私、『双子の親になりました』。家族フォーメーションは、僕妻子子双子、そして犬。

工藤 啓2016年03月17日 印刷向け表示
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双子の親になりました
作者:三豊 ちぇり
出版社:実業之日本社
発売日:2013-07-18
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ラインに妻からのメッセージが届く。

「大変!!」

妊娠がわかって二回目の検診だったため、正直、「流れてしまったかもしれない」と不安になった。次のメッセージが来ない。いたたまれなくなってフリックする。「どうしたの?」。

「双子だって!」

ふーん、双子かぁ。えっ、双子!?

僕と妻の間には二人の子どもがいます。4歳と2歳の男の子。将来の目標は前者が「ジュウオウイーグル」。後者が「ジュウオウエレファント」。二か月くらい前は赤ニンジャーと青ニンジャーだったのに。テレビの影響は本当に凄い。将来の夢が年単位で変わっていく。

それぞれが三人兄弟だったこともあり、子どもが三人だったらいいね、なんて話をしていたのも10年近く前のことだ。上の二人が男の子だったので、男の子でもいいけど、女の子が一人くらいいてもいいな、という何気ない会話も今は昔。

三人目の妊娠がわかったとき、なんとなく考えていた通りになったな。でも、本当にお金がかかるし、保育園とか入れるかもわからないし、共働きで子育てもなんてできるのだろうかと不安な気持ちもあった。

それでも、三人は想像がつく。どちらも三人兄弟だったから。

そこでまさかの「双子だって!!」のメッセージ。体感で5分、実際には0.5秒くらいだと思うけれど、頭に浮かんだのが家族フォーメーション。僕に妻、二人の男の子、そして双子・・・。加えて犬二匹(双子との生活が始まって少ししてから、一匹は天国にいってしまった)。なんかコナミコマンドみたいだが、想像してみると恐ろしい。長男と次男との生活は楽しいけれど、それなりに大変なことも多く、そこに一人どころか二人が加わるといったいどんな生活になってしまうのだろう・・・。

『双子の親になりました』は、不妊治療の末に授かった子どもが双子だった話。外資系で働くパパと、漫画家であるママのドタバタ、疲労困憊、幸せが入り混じったコミックエッセーだ。思考が現実に追いつかず、「人生どんなことが起こるかわからなものですね・・・」というコメントに僕は苦笑してしまう。

 

 

『双子の親になりました』

 

双子出産は、母体へのリスクが非常に高く、妊婦健診に行ったその日から長期入院ということもあるらしい。安全を考えれば一定期間の入院はあってしかるべき。双子だし。でも、いきなり妻が入院したら、“あの二人”と父子家庭状態になるのか。それは想像したくもないな、なんて思いながら書いたブログが驚くほど読まれた。

双子妊娠がわかった瞬間に夫が考えなければならない3つのこと
 

このブログ、去年の5月30日にあげているのだが、その三週間後、思考は現実化する。一緒に妊婦健診へ行った出産予定日3か月前、その日から2か月間の管理入院・・・。二か月間の父子家庭は本当にきつかった。それでも子どもたちは体調を崩すことなく、汗をかきながら元気に過ごしてくれたし、ママ不在の悲しみを僕の前で見えることもあまりなかった。ちょっと僕が甘やかしていたため、普段よりも“イイオモイ”ができたからかもしれない。仕事と育児の往復で自由時間がほぼ皆無であっても、とにかく「ママに会いたい」と言われることに比べたら、なんとでもなると思っていた。そして家族や親族、同僚から友人まで、多くのひとに甘えさせてもらった。ご近所さんにも。

その後、無事に双子(一卵性・男子)を出産。一か月近くNICUに入っていたため、二日に一回病院にいった。僕は三度目の育休であったが、一回目、二回目と比べて妻の疲労度、回復の遅さは当事者ではない僕でもわかった。長男次男は双子の帰りを楽しみにしていただけれど、子ども四人の新生活が始まったのは出産後一か月が経ったころだ。

あれから約半年、双子はお座りができるようになり、なんだか二人でこそこそ笑い合っている。僕も妻も、長男次男もあまり入れない世界があるのだろうか。僕の生活も結構変わった。朝6時に長男次男を起こし、着替えに朝ご飯。そして保育園に送って出社。しばらくは18時のお迎えも僕がしていただけれど、いまは妻が双子をバギーで連れて二人を迎えに行っている(雨が降ってなければ)。

 

『双子の親になりました』

お風呂を入れるのも一苦労で、ひとりで四人はかなりキツイ。そのため、18:00過ぎには帰宅して、どちらかが子どもたちとお風呂に入り、もう一方は子どもをお風呂に誘ったり、引き上げて着替えさせたり。そして食事、寝かせ付け、犬の散歩。二人の時間は21:00前後から。ただし、0時前後に双子が起きるのでミルクを飲ませる。月曜日から日曜日までそのサイクルを崩さなかったのがよかったのか、日々の生活はこのタイムラインで動いている。ときどき、どちらかが四人を見ることによって、もう一人が自由時間を獲得できるように差配。どうしても土曜日に仕事が入ってしまうことがあり、ひとりの時間を妻に提供することが想定よりも少なくなっていることが申し訳ない。

 

『双子の親になりました』

 

子育て世代に対して、ベビーカー邪魔、声が騒音といった冷たいニュースが目立つけれど、ひとの感情はさまざまで、嫌な想いをすることも少なくないし、ちょっとしたところで見知らぬ方が声をかけてくれて心から感謝することもある。ただ、双子が生まれてから思うのは、ものすごい勢いでお金が減っていくこと。特に食費(ミルク代)や予防注射など、まさに「二倍、二倍」の世界。これから先、男の子四人どうなるのか不安。また、僕は男でパワーで解決することも、妻がひとりだとそれができない。

双子バギーは重く、4歳と2歳の子どもたちが不安定になると、歩いて10分のところ30分以上かけて行動することもある。そもそも、大きなバギーが通れないところには入れない(そのときに気がつく)。一時のダブル抱っこも、成長するにつれ、僕ですら難しい状況になっている。これから先、いったいどうなるのだろうか。誰かひとりがインフルエンザに罹患したら・・・。家族四人のときでさえ大変だったのに。

育児で詰んだ話。
 

双子を授かってから、ご自身が双子であったり、子どもや双子や、親戚に双子がいるなど、案外、双子関係者は少なくないんだなと感じるほど、声をかけてもらうことになった。そして、誰もが通る道なのだろうか、双子やその他の子どもたちが大きくなれば、(金銭的な負担はともかく)どんどんラクになっていくから、と言葉をもらう。いまはそれを信じながら、そうはいっても多子・多胎児を育てることになったひとりの父親として、社会的に必要なこと、不十分なことには当事者としても、ひとりの人間としても積極的に声をあげていこうと思っている。

 

『双子の親になりました』
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