ルーキーでこのクオリティ? 末恐ろしい新人のけん玉漫画第1話『DAMAISM』

小沢 高広2016年02月29日 印刷向け表示
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DAMAISM』を読んで、「すごい新人」とは思わなかった。
そういうレベルじゃない。
ただただ「すごい漫画」だと思った。
この『DAMAISM』は、”けん玉”の漫画だ。
けん玉…。
やったことがない人は、さすがに少ない。
でもやり込んだ人も、そうはいない。


「けん玉フリースタイルバトル世界ランク3位の過去話 ※フィクションです」とのこと。

そういったマイナーなジャンルを漫画で描く方法は、おおまかに2つある。
ひとつは、主人公と競技の出会いを描く方法。
「そんなジャンル知らない」と主人公に言わせ、ひょんなことから、その道のプロフェッショナルのプレイと出会う。それを目にした、主人公が見よう見まねでやってみたら、実は隠れた才能があったというパターン。主人公と読者の目線をまず揃えておいて、その道の上位者に才能を認知させることで、自然と物語に読者を引き込む。
もうひとつがこの『DAMAISM』のような、主人公がそのジャンルで「すでにすごい」というパターン。有名どころだと松本大洋さんの『ピンポン』などがそう。この方法のメリットは、いきなり主人公のかっこいいプレイを「隠れた才能」というレベルでなく(まだ上はあるにせよ)全力で描けること。ただデメリットもある。それは「読者が誰もついてこれない」可能性もあること。しかし『DAMAISM』はそこを「主人公とジャンルは出会っているけれど、主人公と世界は出会っていなかった」という方法で、巧みにクリアしている。すごい。そうか、こんなやり方もあったか。

古式ゆかしい漫画家への道といえば、持ち込み、投稿から始まる。
やがて担当編集がつき、二人三脚で漫画を描き、デビューする。
けど最近は違う。
誰でも投稿できる場が、WEB上にあちこちあり、読者と直接つながる。
そんな新人発掘の場を出版社も作るようになってきた。
少年ジャンプルーキー』もそのひとつだ。
こういうやり方に対し、いまどきの編集者に新人を育てるスキルがないからだ、という批判もある。でもそこから、こういう作品が出てくるとなると、いやいやこのスタイルもすごいんじゃね?と思う。漫画のルールはただひとつ。おもしろければなんでもいい。ただそれだけだ。

タイトル
著者:坂上くん

 
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