パリ駅のキヨスクで『孤独のグルメ』を見つけて、いろんな意味で仰天した話 ついでにシャンゼリゼ通りにある大型書店の売れ筋(日本の)漫画ランキングも見てきました

山田 義久2016年05月13日 印刷向け表示
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孤独のグルメ2
作者:久住 昌之
出版社:扶桑社
発売日:2015-09-27
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 先週パリにいたのですが、たまたま東駅(Gare de l’Est)のキヨスクに立ちより、なんとなく本棚見ていたら、わーびっくり!名だたる有名な本(シラク元大統領の伝記とか)とともに”TANIGUCHI & KUSUMI”を冠した本、つまり『孤独のグルメ』がレジ横の目立つところにバーンと並んでいました。

(パリ東駅 ドイツとか東に行くのに使う)

(キヨスク。Tabacという名前で飲み物から雑誌までだいたいなんでも揃う)

(レジ横の棚、一番上に陣取る『孤独のグルメ』ちなみに、見えてないけど棚の一番下がシラク元大統領の伝記)

それだけでも驚きなのに、なにか表紙に違和感を覚えたので近寄ってみると、、、

(?)

だだだ、誰やねん!この表紙(笑)
恐らくカバーデザインを請け負ったフランス人の漫画家が見よう見まねで描いたのでしょうが、この雑な仕事、確実に売上を落としている気がしますよね(笑)。内容を具体的に想像させるデザインにすればいいのに。。。ね。
それはさておき、肝心の内容については2巻でした。

調べてみると1巻はちょっと前に『孤独のグルメ(Le Grourmet Solitaire)』というタイトルで既に販売されており、今回は『孤独のグルメ空想Les Rêveries d’un Gourmet Solitaire)』というこじゃれたタイトルで続編をだした、という形のようです。ちなみに東駅周辺の特に夜は、こじゃれた『孤独のグルメ』というより、『北斗の拳』に近いので気をつけてください。
それにしても、駅のキヨスクで旅立つ旅行者に対して、ゴリゴリの日本食文化に基づく『孤独のグルメ』が薦められているなんて、日本人として感慨深いものがありますよね。

現地でも”MANGA”というそのままの名前で本屋に並んでいる日本の漫画。キャプテン翼が『オリーブとトム』という意味不明なタイトルに訳されていたりする(漫画化&アニメ化。スペイン代表のイニエスタもキャプテン翼の熱狂的なファンなのは有名な話)のですが、その歴史はなかなか長いのです。
私は90年代後半に留学して現地でフランス語を学んでいたのですが、正直一番役にたった教材は当時出始めた『名探偵コナン』のフランス語版でした。しびれるほどつまらない語学学校のテキストの100倍役に立ちました。漫画は状況に応じてどういう表現が適切か一目瞭然なので、なんというか学習のコスパがいいんですよね。丸パクリできる表現が溢れています。そして、当時数巻しか出ていなかった名探偵コナン、いやDétective Conanも今や83巻。盤石の人気のようです(語学の勉強には本当に漫画はおススメです。Amazon.frで日本からでも普通に買えます)。
ちなみに2002年から『寄生獣』もフランス語版が出始めたのですが、これを呼んだフランス人の友人が「あまりにもおもしろい!」と超興奮して、続編が翻訳されるのを待てない!ということで、日本人の奥さんに日本語読めないのに日本語版をとり寄せさせた、なんてこともありました。

そんな訴求力のある日本の漫画ですが、直近では何が売れているのか。
ということで、フランスといえばパリ。パリで一番人が多く通る場所といえば、、、シャンゼリゼ通り(?)。ということでシャンゼリゼ通り沿いの大型書店fnacに行ってみました。

(fnacってこんな店。テロ警戒で入店前に持ち物検査される)

さすがというか、フランスの書店は文学の棚が大きく場所をとることが多いのですが、マンガの棚もだいたい独立しています。もちろんこのfnacでもそうで、新刊の棚はこんな感じでした。日本で流行っている作品が割とタイムリーに翻訳されているようで、あまり時差を感じませんね。

(新刊の棚その1。表紙見ればだいたいわかりますよね?)

(新刊の棚その2。『亜人』とか『いぬやしき』とか日本のヒット作ももれなく翻訳されている)

そして売れ筋ランキングがその横にありました。結果はこちら!

1位:僕のヒーローアカデミア
2位:ワンパンマン
3位:聾の形
4位:進撃の巨人
5位:ONE PIECE
6位:NARUTO
7位:暗殺教室

…ジャンプ勢つえーー!!!
しかし、このラインナップはわりとメジャーどころばかり。いわばレアルマドリッドとバルセロナの選手ばかりで、アトレイティコ・マドリッドの選手とか誰もいないみたいな(笑)。例えば日本の賞でよく一本釣りされるようなスパイシーな作品がないですよね。なんか読者の平均年齢も低い感じもするし。電子書籍がより広まって、日本並みのキュレーションが進めば、フランスの漫画文化にもう一層厚みが加わりそうな気がしました。

ちなみにオペラ座(ガルニエ)の近くにまさかのブックオフがあり、そこもなかなか漫画が溢れていたのですが、それはまた別の機会に。

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