」を掻き立ててくれる作品です。

幕間や本のカバーでも世界設定が詳らかに補完され、この「奈落の底」とそれに挑む人々の存在する世界を豊かに感じさせてくれます。

一寸先は「死」! 緊張感全開の冒険

表紙だけ見ると、とてもかわいらしい絵柄で『ハリーポッター』的な子供から大人まで楽しめるファンタジーかな? と思うかもしれません。

とんでもないです。

序盤こそそんな趣もありますが、むしろ幼少期にうっかり読んでしまったらトラウマになってしまうような、良い意味でのえげつなさが多分に含まれています。

アビスにおいて探窟家を脅かすのは、危険な生物だけではありません。一度潜ると、地上に帰ろうと上昇した時に振りかかる変調、「アビスの呪い」と呼ばれるものがまた恐ろしいのです。

三層、四層辺りでも、かなり重篤な症状。スペランカーの主人公だったら、一層で100回くらい死んでいるでしょう。

七層まで達したら、自分はもう地上に帰ることができない。それでも、潜る者はいる。何故なら、そこに「穴」があるから。まだ見ぬ世界が、宝があるから。人間の業の深さを感じさせられます。

そう、怖いのはアビスやその生物・呪いのみならず人間もなんですよね……

アビスは、女子供だから容赦するということなど全くありません。年端もいかない少女にも、その獰猛な牙は無慈悲に剥かれます。

かわいい絵柄ですが、登場する怪物たちの迫力は恐るべきもの。大ゴマや見開きの使い方も非常に印象的で、冒険アクションとしてのクオリティも非常に高いです。主線がフリーハンドの部分も多いですが、それが雰囲気に沿っていて全く気にならない珍しい作品。

しかし、かわいさと残酷さに生まれるギャップの面白さという以上に、『メイドインアビス』は素晴らしい点があります。

一秒後に死んでいるかもしれない過酷な環境下であるからこそ、より輝く命の価値。そして、絆。

そういったものがしっかりと、感動的に描かれているからこそ、私はこの作品を強く強く推したいと思うのです。実際に、トリガーにてこの作品の1巻をお薦めしたお客様が再来店された時に「3巻まで読みました。3巻で泣きました」と大変嬉しい感想を仰って下さいました。そうですよね。3巻のあの場面は泣けますよね……。あのお話があったからこそ、私の中でも今年のベスト10に入ると言えます。

それ故に、普段はファンタジーってあまり読まないよ、というような方にも触れてみて欲しい名作です。

どれだけの奇跡が君を動かしてきたのかって事と

その先で待つ 素晴らしい冒険への挑み方を

これは、作中での非常に印象的で大好きなセリフですが、ぜひともこの場面までは読んでみて頂きたいです。このセリフは誰がどんな場面で発したものなのか。それを語れる頃には、きっとあなたも「アビス」の虜になっていることでしょう。

メイドインアビス 2 (バンブーコミックス)
作者:つくしあきひと
出版社:竹書房
発売日:2014-06-30
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  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
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メイドインアビス 3 (バンブーコミックス)
作者:つくし あきひと
出版社:竹書房
発売日:2015-06-20
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RPG好きの方には、以下の作品もお薦めです。今年、RPGファンに薦めたいマンガベスト3は、『メイドインアビス』、『ファイナルリクエスト』、『ダンジョン飯』。

Final Re:Quest ファイナルリクエスト(1) (シリウスKC)
作者:日下 一郎
出版社:講談社
発売日:2015-05-08
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ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)
作者:九井 諒子
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2015-01-15
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