ドラマが話題の『重版出来!』にみる、ほんとうの顧客主義とデジタル化 製販一体の顧客主義。そのためのデジタルの活用。

池上 真之2016年05月08日 印刷向け表示
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ドラマが話題の『重版出来!』。

重版出来! 1 (ビッグコミックス)
作者:松田 奈緒子
出版社:小学館
発売日:2013-03-29
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「まーた出版界の内輪の話か」
と侮るなかれ。 

ベールに包まれた「マンガ編集」
の仕事がわかるだけでなく、

実はどの業界にも参考になることが
書かれているんです!

出版社には、
「編集部門」と「営業(販売)部門」
があります。

 

(重版出来! 1 (ビッグコミックス)

(重版出来! 1 (ビッグコミックス)

 

編集部門と販売部門は、
この「部決」でシノギを削っている、

これは私自身も業界にいて
実際によく聞くお話です。

ここで、
この「部決」自体は確かに
出版社特有のイベントかもしれませんが、

商品部門と販売部門の溝というものは、
どの業界においても、
一定あるものですよね。

銀行で言えば、
融資部門と審査部門でもいいです。

こういう「組織の壁」は、業績が
「右肩上がり」の時は気になりません。

でも、ひとたび業績が伸び悩むと、
とたんに副作用が目立ち始めます。

機能別組織が悪い
と言っているわけではありません。 

大切なのは「対立」ではなく「対話」。
そして、「対話」の内容です。

お互いが自部門の利益を追求して
大戦中の陸海軍のような
ポジショントークをしていては、
未来は明るくありません。

なぜなら、
「顧客」が置いてけぼりだからです。

 

(重版出来! 1 (ビッグコミックス)

本作の主人公、黒沢は
そんな「組織の壁」を乗り越える存在です。

 

(重版出来! 2 (ビッグコミックス)

(重版出来! 2 (ビッグコミックス)

 製販一体となって顧客に向き合う。

これこそが
今の日本の多くの産業に必要なこと
だと思います。

顧客のアンメットニーズを満たすために
取引先に無理をお願いする、
というようなトレードオフが発生するところ
までいけば嬉しい悲鳴であって、

まずは、「興味を持つ」
だけでもいいと思います。

そのために、SNSをはじめとする
デジタルメディアがあります。

(重版出来! 2 (ビッグコミックス)

(重版出来! 2 (ビッグコミックス)

出版業界で言えば、

デジタルは、出版の敵ではありません。

出版を効率化するものでもありません。

今までよりももっと、
顧客のことを知るためにあります。

 

Amazonのトップ画面を
他人に見られるのは恥ずかしいですよね。

Amazonは、
私たちのことを知り尽くしています。

日の丸連合だ黒船だとか、
そういう話じゃないんです。

 

私たちが、巨人の侵入を阻むような
高い壁を築いて中に篭っている間に、

外の世界では反対に、いろんな壁が、
どんどんなくなっています。

壁をなくして、顧客を知る。
 

これは、
出版業界に限った話ではありません。

『重版出来!』の主人公黒沢は、
いま日本のあらゆる会社に
必要な存在だと思いました。

 

重版出来! 1 (ビッグコミックス)
作者:松田 奈緒子
出版社:小学館
発売日:2013-03-29
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ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
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