『下町ロケット』に騙されるな!日本の技術の真実がそこに『シブすぎ技術に男泣き!』 埋もれている日本の中小企業たち

荒井 健太郎2015年11月28日 印刷向け表示
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下町ロケット
作者:池井戸潤
出版社:小学館
発売日:2013-12-26
  • Amazon Kindle

「金のことしか考えられなくなったら、そこに技術の進歩はありません!」(ドラマ『下町ロケット』より)

お疲れ様です!働いている皆様!
『下町ロケット』見てますか?
見てない?見てないなら今すぐ見ないともったいない!

知っている人には申し訳ないですが、シナリオをおさらいです。

精密機械製造業の中小企業・佃製作所の社長・佃航平は、主要取引先の京浜マシナリーから、突然、取引終了の通知を受ける。資金繰りに困りメインバンクの白水銀行に3億円の融資を申し込むが渋られる。追い打ちをかけるように、今度はライバル会社のナカシマ工業から特許侵害で訴えられて、白水銀行からは融資を断わられてしまう。法廷戦略の得意なナカシマ工業が相手では、たとえ勝訴は濃厚でも裁判の長期化だけで資金不足による倒産は避けられそうもない。

そんな時、大企業の帝国重工の宇宙航空部長・財前の訪問を受け、佃製作所が持っている特許を20億円で譲ってくれと持ちかけられる。帝国重工は巨額の資金を投じて新型水素エンジンを開発したが、特許は佃製作所に先を越されていたのだ。航平は元妻・沙耶との会話で、特許譲渡や使用許可ではなく、帝国重工が飛ばすロケットに佃製作所で作った部品を搭載する道もあると思い当たる。しかし、それでは特許使用料が入らないどころか、リスクが高過ぎると、特に若手社員の反応は最悪で、特許使用許可か部品搭載の夢か、航平は思い悩む。

一方、部品供給を断るつもりで佃製作所を訪れた財前は、航平に案内されるままに工場を見学し、その技術の高さに部品受け入れもありうると考えるようになる。そんな財前を出し抜きたい富山は水原本部長に取り入り、財前に変わって部品供給のテスト担当者になる。「たかが町工場の部品搭載など」と見下す富山が率いる帝国重工と、部品搭載よりも特許使用料による給与への還元を願う佃製作所の社員との、部品テストが始まった。

(wikipediaより)


 
現実の世界だと、H2Aがまた打ち上げに成功しましたね。これでやっと国際的な宇宙産業市場に日本も参戦できました。もちろん、H2Aも大企業の力だけでは打ち上げ成功まで、至らなかったでしょう。少し古い記事ですが、H2Aについてクローズアップ現代が取り上げています。
 

H2Aにも様々な中小企業の技術が用いられています。まさに、『下町ロケット』さながらです!


しかーーーーーーーし、何もロケットだけではありません。日本の中小企業は技術の宝の山なのです。職人さんの血の滲むような努力の結晶の技術を持っている企業が日本には数多くあります。そんな中小企業を元エンジニアのマンガ家が取材して描く、ノンフィクションマンガが『シブすぎ技術に男泣き』をご紹介致します。
 
シブすぎ技術に男泣き! 1<シブすぎ技術に男泣き!> (中経☆コミックス)
作者:見ル野 栄司
出版社:KADOKAWA / 中経出版
発売日:2010-12-01
  • Amazon Kindle




(『シブすぎ技術に男泣き!』より)
 
中小企業は星の数ほどあり、電池〜サーバーまでハード、ソフト問わずに様々なエンジニアにフォーカスを当てて、短いページで、技術はわからないけど、すごい!と思わせるマンガになっています。とにかく、とにかく、エンジニアカッコいい。カッコよすぎる。未来の佃製作所が山のように存在している。このマンガは色々な会社を取材して、マンガにしているので、大きなシナリオは正直あまりありませんが、短い話の中に一つ一つエンジニアに対しての尊敬が込められています。いくつか例を見てみましょう。

DeNA南場社長も登場する、モバゲーのサーバーまわりのお話。まずは、ソフトの話から、舞台はDeNAが飛躍するきっかけになったモバゲー、サーバ周りを担った茂岩さんのお話です。はじめはサーバーをアウトソースする予定だったのですが、はずれを引いてしまい結局は自社で作ることに、納期はぎりぎり、人手は足りない、ピンチの状況でサイヤ人もびっくりな戦闘力を発揮して茂岩さんがサーバーを作り上げるお話です。
 
 
 
 
(『シブすぎ技術に男泣き!』より)


もちろん、ソフトの話だけではありません。『下町ロケット』でもナカシマ工業の機械による研磨と佃の職人の手による研磨が比べられるシーンがありました。そのとき、の帝国の人の悔しそうな顔は爽快でしたね。実際のエンジニアもやすりがけから始まり、そして、極めると機械に勝るとも劣らないものをつくることができる技術を会得するようです。



(『シブすぎ技術に男泣き!』より)

そして、一番感銘を受けたのが、何をではなく、何のためにか!というシーンです。 エンジニアはいいものを作る機械ではありません。エンジニアが頑張るには、”何のため”なのかこれに納得感があるかどうかが大切なのです。


(『シブすぎ技術に男泣き!』より)

と思いきや、いいものを極めるという場合もあるようです。


 (『シブすぎ技術に男泣き!』より)

最後にこのマンガの中で一番印象的だった話はネジ穴の話です。空けるのなんてすぐだろって感じたんですが、もちろん、そんな甘いことはなく、穴を空けるだけでも、ものすごい工程があるんですね。
 
(『シブすぎ技術に男泣き!』より)

このマンガは面白いだけでなく、いろいろな会社の技術もあわせて知ることができます。エンジニアの人だけでなく、技術なにそれ美味しいの?状態な人にも、かなり分かりやすい内容になっているので、ぜひ読んでみて下さい!
下町ロケット』で中小企業の技術が大きなことに役立つことだけが目立っていますが、
ロケットという大きい夢に関わる技術だけでなく、身近な小さなものにも職人の技術が活かされていることを忘れてはいけない。お金じゃない、夢のために働く。そんな風に働きたい。
 
 
シブすぎ技術に男泣き!
作者:見ル野 栄司
出版社:中経出版
発売日:2010-01-20
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シブすぎ技術に男泣き!2
作者:見ル野 栄司
出版社:中経出版
発売日:2010-09-17
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シブすぎ技術に男泣き!3
作者:見ル野 栄司
出版社:中経出版
発売日:2011-09-22
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下町ロケット2 ガウディ計画
作者:池井戸 潤
出版社:小学館
発売日:2015-11-05
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