
明けましておめでとうございます。HONZ新井文月です。
今回はレビューではなく、本と出会うことで自分の心境が変化した例を伝えていこうと思います。この絵は元気になってくれればと思って描いただけで、特に他意はありません。
HONZメンバーは多忙の中、原稿を書く
最初に断っておきますが、私達HONZメンバーは皆それぞれの仕事を抱えています。 忙しい中本業の合間に書店に足を運び、昼夜場所を問わず本を読み、自費で書籍を購入し本当に面白いものだけを紹介してます。こう書くとなんと立派な人達かと思いますが、実際メンバーはキャラ立ちすぎて社会で浮いてそうで親近感もてます。原稿の書き方は千差万別で、バリバリ働く一方でレビューを書く人、子供のオムツを替える合間に書く人、「外まわり営業に出てくるから」と言って社外で原稿を書く人もいるかもしれません。
自分のこと
かくいう私はレビュアーとして既に5年目に突入しています。HONZの前身であるキュレーション勉強会からの参加ですが、応募した時はプータローで本も読まない人間でした。それがHONZ代表の著書を通じて多読家になり、社会人になり、結婚し~、子供も生まれ~、住宅ローンで家を購入と。まるで絵に書いたような30代リーマンパパの道を進むかと思いきや、本日をもちまして長年勤務した会社を辞めることにしました。
キッカケはボランティア
本を読んでいくとわかるのですが、多くの成功者?言い方はヘンですが、事をなす人間は、結果的に社会に奉仕しています。ここで私は仮説を立てました。「社会に奉仕すると巡り巡って自分の所に返ってくるのかもしれない」。私は生粋の自己中心的な人間なので、結局自分のためになるなら奉仕してみようという結論になりました。ちなみに3歳の頃から絵を描いてたので、絵で何かしようと漠然と考えてました。
一方、2011年は東日本大震災の津波により、被災地の多くは家を失いました。私は被害を受けた岩手県大槌町の仮設住宅を訪れ、似顔絵を描きました。あまり口を開かないある女性が突然涙を流して喜んでくれました。どうやら、その女性は海女さんでしたが、話を聞くと家や家族とともにアルバムも流されてしまったとのことで、似顔絵は大変喜ばれました。私は岩手県大槌町、宮城県石巻市、福島県いわき市などを訪れ、仮設住宅をチームで支援するようになりました。2012年は宮城県石巻市の仮設住宅の壁70mに龍の絵をボランティアと住民の方達100名と一緒に描きました。当時、仮設の自治会長からは「龍の勢いのように早く復興して、自分たちも前に進みたい。絵を見ることで前を向く力になればと思う」とコメントをいただきました。

その後、石巻市にて龍の絵を一緒に描いた糠塚前団地の元会長の小野さんが他界されました。
2014年末、奥様から喪中の葉書をいただき知ることになりました。奥様に連絡した所、死因は大腸ガンとのことでした。2012年は石巻を7回ほど訪れましたが、最初は現地の人達とどうにもなじめず、何回も足を運ぶうちにお菓子がでてきたり、ご飯がでてきたりと、次第に打ち解けていきました。小野さんの尽力がなければあのプロジェクトは完成しませんでした。
また、この話を展開することは奥さんの了承を得ています。
うまく言葉では表せませんが小野さんは絵を一緒に描いている間はとても楽しそうでし、希望もありました。
また奥様は、参加したメンバーにこうおっしゃっておりました。
「当時は何度も来て下さって、本当に感謝しております。主人も楽しそうでした」
ご冥福をお祈りします。
その後メンバーから
会長について、ボランティアメンバーの一人が後日伝えてくれました。
みんながバスに揺られて東京方面から石巻向かってる頃、自分は前のりして仮設周辺プラプラしてたのね。で、その場の流れで前夜祭的な感じで一緒に呑む事に。仮設に住む夫妻の狭い中で会長と俺4人で呑みながら、夜中までバカ話をしたの思い出したよ。
「こんなベロベロになったら明日は二日酔いで絵なんか描けないよ! アハハハハ」って顔中の皺を寄せながら笑ってたなぁ。
自分の中では、下ネタ大好きな寛大な心を持った田舎のオッチャン。これからも天国で我々を見守ってくれていると信じてます。
あと、会長はネコの頭を撫でながらこんな事言ってたよ。
「そっけない仮設の壁を見てると心も身体も滅入ってくるよ。義援金や物質的な援助はもちろん嬉しいし、生きていく上では大事だけど、最終的に人間は心の豊かさも必要なんだよね...絵でボランティアという発想は本当に素晴らしいと思う。 」
法人化
本を読んでいると、いつ決断すればよいか判断ができるようになります。
ということで本日、都内某IT企業のデザイナー職を退職し、このたび株式会社を設立致しました。事業はデザインとアートです。特に大きな野望はありません、経営企画もありません。ただ自分がウットリするような作品は創っていきたいです。
こんな私ですが、諸先輩方、HONZメンバーの皆さん、この文章を読んでいただいてる皆様、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。レビューは継続しますので。
株式会社アトリエ新井文月
事業内容:デザイン全般/イラスト/絵画
会社を立ち上げる際、判断の指針となった本
本書が言うように、ゲーム好きな人はこれまで日陰者扱いでした。そんなこといってもコーエーテクモゲームスの戦術ゲームなんぞ大好きですが、経営にとって、というか人生ってゲームみたいなものかもしれません。
内藤順による著者インタビューはこちら
初めて私の絵を購入してくれたのは、ドバイの外交官でした。彼女をとても尊敬しています。聡明で、かつアート好き。何よりお金持ってます!(笑)。アート界というのはNYやパリを中心とした欧米文化ですが、私は逆張り思考なのと彼女が育ったイスラム文化背景が知りたいので、本書は絶好のおススメ本となりました。
HONZ客員レビューはこちら
HONZに凄い頻度でレビューを掲載し、その知識量も尋常ではないライフネット生命の出口さんが、世界史に登場する人物の中から優れたリーダーを10人だけ挙げている。その判断基準が秀逸で、多少根性が悪くとも異性にだらしがなくても、何事かを成し遂げて結果を出せば立派なリーダーとしている点が新鮮です。
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