女は幾何学模様と手仕事が好き!そんな黒い欲望を『乙嫁語り』で満たしてみてはいかがでしょ?

中原 由梨2016年05月16日 印刷向け表示
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乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)
作者:森 薫
出版社:エンターブレイン
発売日:2009-10-15
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 このゴールデンウィーク、友人がFacebookにアップしたウズベキスタン旅行の写真を「いいな~」と眺めていたら気がつきました。

「これ『乙嫁語り』の世界だ…!」

その写真は、まさにコレで

 

そしてコレで

こんな世界だったのですよ!中央アジア、やばーい!!(羨)

私も俄然ウズベキスタンに行きたくなってきたYO!
(恥ずかしながらウズベキスタンがどこにあるかも知らなかったくせに…)

そもそも、女は幾何学模様と手仕事が好き。な、生き物です(自分調べ)。
手が込んだ刺繍の服や綺麗な柄の食器など(イメージするのが難しい男子は、インドの刺繍された布とかを思い浮かべてみてください)をみると、興奮して体温があがり、動悸が激しくなって、ハァハァと息がきれて、リアルに喉から手がでそうになります。丁寧で綺麗なモザイク・タイルとか見ると、それだけで胸がときめいて引っ越したくなります。

たぶん、たいていの女は、そんな欲望をグッと隠して涼しい顔を装っていると思いますが、よく見てください。全身でうっとり見惚れているので、話しかけてもうまく返事ができないはずです。まぁ…いかんせん手が込んでる分お値段もそれなりに良いので、似たようなものを安いお店で手に入れるぐらいしか私は出来ないのですが(涙)。

 そんな女の黒い欲望(!?)を満たしてくれるマンガ『乙嫁語り』は、全編において女の望む「好きなもの」で満たされているマンガです。いや、この細部にわたるまで手がかけられている繊細さは、作者の「好きなものへの執拗な情熱」と言い換えてもいいと思います。

 この『乙嫁語り』には、女なら誰しも胸がときめく魔法の回、まさにその名も<布支度>という回があるのですが、<布支度>とは「結婚する時に嫁入り道具で布をもっていくんです。手ぬぐいとか風呂敷とか布団の覆い掛けみたいな大きいものまで」「全部に刺繍するので小さいうちから少しづつ作っておかないと。結婚が近くなったら花嫁衣裳にかかりきりになりますから」ということだそう。恐ろしいことに、布が用意できなかったら婚礼が年単位で遅れるくらい、それはそれは重要なものなのです。

でも、それは親から子へ、子から孫へ…とその家オリジナルの図版が受け継がれていく、美しい伝統の名の元にある行為だったりします。そして着る人の社会的な地位をあらわし、病気や厄災を避けるための術のひとつだったりもします。また、時には貨幣よりも価値が高いこともあるようなので、布は嫁入りの財産のひとつでもあったのでしょう。そして何よりも、この布の描写の細かいこと…!質感まで感じられてうっとりします。もし出来るなら、この布をカラーで見たいです…いや、実際に触りたいです。というか、ウズベキスタンに行ってペルシャ絨毯を絨毯爆撃なみに爆買いしたいです。

 タイトルにある『乙嫁』は古語で「美しいお嫁さん」という意味だそうで、この物語はその名の通り、様々なタイプの美しいお嫁さんを中心に物語は展開していきます。登場する、どの女性(お嫁さん)も大変魅力的!なのですが、特に主人公のアミルさんは実に力的!最高にチャーミングな女性です。

 姉さん女房(8歳上!旦那は12歳…)で、弓が嫁入り道具で、鶏もウサギもつかまえてさばけて、そしてお嬢様で、乙女で、天然。いざというときは旦那様を守るために戦う(しかも戦闘力が高い!)という、誰しもが惚れて憧れる要素が満載の最強女子、アミルさん。そして料理の描写はみてるだけで涎がでます。ヒンナ、ヒンナ(※旅行した友人いわく食べ物はあまりオススメじゃないらしいですが)

あと、個人的には曾祖母が最高に好きでして、将来はこんな人になりたいと思っています。ヤギをあやつる岩山の女王…ほんとかっこよすぎる(これは是非読んでいただきたい!)。『サマーウォーズ』のおばあちゃんばりのカッコ良さです。

 

もちろん男子も素敵ですよ。アミルのお兄さまとか!
(個人的に森山開次ばりの長髪の男性に昔から弱くてですね…以下略)

 ゴールデンウィーク最終日、ウズベキスタン帰りの友人とお土産話を肴に焼肉をつついてたら、『乙嫁語り』を読みたくなったのと、猛烈にウズベキスタンに行きたくなりました。しかも、友人が現地で会った日本人の大学生は、まさに『乙嫁語り』を読んで、ウズベキスタンに留学したそうで!確かに『乙嫁語り』を読むと中央アジアへの興味がわきますが、留学という行動をおこした彼女の勇気を讃えたい気持ちでいっぱいになりました。

 が…そんな彼女は日本で普通に就職することを希望しており、せっかく覚えたウズベキスタン語もロシア語も仕事にいかす予定はないそうです。残念すぎる!せっかくそんなにニッチな体験したんだから将来に役立てて欲しい!日本の未来はヤバいぞ!!などと大人達は叫び、各々おせっかいな事を考えたりして、静かに夜は更けてゆくのでありました。。。あー、本当にウズベキスタン行きたい。

乙嫁語り 2巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
作者:森 薫
出版社:エンターブレイン
発売日:2010-06-15
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乙嫁語り 8巻 (ビームコミックス)
作者:森 薫
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2015-12-14
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