“どこにでもいそう”だけど“手が届かない”男女6人は、テラスハウスだけではない 『キラメキ☆銀河町商店街』

佐藤 あやの2016年02月20日 印刷向け表示
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キラメキ☆銀河町商店街 第1巻 (花とゆめCOMICS)
作者:ふじもと ゆうき
出版社:白泉社
発売日:2006-04-19
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 テラスハウスのように同じ屋根の下に住んでいるわけではないが、同じ商店街の下に暮らしている男女6人が主人公。そしてこの6人の青春群像劇を全10巻に渡って覗き見るのが、『キラメキ☆銀河町商店街』という少女マンガだ。

では何故テラスハウスではなく少女マンガを読むのか。手を繋ぐ、抱き締める、キスをする…数々の通過儀礼の先に幸せが待ち構えている少女マンガと、現実はちがう。キスどころかセックスに至っても幸せになれない現実に直面し、崩壊した少女マンガの夢……だが、『キラメキ☆銀河町商店街』は優れた実用書でもあるのだ!

幼馴染6人が主人公だが、それぞれの個性が強く描かれている。

          (『キラメキ☆銀河町商店街』/ ふじもと ゆうき)
 
八百屋の娘・ミケこと三宅千乃
魚屋の息子・クロこと黒須藍
 
       (『キラメキ☆銀河町商店街』/ ふじもと ゆうき)
 
米屋の娘・イバちゃんこと椎葉杏子

             (『キラメキ☆銀河町商店街』/ ふじもと ゆうき)

蕎麦屋の息子・キューこと花咲一休

     (『キラメキ☆銀河町商店街』/ ふじもと ゆうき)
 
焼鳥屋の娘・サトこと佐藤香澄
 
      (『キラメキ☆銀河町商店街』/ ふじもと ゆうき)
 
酒屋の息子・マモルこと白馬守
 

絶妙に可愛くない女3人と、程よくイケメンな男3人。どちらかというと可愛くない女よりは格好良くない男が幅を利かせているテラスハウスとは、ほぼ男女真逆の構図になる。そしてこの6人、兎にも角にもピュアっぷりが尋常ではない。心より先に股を開きがちな大人がこのマンガを読めば、「マジかよ……」と頭を抱えて己の軽率さを省みるだろう。

「終電大丈夫?」。酔ってふざけたふりをして手を握ってくる男友達に、あなたは「あれぇ?」と思う。ケタケタと笑って「なにー?」とか言って下心を誤魔化してみるが、その行為の白々しさが身に沁みる。相手の出方を窺いながら、言い訳を頭の中で量産しているからだ。「酒に酔っていた」、いや残念ながら割と冷静だ。「終電がなかった」、今なら普通に間に合う。「覚えていないが気付いたらベッドの上にいた」、本当か?酔って記憶をなくすなど、狙ってできる芸当ではない。いや、そもそも男も男だ。もっとお洒落に誘ってくれれば楽なのに。まあいいか、考えるのも面倒くさい。また一人男友達が減るなぁ…。

この一連の流れ、一体どこで思いとどまれば面倒ごとを起こさずに済んだのか?
もしかしたら、正解はここだったのかもしれない。

 
 
 

何故そこで思いとどまれる?!

こんな具合に、彼らの純情っぷりは大人の予定調和を土台から切り崩す。胸キュンを通り越し、畏敬の意を禁じえない。

「いやいや手を繋ぐくらいでは」と言うならば、こうだ。

薄暗い室内、仲の良い男友達と意図せず二人きり。話題も尽きて、あなたはいよいよ相手と二人きりであることを生々しく実感する。何となく視線がぶつかって、男友達に唐突に抱き締められる。うおーーマジか、結局そういう展開か?男女の友情って脆いなぁ、「する?」、うーん、どうしよう。まぁ、ナシではないか。この人、私のこと好きっぽいし……。

いや、彼らは違う。

 

                 (『キラメキ☆銀河町商店街』/ ふじもと ゆうき)

抱き締められて満面の笑みで「――うん!」?!

異性からの好意って、こんなに乱暴に無視していいものなのか?
「いい人だし、断りきれなくて…」という言い訳はもう使えないのか?

乱立するフラグを打ち砕きまくる6人の青春模様に、その純情具合に、きっと戸惑いを隠せないだろう。しかし意図せぬ男女の営みに「こんなはずじゃなかった」と頭を抱えて空虚な朝を迎えるくらいなら、いい薬になるかもしれない

キラメキ☆銀河町商店街 第2巻 (花とゆめCOMICS)
作者:ふじもと ゆうき
出版社:白泉社
発売日:2007-02-19
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キラメキ☆銀河町商店街 第10巻 (花とゆめCOMICS)
作者:ふじもと ゆうき
出版社:白泉社
発売日:2009-06-19
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