超傑作×超傑作!『サイボーグ009 VS デビルマン』は空前絶後の超豪華コラボ 漫画史でこれ以上の組み合わせは有り得るか?

マンガサロン『トリガー』2016年05月15日 印刷向け表示
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サイボーグ009 VS デビルマン -BREAKDOWN- (シリウスKC)
作者:吉富 昭仁
出版社:講談社
発売日:2016-04-08
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2015年、とてつもない衝撃が走りました。

『サイボーグ009vsデビルマン』10月劇場公開

ΩΩ Ω<な、なんだってー!?

どちらも漫画史上に燦然と輝く超々名作である『サイボーグ009』の島村ジョーたちと、『デビルマン』の不動明たちが闘う……!? 悪魔族が幻覚を見せているのではと疑うレベルですよ!?ここまでのドリームマッチがかつてあったでしょうか!!

私が天使編をどれだけ胸を熱くして読んだか……『デビルマン』を初めて読んだ時の衝撃がどれほどのものだったか……その辺について語り出すと別に記事がいくつも必要になってしまうので、今回は割愛しますが!

しかし、二週間限定の劇場公開ということで、見逃してしまった方も多いのではないでしょうか。かくいう私も、劇場公開時は不覚にも存在すら知らずにスルーしておりました。

タイトルだけ聞けば多くの人が「話題先行のイロモノなんじゃないの?」と感じるかもしれません。が、このスーパーコラボレーション、ただものではありませんでした! 絵柄にこそ多少の違和感があるかもしれませんが、両作品への強いリスペクトを随所に感じられる内容で、どちらかのファンであるだけでも絶対に楽しめるハイレベルな作品となっていました。

そんな劇場版を観た方も観てない方も楽しめるのが、こちらの吉富昭仁先生による漫画版です。漫画版は、劇場アニメ版とはまた違ったシナリオとなっており、単独でこちらだけ楽しむことも問題なく可能となっています。

仮にですが、もしも自分が『009』と『デビルマン』のスピンオフを描くことになったとしたらどうでしょうか? そのプレッシャーは半端なものではないでしょう。どちらもあまりにも国民的な作品であり、ファンも多い名作です。重すぎる期待を一身に背負って、裏切らないだけのクオリティの物を出そうとしたら、どれほどの心血を注ぎ込まねばならないことでしょう。様々なリバイバルやリメイクが全盛の昨今ですが、旧来からのファンを本当に納得させられるようなものが果たしてどれだけあるでしょうか。

ただ、今回吉富先生はその非常に困難な仕事を見事に高い次元で成し遂げています。

吉富先生といえば『EAT-MAN』や『ローンナイト』などが有名ですが、それ以外にも『地球の放課後』や『へんなねえさん』など近年でも秀作を次々と発表されています。個人的には新刊が出たら必ず購入する作家の一人です。それらの作品に見られる、良い意味での作家性、センス・オブ・ワンダー的な読感が、しっかりとこの『サイボーグ009vsデビルマン』でも得られました。巻頭で永井豪先生本人が絶賛しているのも納得の出来栄えです。

夢の対決がここに実現!

勿論、『009』と『デビルマン』を両方読んでいる人がこの作品を最も楽しめるのは間違いありません。両作品の設定をしっかり考慮して構築されていますし、様々なキャラの登場に嬉しさが湧き起こります。何より、「あの言葉」を発するシーンには一『009』ファンとして胸が震えずにはいられませんでした。読みながら、自然と脳内にあの曲が流れ始めるのは必然です。

ただ、どちらも読んでない人でも一冊の良質なSFアクションとして楽しめるのがこの漫画版です。サスペンス仕立てで、一話一話の続きが気になりますし、バトルアクションも派手に描かれており爽快感があります。

一体、この世界に何が起こっているのか……?

謎が謎を呼ぶサスペンス展開

吉富先生も、極力自分の画風の中で石ノ森章太郎先生・永井豪先生の絵に近付けようとした努力の痕跡が見て取れます。その中で、フランソワーズと美樹でだけはやりたいことをやってでいるのは、吉富先生らしくニヤリとする所です。

ともあれ、一冊で綺麗にまとまっているので非常にお薦めもしやすいです。この作品を読んでから、原作の『009』や『デビルマン』に入って行くのも大いにアリですよ。
 

サイボーグ009(1) (石ノ森章太郎デジタル大全)
作者:石ノ森章太郎
出版社:講談社
発売日:2014-07-25
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デビルマン 全5巻セット 講談社漫画文庫
作者:永井 豪
出版社:講談社
発売日:1998-10
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(文:マンガサロン『トリガー』兎来栄寿)

 

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