女は年上男性が好きなのか? 
幼女と成人男性とが繰り広げる大河ロマン『明治緋色綺譚』から考える

和久井 香菜子2016年02月05日 印刷向け表示
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明治緋色綺譚(1) (BE LOVE KC)
作者:リカチ
出版社:講談社
発売日:2011-09-13
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先日、50代の新婚男性に「よう、誰か紹介しろよ」と言ったところ、
「俺らの年代だと若い子がいいって言うんだよね〜」
と正面からお断りされました。
なんだと〜? と思わないでもないけど、無駄な時間を費やすこともなく済んでありがたいです。

しかし男性タレントは10も20も年下の綺麗な女の子と結婚して世の中をうならせてますし、男性の「若い女信仰」は止まるところを知らない様子でございます。

では翻って、女はおっさんが好きなのか? 10も20も年上の男が好きなのか?
ということを少女マンガで検証してみましょう。

『明治緋色綺譚』は、幼女・鈴子と成人男性・津軽の物語です。
  

鈴子は大変頭の良い子です

 

津軽はクールで頭脳明晰だけどちょっと変わり者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

津軽は、遊郭に売られていた鈴子を身請けして自分の側に置きます。
でも下心はいっさいなし。そこがこの作品を安心して読める理由のひとつです。
これで津軽が、鈴子にはあはあ欲情したら、エロ漫画としてもちょっとキモチワルイ。

鈴子は津軽のことが大好きですが、津軽は鈴子のことをすっかり子ども扱い。
では鈴子はどうして津軽が好きなのでしょう。
身請けしてくれた恩人だから?
お金持ちのボンボンだから?
……イケメンだから??

鈴子はこう言っています。

津軽はあたしの知ってる男の人とは誰とも違う
他はたいてい見栄っ張りで強欲かーーーー
身勝手で好色かーーーー

少女マンガで鉄板のテーマは「私の中身を認めて尊重して欲しい」です。
外見的な美醜でもなく、家柄や環境でもなく、自分の考えこそを評価して好きになって欲しいんです。

鈴子が津軽を好きなのは、自分が没落貴族の出で家柄が良いからでも、津軽が幼女好きのロリコンではないことももちろん、鈴子そのものの知性や思考を評価してくれるところです。

鈴子は津軽のことを、

あたしをーーーーお金儲けの道具でもなく
一人の「人」として扱ってくれる男(ひと)ーーーー

と言っています。
ココ、すごく大事。
子どもだからって年下だからってバカにしたり威張ったりする人のことは、まあたいてい好きにはなりません。

とはいえ、津軽が最高潮にかっこいいのは、鈴子の兄・春時兄さんとの「手本引」という賭博シーンです。

メンヘラだけど私は大好き春時兄さん

 

 

 

 

 

 

 

男が熱くなったら女は身の危険を感じるのでクールがいいです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

賭博は心理戦です

 

 

心理戦を制した津軽と春時兄さん。
少女マンガの読みどころはまさに「心理」にあるので、相手の心理を読み、自分の思い通りの結果を得る津軽に多くの読者がしびれたことでしょう。

 

さて、遊郭に売られてしまった鈴子の姉・夕香はこう言っています。

男の人はみんな同じよ
ひどくて勝手で汚くてーーーー大嫌い

この言葉が忘れられない鈴子は、「津軽も男なら、ひどくて勝手なのだろうか?」と悩みます(一瞬だけ)。

結局、津軽(だけ)はそうじゃないことがわかって悩みは解決するわけですが、ここで一気にまとめると、鈴子がかなり年上の津軽を好きなのは、
見栄っ張りでも強欲でも好色でもなくて(二人は完全プラトニックなので)、
ひどくもなく勝手でも汚くもないから
なのですよね。

年齢とか、外見は(あんまり)関係がないのです。
こうした少女マンガの法則から照らすと、「若い女がいい」と言っている男性は、外見や条件で女を測っているわけで、女からするとNGです。

ちなみに冒頭の50代男性、再婚して15、6歳年下の美人なお嫁さんをもらってるんですが、彼は「女ならみんな大好き」という人で、それまで付き合ってた女性は年上アラフィフアラフォーだったんだけど、振られちゃったんだって。
「俺みたいな悪例があるから、男は期待しちゃうんだよね〜」
はいはい、でもあなたは「若い女がいい」とか言わないもんね。
「望むな、されば得られん」
といったところかな。

 じゃあ女は年下の男が好きなのか?
それも少女マンガから読み解けます。
続きはいつか。

 

 

津軽のお友達河内はおバカでカワイイ(が、恋愛対象ではない)
 

 

 

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