ヤクザが世界線を飛びこえて、夢あふれるメルヘン世界へ行ったらどうなるのか?『だいらんど』

K T.2016年01月25日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
だいらんど
作者:がぁさん
出版社:
発売日:
  • Amazon Kindle

皆さん、異世界モノはお好きでしょうか。それまで何気ない生活を送っていた誰かが、ふとしたきっかけでここではない何処かに飛ばされてしまうファンタジー系のジャンルです。異世界に飛ばされれる人物の属性と言えば、高校生くらいの青少年を筆頭に、小学生、幼稚園児、会社員、料理人、自衛隊、ニートにゲーマー、ひきこもり、歴史の英雄…とぱっと思いつくだけでも多種多様に存在し、今回紹介する『だいらんど』も主人公がここではない何処かに飛ばされてしまうわけですが、主人公が何をしている人物かというと、ヤクザです。

(がぁさん『だいらんど』)

主人公のヤクザ・正雄。36歳、事務所の電話番。ヤクザなのに「きれいな手をしている」と揶揄されてしまう人物です。

(がぁさん『だいらんど』)

組の破門と要人暗殺の二択を突きつけられた正雄は後者を選び、鉄砲玉となって敵対勢力に突っ込むわけですが、現場で盛大なミスを犯してピンチに陥ります。

(がぁさん『だいらんど』)

覚悟を決めて拳銃を構えた彼がいつの間にか立っていたのは、草花が喋り、食べ物は空から降ってくるメルヘン世界、『だいらんど』でした。

平和で夢あふれる世界でしたが、すれたヤクザにとっては体に毒。正雄は元の世界へ戻る為、拳銃を片手にお姫様と6つの国の旅をすることになります。

(がぁさん『だいらんど』)

ヒロインとなるお姫様。三つ編みは団子になって宙を浮き、腕はゴムのようにぐにゃぐにゃ。メルヘン世界の十住人は、体もメルヘン化しているようです。

ほのぼのタッチで描かれるメルヘン世界を舞台としてるため、絵柄的には子供向け作品のようにも見えますが、お話はいたって真面目。正雄は何故この世界に連れて来られたのか。ヤクザ×メルヘン世界というユーモラスな組み合わせと、冒険の中で世界の成り立ちが次第に明かされていくテンポの良さで、ぐいぐいと作品に引きこまれていきました。1冊完結の全326ページで、作者の当初の予定通りに物語を終えることができたという作品でもあり、ストーリーは1本の映画のように綺麗にまとまっていて、2,3回読み直してみると、いかに世界が練りこまれてるのかもよくわかります。

(がぁさん『だいらんど』)

本作品はマンガ図書館Zで無料公開されているのと同時にkindle版も発売されております。電子媒体で気軽に読めますが、オススメしたいのは326ページ分の厚さと手に感じられる重さが童話の本のようで程よく作品と馴染んでいる書籍版。とは言っても、新品では手に入らない状態となっているのが残念なところ。もしもハードカバーで絵本のような新装版が発売されたらどこかで紹介したいですね。

だいらんど
作者:がぁさん
出版社:
発売日:
  • Amazon Kindle

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら

人気記事